SEARCH
検索詳細
石田 雄樹大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻講師
研究活動情報
■ 受賞- 2018年03月 東北大学, 東北大学総長賞(博士)
- 2016年03月 日本学生支援機構, 特に優れた業績による返還免除(博士後期課程)(全額免除)
- 2013年03月 日本学生支援機構, 特に優れた業績による返還免除(博士前期課程)(全額免除)
- 2011年07月 東北大学基金, グローバル萩海外留学奨励賞
- 2023年12月, Études rétiniennes, (55) (55), 129 - 143, フランス語L'inquiétude, la morale et le bonheur dans Les Nuits de Paris[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2022年12月, Études rétiviennes, (54) (54), 29 - 40, フランス語La philosophie morale et la stratégie littéraire dans Les Nuits de Paris[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2022年06月, Malice, (15) (15), フランス語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2022年02月, 国際文化学研究 : 神戸大学大学院国際文化学研究科紀要, (57) (57), 33 - 54, 日本語レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『パリの夜』における道徳哲学研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2020年12月, Études rétiviennes, (52) (52), 163 - 171, フランス語La quête du bonheur et la lecture idéale dans les juvénales et Les Nuits de Paris[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2019年12月, Études rétiviennes, (51) (51), 49 - 61, フランス語La multiplicité de la narration autobiographique dans Les Nuits de Paris et Monsieur Nicolas[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2019年06月, 日本18世紀学会年報, (34) (34), 71 - 8518世紀フランスにおける自伝の語りの多層性[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 東北大学フランス語フランス文学会, 2018年, フランス文学研究, (38) (38), 10 - 22, 日本語レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』における語りの不均質性について[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東北大学フランス語フランス文学会, 2017年, フランス文学研究, (37) (37), 27 - 37, 日本語レチフ・ド・ラ・ブルトンヌにおける快楽主義と幸福主義の変遷 : 『ムッシュー・ニコラ』,初期作品,『奇論集』の分析 (伊地智均先生追悼号)[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東北大学フランス語フランス文学会, 2016年, フランス文学研究, (36) (36), 15 - 26, フランス語L'evolution de l'imaginaire de Retif de La Bretonne, de Monsieur Nicolas aux Revies (小林文生先生退職記念号)[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東北大学文学会, 2015年03月, 文化, 78(3) (3), 109 - 128, フランス語Le Pornographe et l'evolution des premieres oeuvres (1767-1769) de Retif de La Bretonne研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東北大学フランス語フランス文学会, 2015年, フランス文学研究, (35) (35), 1 - 10, 日本語レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』 : 第七時代から第九時代における思い出と幸福の表象について[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東北大学文学会, 2014年, 文化 = Culture, 77(3) (3), 294 - 281, 日本語レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『テスモグラフ』における自己分析的傾向について研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 日本フランス語フランス文学会東北支部会, 2013年, Nord-est : 日本フランス語フランス文学会東北支部会会報, (5) (5), 67 - 77, フランス語マルキ・ド・サド『美徳の不幸』における幸福を巡る二元論[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 東北大学フランス語フランス文学会, 2013年, フランス文学研究, (33) (33), 1 - 10, 日本語マルキ・ド・サド『美徳の不幸』における幸福観の検討[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東北大学フランス語フランス文学会, 2012年, フランス文学研究, (32) (32), 1 - 11, 日本語マルキ・ド・サド『司祭と臨終の男との対話』におけるソッツィーニ派の影響について[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2023年12月, Études rétiniennes, (55) (55), 147 - 150, フランス語Les traductions en japonais des œuvres de Rétif記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- 2023年08月, 日本フランス語フランス文学会北海道・東北支部会報, 16, 13 - 14
- 日本フランス語フランス文学会東北支部会, 2018年, Nord-est : 日本フランス語フランス文学会東北支部会会報, (9) (9), 86 - 88, 日本語自伝文学の語りに表れる「私」の多層性 (シンポジウム報告 「わたし」の多層化と「人称転換」 : 自伝・移住談・自由間接話法)
- 2017年03月, フランス文学研究, (37) (37), 64 - 65, 日本語Le Bonheur au XVIIIe siècle, études réunies et présentées par Guilhem Farrugia et Michel Delon, Rennes, Presses Universitaires de Rennes, 2015書評論文,書評,文献紹介等
- 青土社, 2014年09月, ユリイカ, 46(12) (12), 201 - 208, 日本語幸福の探求者サド : 『美徳の不運』を手がかりに (特集 サド : 没後二〇〇年・欲望の革命史)[招待有り]
- 共著, レチフ・ド・ラ・ブルトンヌにおける一人称の語りの多層性とその変遷(p. 191-213), ひつじ書房, 2022年02月, ISBN: 4823411056語りと主観性—物語における話法と構造を考える
