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研究シーズ紹介

楠原 仙太郎(クスハラ センタロウ)
(クスハラ センタロウ)
大学院医学研究科 医科学専攻
講師
Last Updated :2023/02/04
  • 糖尿病網膜神経変性におけるアクアポリン9の役割の解明
    シーズカテゴリ:ライフサイエンス
    研究キーワード:糖尿病網膜症, 神経変性, アクアポリン9, 生体イメージング
    研究の背景と目的: 私たちは糖尿病の発症早期から糖尿病網膜神経変性に対する治療介入を行うことによって周皮細胞脱落に続く血液網膜柵の破綻を抑制するというシナリオを描いており、治療のターゲットとして中枢神経で神経保護的に働くアクアポリン9(AQP9)に注目しました。本研究では遺伝子改変マウスと2光子顕微鏡を用いた生体イメージングで糖尿病網膜神経変性におけるAQP9の役割を明らかにすることを目指しています。
    研究内容:遺伝子改変糖尿病マウス(InsCre;Pdkflox/floxマウス)とコントロールマウスの網膜におけるAQP9の分布と発現の変化を調べた後に、両マウスでの表現型の違いを、免疫染色、TUNEL染色、血管透過性亢進、白血球接着、網膜虚血、2光子顕微鏡による生体イメージングで確認します。AQP9の神経保護効果についてはAqp9ノックアウト(KO)マウスと野生型マウスのそれぞれに高血糖誘発した後に、網膜神経節細胞数と網膜電図で評価します。血液網膜柵破綻下におけるAQP9の役割についてはマウスに抗PDGFRβ中和抗体を腹腔内投与することによって周皮細胞脱落網膜血管モデルを作成します。このモデルをAqp9KOマウスと野生型マウスでそれぞれ作成し、その表現型について上記と同様の方法で評価します。図に示します様に、私たちは世界に先駆けて2光子顕微鏡によるマウス生体網膜イメージングの系を確立しています。

    2光子顕微鏡によるマウス網膜生体イメージ

    期待される効果や応用分野:アクアポリンの発現と活性を調節する薬剤は多く存在することから、本研究によって糖尿病発症早期から生じる網膜神経変性におけるアクアポリン9の役割が解明されれば、糖尿病患者の網膜神経保護治療への応用が大いに期待されます。また、2光子顕微鏡によるマウス生体網膜イメージングは薬剤スクリーニングやヒトでの生体機能イメージング等への応用が期待できると思われます。

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