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坂井 晃介大学院人間発達環境学研究科 人間環境学専攻准教授
プロフィール
専⾨は歴史社会学・福祉国家論・社会学理論です。
19 世紀以降⻄ヨーロッパを中⼼として、⾃助的な協働によって担われていた福祉が国家的総合を遂げていった過程を福祉国家の形成過程ととらえ、それがマックス・ウェーバー以来の社会学の課題である近代社会の⽴ち上がりとどのような関係にあるのかについて関⼼を持っています。とりわけ19 世紀（後半）ドイツを対象とし、国家が相互性や連帯、経済的合理性といった近代化以降新たな意味をもつにいたった様々な理念をどのように捉え、個々の政策に反映させていったのかを研究しています。これはN. ルーマンのゼマンティク分析（歴史学における概念史研究の社会学的再構成）を応用する試みでもあります。
※坂井を指導教員にして大学院・研究生進学をお考えの方は、必ず事前にご連絡ください。その際にはなるべく具体的な研究計画書をご準備ください。
研究活動情報
■ 受賞- 2024年10月 日本保険学会, 日本保険学会賞（論文の部）, 「ポリツァイにおける〈保険〉と〈保険監督〉の歴史社会学――近代ドイツにおける私的保険組織への国家介入をめぐって」
- 2022年06月 日本ドイツ学会, 日本ドイツ学会奨励賞, 『福祉国家の歴史社会学——19世紀ドイツにおける社会・連帯・補完性』
- 2022年06月 公益財団法人生命保険文化センター, 研究助成論文優秀論文賞, 「民間保険組織を通じた政治と経済の構造的カップリング ―—世紀転換期における英独社会保険形成の比較歴史社会学」
- 2020年08月 東京大学, 第1回 而立賞, 「社会・連帯・補完性——19世紀ドイツ社会国家をめぐる意味論的探究」
- 2018年09月 公益財団法人生命保険文化センター, 研究助成論文研究奨励賞, 「生命保険の歴史社会学に向けて―—19 世紀ドイツにおける発展を事例に」
- 2024年10月, Social Policy and Society, First View, 1 - 12, 英語[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2023年09月, 社会と調査, 31, 57 - 70, 日本語原発避難による世帯分離がもたらした家族の困難——「双葉地方の住民を対象とした災害復興実態調査」（2011）自由回答データの計量テキスト分析[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2023年05月, Systemic Practice and Action Research, 英語[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2023年03月, 生命保険論集, 222, 375 - 400, 日本語, パスワードが無いポリツァイにおける〈保険〉と〈保険監督〉の歴史社会学――近代ドイツにおける私的保険組織への国家介入をめぐって研究論文（学術雑誌）
- 2022年, Soziale Systeme, 27(1) (1), 144 - 172, 英語[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2021年12月, 生命保険論集, 217, 293 - 321, 日本語, パスワードが無い民間保険組織を通じた政治と経済の構造的カップリング——世紀転換期における英独社会保険形成の比較歴史社会学研究論文（学術雑誌）
- 2020年03月, 社会学評論, 70(4) (4), 397 - 412, 日本語, パスワードが無い社会国家の意味論としての「連帯」——19世紀ドイツ社会政策の展開を事例に[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2020年02月, Journal of Organizational Change Management, 34, 747 - 762, 英語[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2019年07月, Anthropological Theory, 20(4) (4), 438 - 454, 英語[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2019年03月, 相関社会科学, 28, 57 - 63, 日本語, パスワードが無い[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2017年12月, 生命保険論集, 280, 227 - 261, 日本語, パスワードが無い
- 论日本福利国家“开端之争”及其社会理论重构ドイツ語による研究報告「日本における福祉国家の「起源論争」とその社会理論的再構成」の中国語訳（撰远思訳）2017年03月, 北大德国研究, 6, 298 - 309
