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倉橋 太志
大学院システム情報学研究科 システム情報学専攻
准教授

  • プロフィール

    ゲーデルの不完全性定理を中心に,形式的算術の証明可能性に関する研究を行っています.

    これまでには次のような研究を行ってきました.

    ・種々のパラドックスに基づく不完全性定理の証明の分析
    ・様々な性質をもつロッサーの証明可能性述語の構成
    ・算術の超準モデルにおける証明構造の分析
    ・不完全性定理の一般化と理論の証明可能性に関する諸概念の一般化
    ・述語証明可能性論理の限界の分析
    ・理論を表現する論理式とその命題証明可能性論理の対応の分析
    ・証明の論理の算術的完全性定理の拡張
    ・様相論理における補間定理や不動点定理の分析

    不完全性定理に関連する話題については,内容もさることながら,論理式の不動点をとることよって様々な性質が導かれる,という技術的な点にも強く心惹かれています.

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(学術), 神戸大学
■ 研究キーワード
  • 様相論理
  • 算術のモデル
  • 証明可能性論理
  • 不完全性定理
  • 数学基礎論
  • 数理論理学
■ 研究分野
  • 自然科学一般 / 応用数学、統計数学 / 数理論理学
  • 自然科学一般 / 数学基礎 / 数理論理学

研究活動情報

■ 受賞
  • 2014年11月 科学基礎論学会, 2013年度科学基礎論学会奨励賞
    倉橋 太志

■ 論文
■ MISC
■ 書籍等出版物
  • 数学における証明と真理―様相論理と数学基礎論―
    菊池誠, 佐野 勝彦, 倉橋 太志, 薄葉 季路, 黒川 英徳, 菊池 誠
    共著, 第2部(証明可能性論理)担当, 共立出版, 2016年03月, 日本語, 本書は数理論理学の基礎的な知識を持つ読者を対象として,様相論理の構文論と意味論,ならびに,数学基礎論の専門家以外にも名前はよく知られているゲーデルの不完全性定理,コーエンの強制法,タルスキの真理論という三つの話題について,それらの基礎から最近の発展までを紹介するものである。様相論理を紹介する第1部は,その部分のみを取り出してコンパクトな様相論理の入門書または教科書として読むことができるように書かれている。三つの章からなる第2部から第4部では,いずれも最初の章で基礎的な話題の概要が丁寧に説明されており,これらの章のみを選んで数学基礎論の基本的な話題を紹介する入門書として読むこともできる。数学的な議論の詳細と最近の発展は各部の残りの二つの章で紹介されている。 数学基礎論は数学や哲学に興味を持つ専門家および非専門家から強い関心を持たれている分野であり,計算機科学や哲学,言語学の基礎でもあることから入門書,教科書,啓蒙書が数多く出版されている。しかし,それらの多くは数学基礎論の古典的な結果であるゲーデルの完全性定理,不完全性定理までの解説にとどまっており,数学基礎論の最近の展開には触れていない。本書はクリプキの可能世界意味論を軸に,証明可能性論理,集合論的多元宇宙論,真理の改定理論という想像力をかきたてる名前を持ち,古典的な数学観,真理観を覆す見方を具体的に提案する最新の理論を紹介することで,これまで専門家以外にはほとんど知られていなかった数学基礎論の新しく深い魅力を伝えるものである。, ISBN: 9784320111486
    学術書

■ 講演・口頭発表等
  • スマリヤンの Truth and Provability について
    倉橋太志, 冨永浩平
    日本数学会 2025年度年会, 2025年03月, 日本語, 日本数学会, 早稲田大学 早稲田キャンパス, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 様相論理と中間論理の Lyndon 補間性
    倉橋太志
    日本数学会 2025年度年会, 2025年03月, 日本語, 日本数学会, 早稲田大学 早稲田キャンパス, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 様相論理と中間論理における Lyndon 補間性
    倉橋太志
    第59回MLG数理論理学研究集会, 2025年02月, 日本語, 東北大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 不完全性定理と反映原理
    倉橋太志
    数学基礎論サマースクール2024, 2024年09月, 日本語, 東北大学青葉山キャンパス, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等

  • 証明可能性の二重様相論理 GR に対する補間定理
    小暮晏佳, 倉橋太志
    日本数学会 2024年度秋季総合分科会, 2024年09月, 日本語, 日本数学会, 大阪大学豊中キャンパス, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 有限拡大に制限した本質的不完全性について
    倉橋太志, Albert Visser
    日本数学会 2024年度秋季総合分科会, 2024年09月, 日本語, 日本数学会, 大阪大学豊中キャンパス, 日本国, 国内会議, 国際共著している
    口頭発表(一般)

