MF Researcher Database

研究シーズ紹介

元井 直樹(モトイ ナオキ)
(モトイ ナオキ)
大学院海事科学研究科 海事科学専攻
准教授
Last Updated :2023/06/06
  • 力覚伝送を伴うバイラテラル遠隔制御
    シーズカテゴリ:ものづくり技術(機械・電気電子・化学工業), 情報通信, ライフサイエンス
    研究キーワード:モーションコントロール, 力制御, 遠隔制御
    研究の背景と目的:既存の遠隔制御技術の多くは視覚情報のみに基づく遠隔制御を行っています。そのため、細やかな力調整が難しく、接触を伴う遠隔動作により対象物を破損する可能性があります。本研究では、視覚情報のみならず力覚情報も伝送することで、操作者に対象物の硬さ・柔らかさを実時間で伝送することで、操作性の向上と臨場感あるふれる遠隔操作システムの実現を目指しています。
    研究内容:バイラテル制御システムは、操作者が操作するリーダシステムと遠隔地にて動作するフォロワーシステムからの構成されます。2台のシステムにおいて、位置の完全一致と作用・反作用の法則を同時に実現することで、操作者はシステムを通じてあたかも遠隔地にある対象物に触れているような力覚を得ることが可能となります。ここで、位置の完全一致と作用・反作用の法則を同時に実現するために加速同制御系に基づく運動制御技術を用います。また、力の推定には力センサを用いず、オブザーバ理論を用いた力推定を行っています。結果、力覚情報を伴う臨場感あふれる遠隔操作が実現できます。さらに送受信する位置・力情報に関しては拡大・縮小が可能です。また、送受信する位置・力情報を保存することで、人間動作の抽出が可能となり、複雑な動作の自律化を導きます。
    期待される効果や応用分野:力覚伝送を伴う遠隔操作技術により、臨場感あふれる遠隔操作が可能となり、接触を伴う人間動作を遠隔技術で実現可能となります。また、本技術は動作の延伸・縮小も可能です。本技術により、ものづくりでの危険作業や家庭内・医療福祉分野での人間代替作業が可能となります。また、本技術を人間動作の抽出に用いることにより、複雑なシステム動作の自律化が可能となります。
    関係する業績:論文1:元井 他, "操作性向上のための機能分解による異自由度ロボット間バイラテラル制御", 日本ロボット学会誌, Vol. 31, No. 7, pp. 651-658, 2013. 論文2:元井 他 "人・機械協調システムによる位置・力情報を有する教示信号の実時間修正手法", 電気学会産業応用部門誌, Vol. 135, No. 5, pp. 503-512, 2015.
  • 移動ロボットの運動制御技術
    シーズカテゴリ:ものづくり技術(機械・電気電子・化学工業), ライフサイエンス
    研究キーワード:移動ロボット, 自律制御, 遠隔制御
    研究の背景と目的:産業用ロボットや人支援システムにおいてロボット技術が幅広く用いられています。このようなロボット技術において移動は重要な項目であり、移動技術の実現により動作範囲の拡大や、実現可能なタスク数の向上が見込まれます。本研究では、移動ロボットの運動制御技術の高度化として、移動ロボットの自律制御技術と遠隔誌制御技術に関する研究を行っています。
    研究内容:移動ロボットの自律制御技術の研究として、障害物回避と目的地までの移動(所望軌道追従)を良質↓最適化手法に基づく軌道計画手法に関する計画を行っています。また、狭路走行などを題材として機械学習を用いた軌道計画手法に関する研究も行っています。移動ロボットの遠隔制御技術の研究としては、障害物等への接触可能性に基づく力覚アシスト機能を有する遠隔制御技術の研究を行っています。また、力覚アシスト機能を有する遠隔制御技術により操作性の向上を実証しています。
    期待される効果や応用分野:本技術により移動制御技術の高度化が見込まれます。例えば産業界では移動機能を有する産業用ロボットが構築され、物品の搬送から組付けまでを統一のロボットで実現可能となります。また、家庭内に存在する狭所を移動可能なロボットの具現化も期待できます。さらに災害対策としての遠隔制御ロボットや自動運転等への本技術の転用も期待できます。
    関係する業績:論文1:N. Motoi et al, IEEJ Journal of Industry Applications, Vol. 9, No. 4, pp. 331-340, 2020. 論文2:N. Motoi et al, IEEE Open Journal of the Industrial Electronics Society, Vol. 1, pp. 157-165, 2020.
  • 力覚情報に基づくモーションコントロール技術
    シーズカテゴリ:ものづくり技術(機械・電気電子・化学工業)
    研究キーワード:ロボティクス, 力制御
    研究の背景と目的:産業用ロボットに代表されるようにロボット技術が生産性の向上に大きく寄与しています。産業用ロボット技術の多くは、繰り返し制御の向上に着目し、位置制御精度の向上を目指しています。一方で、ばらつきの多い物品に対して作業者が行う組付け作業では、位置精度のみならず柔軟な力調整が必要です。これはロボットにおける力制御の重要性を示しており、本研究ではロボットの力覚情報に基づく運動制御技術を研究しています。
    研究内容:本研究では、ロボットの巧みな制御のために力覚情報に基づく運動制御技術の研究を行っています。まず、力覚情報はオブザーバ理論に基づいて実時間推定を行っています。また、高精度に位置・力情報をロボットにおいて実現するために外乱オブザーバに基づく加速度制御系を構築しています。さらに、推定した力覚情報をもとに作用・反作用の法則に基づく力制御技術やインピーダンス制御技術を上位の制御器として実装しています。本技術を用いることで、環境に対して柔軟に接触可能なロボットを構築することが可能となります。
    期待される効果や応用分野:力覚情報を基盤とした運動制御技術を実装することで、ロボットにおける環境/対象物への接触を含む動作の高精度な実現が可能となります。また、人間と接触した際の安全動作の実現等、ロボットの接触に対する高精度化が可能となります。
    関係する業績:論文1:N. Motoi,et al., "Task Realization by a Force-based Variable Compliance Controller for Flexible Motion Control Systems," IEEE Trans. on Industrial Electronics, Vol. 61, No. 2, pp. 1009-1021, 2014.
  • 水中ロボットの運動制御技術
    シーズカテゴリ:ものづくり技術(機械・電気電子・化学工業), エネルギー
    研究キーワード:ROV, AUV
    研究の背景と目的:海洋におけるプラントの施工やメンテナンス、生物・資源探索等において水中ロボットが広く用いらています。本研究では水中ロボットとして遠隔制御型のROV、および自律制御型のAUVの研究開発を行い、水中ロボット技術の高度化を目指しています。
    研究内容:水中ロボットにおける移動制御に対する研究を実施しており、外乱オブザーバやスライディングモード制御に基づくロバストな運動制御に基づく高精度な移動の実現を目指しています。また、水中マニピュレータの動作の高精度化を目指し、力覚情報の伝送を伴う水中バイラテラル制御技術の研究も行っています。
    期待される効果や応用分野:本技術により水中ロボットの移動とマニピュレーション動作の高度化が見込まれる。そのため、高操作性を有する遠隔制御や自律制御により水中での様々なタスクの実現が見込まれます。

Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.