- 自由・安全・補完性―—ドイツ社会国家の正当化論理をめぐる意味論的考察This paper aims to clarify the basic concepts surrounding the historical development of the German welfare state (Sozialstaat) from the perspective of semantic analysis, a method employed in the field of the sociology of knowledge. The central idea of the Sozialstaat is the principle of "subsidiarity," which is the political obligation for a government to intervene in small communities only if those communities lose autonomous capacity. Although previous studies have examined the origin of "subsidiarity," they have tended to reduce the understanding of its emergence to the rise and effects of German social Catholicism since an encyclical in 1891 (Rerum novarum) , and overlook the semantic premises shared by multiple sociopolitical actors despite their differing perspectives and contexts. This paper traces how "subsidiarity" was generated via the legalization of German social insurance through debates about social problems (poverty and bad conditions for factory workers) , spurred on by social activists and politicians from the 1850s to 1880s. Starting in the 1860s, particularly in Prussia, the necessity to promote the corrective autonomy of workers was executed through the legalization process. This necessity went beyond antagonism toward solutions to the problems and was caught between the liberal concept of self-help (Selbsthilfe) and the conservative notion of state assistance (Staatshilfe) . Thus, the concept of subsidiarity was oriented not only in relation to the concerns of German social Catholicism but also in relation to the legalization process under diverse opposing forces, which had developed earlier than German social Catholicism.論文Papers東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻, 2017年03月, 相関社会科学, 26(26) (26), 3 - 19, 日本語, パスワードが無い[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- ソシオロゴス編集委員会, 2016年11月, ソシオロゴス, 40(40) (40), 173 - 193, 日本語, パスワードが無い政治システムの学術システムとの共進化―—19世紀ドイツにおける「国家と社会の区別」を事例として[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2014年10月, 年報社会学論集, 27, 73 - 84, 日本語, パスワードが無い, 国内誌[査読有り]研究論文（学術雑誌）
- 2023年02月, 東京大学社会科学研究所附属社会調査・データ アーカイブ研究センターResearch Paper Series, 85, 1 - 20, 日本語
- 2022年12月, 貧困研究, 29, 65 - 69, 日本語保険と扶助の「原理問題」を 相対化するための諸条件[招待有り]書評論文,書評,文献紹介等
- 2020年12月, 戦後福祉国家成立期の福祉・教育・生活をめぐる 調査データの二次分析研究成果報告書, 1 - 10, 日本語生活保護法審議過程の計量テキスト分析速報，短報，研究ノート等（大学，研究機関紀要）
- 2019年03月, 日本の地域社会・2017（東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻）, 1 - 94, 日本語まちづくりにおけるアートと歴史——横浜市中区黄金町の事例から速報，短報，研究ノート等（大学，研究機関紀要）
- 2016年03月, 日本の地域社会・2015（東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻）, 31 - 88, 日本語地域に根ざした社会運動の特性と展開——国政的問題への関心に着目して速報，短報，研究ノート等（大学，研究機関紀要）
- 相澤真一・渡邉大輔・石島健太郎・佐藤香編, 範囲: 第7章「福祉貸付と医療保障――療養資金の機能と「ボーダー・ライン層」の健康」, 東京大学出版会, 2024年11月, 日本語, ISBN: 9784130511490戦後日本の貧困と社会保障 : 社会調査データの復元からみる家族
- 勁草書房, 2021年02月, 日本語, ISBN: 4326603356福祉国家の歴史社会学: 19世紀ドイツにおける社会・連帯・補完性