  • Collection 原理の特徴づけについて
    倉橋太志
    日本数学会 2024年度秋季総合分科会, 2024年09月, 日本語, 日本数学会, 大阪大学豊中キャンパス, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 理論の不完全性,決定不能性,分離不能性
    倉橋太志, Albert Visser
    日本数学会 2024年度年会, 2024年03月, 日本語, 日本数学会, 大阪公立大学, 日本国, 国内会議, 国際共著している
    口頭発表(一般)

  • 証明可能性-強制様相論理
    高瀬理人, 倉橋太志
    日本数学会 2024年度年会, 2024年03月, 日本語, 日本数学会, 大阪公立大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 必然化の論理 N の拡張論理の有限フレーム性
    佐藤雄太, 倉橋太志
    日本数学会 2024年度年会, 2024年03月, 日本語, 日本数学会, 大阪公立大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 局所反映原理に関する保存性について
    小暮晏佳, 倉橋太志
    日本数学会 2024年度年会, 2024年03月, 日本語, 日本数学会, 大阪公立大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 証明可能性論理 GR の補間定理
    小暮晏佳, 倉橋太志
    第58回MLG数理論理学研究集会, 2024年02月, 日本語, 東北大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 必然化の論理 N の拡張論理の有限フレーム性と補間定理
    佐藤雄太, 倉橋太志
    第58回MLG数理論理学研究集会, 2024年02月, 日本語, 東北大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 証明可能性-強制様相論理 PF について
    倉橋太志, 高瀬理人
    第58回MLG数理論理学研究集会, 2024年02月, 日本語, 東北大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 理論の不完全性,決定不能性,分離不能性
    倉橋太志
    第2回 ロジック・ウィンタースクール, 2023年12月, 日本語, 愛媛県松山市, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    [招待有り]
    公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等

  • 局所反映原理における保存性
    小暮晏佳, 倉橋太志
    証明論研究集会2023 証明論と計算論の最前線, 2023年12月, 日本語, 京都大学数理解析研究所, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 証明可能性論理 D のカット無しシークエント計算
    鹿島亮, 倉橋太志, 岩田荘平
    日本数学会2023年度秋季総合分科会, 2023年09月, 日本語, 日本数学会, 東北大学, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 様相論理 $\mathbf{IL}^-(\mathbf{P})$ について
    大川裕矢, 岩田荘平, 倉橋太志
    日本数学会2023年度年会, 2023年03月, 日本語
    口頭発表(一般)

  • 単調性を満たす証明可能性述語の様相論理
    倉橋太志, 小暮晏佳
    日本数学会2023年度年会, 2023年03月, 日本語, 日本数学会, 中央大学, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • Friedman--Goldfarb--Harrington の定理の拡張
    倉橋太志
    日本数学会2023年度年会, 2023年03月, 日本語, 日本数学会, 中央大学, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • $\mathsf{R}$ と無矛盾な理論の不完全性と決定不可能性
    倉橋太志
    証明論シンポジウム 2022, 2022年12月, 日本語, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 証明可能性述語の様相論理
    倉橋太志
    SAML2022: Symposium on Advances in Mathematical Logic 2022, 2022年06月, 日本語, 京都大学数理解析研究所, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 様相算術における選言特性と存在特性
    倉橋太志
    日本数学会2021年度秋季総合分科会, 2021年09月, 日本語, 日本数学会, 千葉大学(オンライン), 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 保存性の論理CL およびその拡大の位相的意味論について
    岩田荘平, 倉橋太志
    日本数学会2021年度秋季総合分科会, 2021年09月, 日本語, 日本数学会, 千葉大学(オンライン), 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 述語証明可能性論理の包含関係について
    倉橋太志
    日本数学会2021年度秋季総合分科会, 2021年09月, 日本語, 日本数学会, 千葉大学(オンライン), 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • Inclusions between quantified provability logics
    Taishi Kurahashi
    International Workshop on Gödel's Incompleteness Theorems, 2021年08月, 英語, 武漢大学, 武漢, 中華人民共和国, 国際会議, 国際共著していない
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • On the second incompleteness theorem and provability predicates
    Taishi Kurahashi
    Celebrating 90 Years of Gödel’s Incompleteness Theorems, 2021年07月, 英語, University of Tübingen, University of Tübingen (Online), ドイツ連邦共和国, 国際会議, 国際共著していない
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 解釈可能性論理 IL の部分論理に対する Craig の補間定理及び不動点定理について
    大川裕矢, 倉橋太志, 岩田荘平
    日本数学会2021年度年会, 2021年03月, 日本語, 日本数学会, 慶応義塾大学(オンライン), 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 述語証明可能性論理の包含関係について
    倉橋太志
    証明論研究集会2020, 2020年12月, 日本語, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 解釈可能性論理ILの部分論理
    倉橋太志, 大川裕矢
    日本数学会2020年度秋季総合分科会, 2020年09月, 日本語, 日本数学会, 日本国, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • 部分保存的な文に対する Bennet の結果の一般化
    大川裕矢, 倉橋太志
    日本数学会2020年度秋季総合分科会, 2020年09月, 日本語, 日本数学会, 国内会議, 国際共著していない
    口頭発表(一般)