- 分担執筆, 中西眞知子・鳥越信吾・牛膓,政孝編, 範囲: 第5章「統治実践における「社会的なもの」――19世紀後半ドイツにおける社会国家形成を事例に」, 晃洋書房, 2020年03月, ISBN: 9784771033085グローバル社会の変容 : スコット・ラッシュ来日講演を経て
- 第97回日本社会学会大会大会, 2024年11月, 日本語なぜ、何を、いかに比較するのか： 福祉国家の歴史社会学を事例とした比較実践の自覚的多様化口頭発表（一般）
- 社会政策学会第149回（2024年度秋季）大会, 2024年10月, 日本語責任の意味論：概念の歴史的分析にむけて口頭発表（一般）
- Offene Jahrestagung des Arbeitskreises Historische Soziologie in der Sektion Kultursoziologie (DGS), 2024年09月, 英語Welfare, Security, and Police in Colonial Governance: Towards a Global Historical Sociology of Labor Protection and the “Social”口頭発表（一般）
- 日本社会学理論学会第19回大会, 2024年09月, 日本語「原住民の福祉」とポリツァイ：「社会的なもの」のグローバル歴史社会学にむけて口頭発表（一般）
- 33. Kolloquium zur Polizeigeschichte „Nothilfe, Fürsorge, Krisenmanagement und Gewaltmonopol: Das Polizieren von Ausnahmezuständen“, 2024年07月, 英語The Transformation of Police Intervention and the Emergence of a New Profession: A German-Japanese Comparative Analysis on the Semantic Delineation of Modern Labor Supervision口頭発表（一般）
- Moderator: The International Mini- Conference for System Theory and Social Science, 2024年06月, 英語, 240611ミニカンファレンス_フライヤー.pdf, パスワードが無いModerator: The International Mini- Conference for System Theory and Social Science
- 2024 annual conference of Social Welfare Association of Taiwan, 2024年05月, 英語The simultaneity of the non-simultaneous as a compressed time recognition of Welfare and Familialism: Toward the Understanding of the Commonality and Diversity of East Asian Modern Societies[招待有り]口頭発表（基調）
- 政治経済学・経済史学会 福祉社会研究フォーラム, 2023年10月, 日本語20世紀転換期ドイツにおける労働者保護政策の歴史社会学的考察：＜暴力の潜在化＞という視点から[招待有り]口頭発表（招待・特別）
- 第96回日本社会学会大会, 2023年10月, 日本語コメント：歴史社会学の観点から（シンポジウム「社会学における「因果」：方法論横断的対話を目指して」 ）[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル（指名）
- 第96回日本社会学会大会, 2023年10月, 日本語圧縮された近代における「非同時的なものの同時性」 —— 「個人主義なき個人化」に着目して口頭発表（一般）
- Jahrestagung des Arbeitskreises Historische Soziologie in der Sektion Kultursoziologie, 2023年10月, 英語Continuity and Permanence of Functionally Differentiated Societies: A Case Study on the Formation of the Welfare State口頭発表（一般）
- The 17th International Conference on Social Security, 2023年08月, 英語Theoretical Considerations for an East Asian Welfare Regime Typology: Focusing on the concept of compressed Modernity口頭発表（一般）
- XX ISA World Congress of Sociology, 2023年06月, 英語A Theoretical Examination of the Concept of Familialism in Compressed Modernity: Toward a Further Development of the Welfare Regime Typology口頭発表（一般）
- 戦後福祉国家成立期の福祉・教育・生活をめぐる調査データの二次分析成果報告会, 2023年03月, 日本語戦後福祉国家形成期における医療費貸付の機能口頭発表（一般）
- 第95回日本社会学会大会, 2022年11月, 日本語政策からみた「圧縮された近代」における「家族主義」——高等教育支援を事例として口頭発表（一般）
- Luhmann Conference 2022: Scientific Communication. Observed with Social System Theory, 2022年09月, 英語Advice as a form of structural coupling: Intersystem organizations and scientific communication in the Japanese Response to COVID-19口頭発表（一般）
- The RC20 Regional Conference on Comparative Sociology & the 2nd RC33 Regional Conference on Social Science Methodology: Asia, 2022年09月, 英語Vision and method in historical sociology from system-theoretical perspective: A comparative analysis of police and the modern welfare state in Germany and Japan口頭発表（一般）
- The UTokyo Center for Contemporary Japanese Studies Graduate Student Forum, 2022年09月, 英語Youth Welfare Policies in Korea and Japan: A Comparative Analysis of Changes in Higher Education Support Policies[招待有り]口頭発表（一般）
- 日本社会学理論学会第17回大会, 2022年09月, 日本語機能分化論からみた社会学理論の役割にかんする一考察口頭発表（一般）
- 戦後福祉国家成立期の福祉・教育・生活をめぐる調査データの二次分析成果報告会, 2022年03月, 日本語福祉資金と医療保障：療養資金の機能と「ボーダーライン層」の健康口頭発表（一般）
- 第94回日本社会学会大会テーマセッション, 2021年11月, 日本語［コーディネーター・司会］ 「歴史社会学」の諸実践と理論的・方法的反省
- Luhmann Conference 2021: Risks and Pathologies Observed with Social Systems Theory, 2021年09月, 英語On the structural coupling of politics and academia: Risk attribution in the face of COVID-19 in Japan口頭発表（一般）
- 第16回日本社会学理論学会大会, 2021年09月, 日本語［コーディネーター・司会］ 社会学理論における「歴史」／歴史研究における社会学「理論」その他
- 19th Annual Conference of the International Social Theory Consortium, 2021年06月, 英語The Evolutionary Theory of Niklas Luhmann and Its Meaning for Historical Sociology口頭発表（一般）
- 第93回日本社会学会大会 歴史・社会史・生活史（2）, 2020年10月, 日本語「社会的なもの」をめぐる政治／学術の境界形成 ——19世紀ドイツにおける「社会的」団体の⾃⼰規定を事例に口頭発表（一般）
- 日本社会学理論学会第15回大会, 2020年09月, 日本語「中範囲の理論」としての機能分化論口頭発表（一般）
- International Social Theory Consortium 18th Annual Conference 2019, 2019年06月, 英語, 国際会議Functional Differentiation as Middle-range Theory in Empirical Research口頭発表（一般）
- 日本社会学史学会研究例会, 2018年12月, 日本語, 国内会議福祉国家の意味論研究とその理論的課題[招待有り]口頭発表（招待・特別）
- 日本社会学理論学会第13回大会, 2018年09月, 日本語自己言及的政治システム理論からみた福祉国家口頭発表（一般）
- 第90回日本社会学会大会 歴史・社会史 (1), 2017年11月, 日本語, 国内会議生命保険の歴史社会学に向けて——19世紀ドイツにおける発展を事例に口頭発表（一般）
- 日本社会学理論学会第11回大会, 2016年09月, 日本語, 国内会議機能システムの共進化理論とその経験的意義口頭発表（一般）
- 1. Konferenz der Ostasiatischen DAAD-Zentren, 2015年10月, ドイツ語, 国際会議Die „Ursprungsdebatte“ des Wohlfahrtsstaates in Japan und ihre Sozialtheoretische Rekonstruktion口頭発表（一般）
- 第88回 日本社会学会 テーマセッション (5), 2015年09月, 日本語, 国内会議社会学的意味論研究の課題 ——ルーマン社会理論の経験的展開可能性口頭発表（一般）
- IGK Herbstakademie, 2015年09月, ドイツ語, 国際会議Der Subsidiaritätsbegriff in der Entwicklungsphase des Sozialstaates in Deutschland公開講演，セミナー，チュートリアル，講習，講義等