  • Rosser 証明可能性述語と超準的な証明
    倉橋 太志
    超準解析と数学基礎論のシンポジウム NSA 2017, 2017年12月, 日本語, 早稲田大学, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • On partial disjunction properties of theories containing PA
    倉橋 太志
    Workshop ``Logic and Philosophy of Mathematics'', 2017年07月, 早稲田大学
    [招待有り]

  • 不完全性定理と証明可能性述語について(特別講演)
    倉橋 太志
    日本数学会2016 年度秋季総合分科会, 2016年09月
    [招待有り]

  • 証明可能性論理
    倉橋 太志
    数学基礎論サマースクール 2015, 2015年08月, 中国語, 神戸大学, 国内会議
    [招待有り]
    公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等

■ 所属学協会
  • Association for Symbolic Logic

  • 科学基礎論学会

  • 日本数学会

■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 形式的証明可能性の持つ諸性質の分析
    倉橋 太志
    日本学術振興会, 科学研究費(基盤研究(C)), 2023年04月 - 2028年03月, 研究代表者

  • 不完全性定理を通じた形式的証明可能性の研究
    倉橋 太志
    日本学術振興会, 科学研究費(若手研究), 2019年04月 - 2023年03月, 研究代表者
    競争的資金

  • 超準モデルと理論における証明構造の分析
    倉橋 太志
    日本学術振興会, 科学研究費(若手研究B), 2016年04月 - 2019年03月, 研究代表者
    競争的資金

  • 可証性述語の解析に基づく形式的証明可能性の研究
    倉橋 太志
    日本学術振興会, 科学研究費(研究活動スタート支援), 2014年08月 - 2016年03月, 研究代表者
    競争的資金

  • 形式的算術の証明可能性について
    倉橋 太志
    日本学術振興会, 科学研究費(特別研究員奨励費), 特別研究員奨励費, 神戸大学, 2012年04月 - 2014年03月, 研究代表者
    本研究の目的は、形式的体系の証明可能性を表現する論理式である可証性述語の形式的算術における振る舞いについて調べ, そのことを通じて不完全性定理や形式的算術の超準モデルなどの理解を深めることである. 1. ロッサーの可証性述語について ロッサー可証性述語に基づくヘンキン文および反映原理に関する研究を行った, まず, 独立なヘンキン文をもつかどうかが可証性述語の取り方に依存することを示し, Halbach and Visser (2013)による問題を解決した. また, Shavrukov (1991)による問題を解決することで, 反映原理が通常のものと同値でないようなロッサー可証性述語の存在を示し, Goryachev (1989)による結果と合わせて, それらの同値性がロッサー可証性述語の取り方に依存することを明らかにした. これらの結果により, ロッサー可証性述語の性質の理解だけでなく, 形式的証明そのものの構造の理解が深まることが期待される. 2. 算術の超準モデルにおける証明可能性ついて 本研究はこれまでほとんど行われていなかった, 算術の超準モデルにおける証明可能性について分析するものである. 本年度は(a)Con2のモデルでも証明可能的極大でもないようなペアノ算術の超準モデルの存在, (b)ペアノ算術の超準モデルである任意の始切片において証明可能なものが実際より増えているような超準モデルの存在, (c)ペアノ算術の各無矛盾な完全拡大を何らかの超準モデルにおいて定義するようなロッサー可証性述語の存在, を示した. 本結果により, 超準モデルにおける証明可能性や証明の構造に関する基本的な性質が明らかとなった.
    競争的資金

研究シーズ

■ 研究シーズ
  • 形式的数学における証明可能性
    シーズカテゴリ:自然科学一般
    研究キーワード:数理論理学, 数学基礎論, 不完全性定理, 様相論理, 証明可能性
    研究の背景と目的:1931年にゲーデルによって発表された不完全性定理によって、命題の真偽と証明可能性には本質的な違いがあり、また証明可能性は計算可能性の概念と密接に関わること、などが明らかになりました。不完全性定理を中心に、証明可能性や証明という概念を理解するための研究を行っております。
    研究内容:自然数論などの数学の理論を論理学を用いて形式化することで得られる、形式的数学における証明可能性の分析を行っています。特に様相論理などを用いることによって形式的数学とコード化された形式的数学の相互関係を分析し、そのことを通じて証明可能性の構造の理解を深めるという研究を行っています。
    期待される効果や応用分野:証明可能性関係を形式的体系内で弱表現する証明可能性述語の挙動の分析を通じて、数学における証明の構造への理解が深まることが期待されます。その分析の過程において得られる知見から、証明論・非古典論理・算術の超準モデル・計算理論などに関連する分野への応用も期待できます。
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