- Japanese Studies Association of Australia Conference, 2015年06月, 日本語, 国際会議マイノリティと市民社会の相互依存——日本語圏におけるマイノリティ概念の「拡散」傾向に寄せて口頭発表（一般）
- International Social Theory Consortium, 2015年06月, 英語, 国際会議Luhmann, Sociological semantic analysis, and historical study of the welfare state口頭発表（一般）
- IGK Herbstakademie, 2014年10月, ドイツ語, 国際会議Zum ambivalenten Verhältnis zwischen Modernisierungstheorie und Wohlfahrtsstaat公開講演，セミナー，チュートリアル，講習，講義等
- IGK Herbstakademie, 2013年10月, ドイツ語, 国際会議Wie ist Semantikanalyse aus soziologischer Perspektive möglich?公開講演，セミナー，チュートリアル，講習，講義等
- IGK Sommerakademie, 2012年07月, ドイツ語, 国際会議Was meinen wir genau mit einer empirischen Beschreibung des politischen Systems?公開講演，セミナー，チュートリアル，講習，講義等
- 第60回関東社会学会大会 修論フォーラム, 2012年06月, 日本語, 国内会議ニクラス・ルーマンの政治システム論における自己言及性について―戦後ドイツ家族政策との関連から口頭発表（一般）
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 神戸大学, 2025年04月 - 2028年03月「歴史社会学」の理論・方法・実践の共有とグローバルな対話に向けた総合的研究
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 東京大学, 2024年04月 - 2027年03月, 研究分担者人間の尊厳と暴力規制の比較歴史社会学的分析を通じた社会理論の構築
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究, 若手研究, 東京大学, 2022年04月 - 2025年03月自己言及的システム理論に基づく福祉国家の比較歴史社会学的研究
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援, 研究活動スタート支援, 東京大学, 2020年09月11日 - 2022年03月31日ポリツァイ概念の転換からみたドイツ社会政策の特性に関する歴史社会学的研究本研究は、労働者保護政策や社会保険制度をはじめとした、19世紀後半のドイツにおける社会政策の形成過程で、世紀初頭に「公共の福祉」全般を包括する語彙から秩序維持に意味が限定されていったと考えられてきた「ポリツァイ」（警察）が理念的・制度的にいかに運用され政策実践に活かされていたのかを、歴史社会学的に明らかにするものである。 2021年度は、1. 本研究が依拠する自己言及的システム理論に基づく歴史社会学についての理論的・方法的研究、2. 「ポリツァイ」の概念史的・制度史的研究、3. 労働者保護政策（労働規制や労災保険法）におけるポリツァイ（警察）制度と労働監督制度の分化プロセスの分析に従事した。1.では、N. Luhmannの機能分化論を踏まえた福祉国家の歴史社会学的研究をさらに発展させるため、政治と学術という二つの制度境界を人々がいかに構想し、それを踏まえたコミュニケーションを行っているのかについての理論的見取り図とその経験的研究のための方法的指針を提示した。2.では、ドイツにおける「ポリツァイ」（警察）が19世紀以後概念的にどのように再編され、制度的にはいかに発展したのかを、概念史研究や警察史研究のレビューによって分析した。3. では、労働者保護政策の一つである工場監督制度（労働監督制度）が1860年前後から形成されていくに伴い、それまで経済活動の規制を担っていた警察が次第にその役割を変化させていったことを明らかにした。その際、警察と労働監督制度は、1880年代に成立する労災保険制度における同業組合との競合関係にあり、経済活動への介入を巡って複数の制度境界が存在することが示唆された。
- 公益財団法人生命保険文化センター, 生命保険に関する研究助成, 2021年06月 - 2022年03月, 研究代表者近代ドイツポリツァイ学における保険論――私的保険企業への国家介入をめぐって
- 松下幸之助記念志団体, 研究助成, 2020年10月 - 2021年09月, 研究代表者近代ドイツにおける統治と学術の連関についての歴史社会学的研究
- 公益財団法人生命保険文化センター, 生命保険に関する研究助成, 2020年06月 - 2021年03月, 研究代表者保険会社が社会保障制度に与えた影響に関する歴史社会学的研究―19 世紀英独の比較分析を通じて―
- 公益財団法人上廣倫理財団, 研究助成, 2018年02月 - 2019年01月, 研究代表者福祉社会を支える理念をめぐる歴史社会学的研究競争的資金
- 公益財団法人生命保険文化センター, 生命保険に関する研究助成, 2016年06月 - 2017年03月, 研究代表者19世紀ドイツにおける民間保険制度に関する歴史社会学的研究競争的資金
- 日本学術振興会, 特別研究員奨励費, 2014年04月 - 2016年03月, 研究代表者政治に固有の合理性に関するシステム論的研究競争的資金