- 共著, 「ヴォルテール『カンディードまたは最善説』」(p. 40-41),「レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『パリの夜』」(p. 46-47),「マルキ・ド・サド『閨房哲学』」(p. 48-49),「日本におけるフランス文学の翻訳」(p. 126-129), ミネルヴァ書房, 2021年04月, 日本語, ISBN: 9784623090761フランス文学の楽しみかた : ウェルギリウスからル・クレジオまで
- Colloque international Rétif et l'épistolaire, 2024年03月, フランス語La persuasion et la morale dans Le Quadragénaire口頭発表(一般)
- Colloque international franco-japonais:Les revies de Rétif de la Bretonne — Subjectivités, généalogies, morales, 2023年02月, フランス語L’inquiétude, la morale et le bonheur dans Les Nuits de Paris[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 日本フランス語フランス文学会2022年度北海道・東北支部大会シンポジウム「ミシュレと語り」, 2022年11月ミシュレとレチフにおける語りの多層性シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- Les Nuits de Paris in extenso, 2022年03月, フランス語Un narrateur moralisateur : le mal, la vertu et le bonheur dans Les Nuits de Paris口頭発表(一般)
- 神戸大学国際文化学研究推進センター(Promis)主催2021年度オンラインセミナー第1回新任教員セミナー, 2021年10月幸福はどのように語られるのか―レチフにおける一人称の語りの多層性―[招待有り]
- 日本フランス語フランス文学会2020年度秋季大会, 2020年10月レチフ・ド・ラ・ブルトンヌにおける自己同一性の探究—『パリの夜』を中心に口頭発表(一般)
- Colloque international organisé par la Société Rétif de la Bretonne. De la satire à la juvénale : formes et enjeux de l’indignation chez Rétif de La Bretonne, 2020年09月, フランス語La quête du bonheur et la lecture dans les Juvénales et Les Nuits de Paris口頭発表(一般)
- 日仏若手啓蒙思想研究共同セミナー「啓蒙思想研究をめぐって」, 2020年02月, フランス語L’identité narrative et la subjectivité instable chez Rétif de La Bretonne
- シンポジウム「語りと主観性―自由間接話法とその他―」, 2018年12月レチフ・ド・ラ・ブルトンヌにおける語りの変遷とその文学的効果について
- 日本18世紀学会第40回大会, 2018年06月十八世紀フランスにおける自伝文学の語りに表れる「私」の多層性
- 日本フランス語フランス文学会2017年度東北支部大会, 2017年11月自伝文学の語りに表れる「私」の多層性
- 31e Colloque international de la SATOR : Roman rose, roman noir : territoires hétérogènes de la fiction, 2017年03月, フランス語La vertu chez Sade et chez Rétif à l’épreuve de la traduction japonaise
- 日本フランス語フランス文学会2016年度秋季大会, 2016年10月, フランス語Le bonheur par la création littéraire : les liens entre le bonheur et l’imaginaire chez Rétif de La Bretonne
- 日本フランス語フランス文学会2016年度秋季大会, 2016年10月自伝文学における語りの視点—レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』を中心に—
- フランス文学サロン, 2016年10月自伝文学における語りの視点—レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』を中心に—
- 日本フランス語フランス文学会2015年度秋季大会, 2015年10月自伝文学という戦略—レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』序文の分析—
- フランス文学サロン, 2015年10月レチフ的想像世界の発展と変遷—『ムッシュー・ニコラ』序文の分析を中心に—
- 日本フランス語フランス文学会2014年度春季大会, 2014年05月レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ初期作品の変遷から見る『ポルノグラフ』
- フランス文学サロン, 2014年04月レチフ初期作品の変遷と『奇論集』の関係について
- 日本フランス語フランス文学会2013年度秋季大会, 2013年10月レチフ・ド・ラ・ブルトンヌにおける「正しき不平等」:『アンドログラフ』と『テスモグラフ』を中心に
- 日本フランス語フランス文学会2012年度東北支部大会, 2012年11月マルキ・ド・サド『美徳の不幸』における幸福観
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究, 若手研究, 東北大学, 2020年04月01日 - 2024年03月31日18世紀フランスにおける自伝文学の成立過程の研究本年度は18世紀フランスにおける自伝文学を考察するうえで、特に重要と思われるレチフ・ド・ラ・ブルトンヌ作品の分析に集中した。フランスにおいて自伝文学はルソー『告白』(1782-1788)によって確立したと従来はみなされてきたが、実際にはそれ以前にも多数の自伝的作品が存在する。特にレチフは、ルソーの大きな影響下にあるとはいえ、その生涯を通じて独自な自伝文学を探究した作家であり、フランス文学史における自伝の生成過程を考える上では、その検討は不可欠である。 具体的な分析についてだが、第一に、物語論・言語学的分析を行った。当然のことながら、自伝は「私」という一人称によって回顧的に物語られる体裁をとる。しかし、ルジュンヌ、シュピッツァ―、ジュネットなどにより、自伝における「私」は決して単一の視点から物語られるのではなく、多層性を帯びていることが明らかとなった。この点に着目すると、その生涯を自伝文学の探究にささげたレチフの文体は、通時的な観点からは、「私」の語りの多層性の変遷と捉えることが可能になる。レチフの主要作品を年代順に比較した結果、このような仮説が妥当であることが確かめられた。 第二に、社会的・倫理的側面からの分析を行った。18世紀フランスにおいては、小説同様、自伝文学はまだそのジャンルを確立しておらず、社会的評価が低かった。そこで作家たちは自身の作品の有用性をアピールする必要性に迫られたが、そこでしばしば用いられた戦略は、読書が道徳的に有効であると主張することであった。レチフの自伝的ルポルタージュ作品『パリの夜』をこのような観点から検討した結果、レチフは作中、「勤労」と「共同体」という二つの美徳の重要性を主張していることが判明した。レチフの自伝においても、上記の二つの徳が特に重要視されていることが同じくわかった。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 特別研究員奨励費, 東北大学, 2016年04月22日 - 2018年03月31日レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ『ムッシュー・ニコラ』における幸福の研究十八世紀フランスの小説家レチフ・ド・ラ・ブルトンヌの自伝作品『ムッシュー・ニコラ』の分析を中心に、文学における幸福の問題、特に「自己語り」の幸福の様態を明らかにすることが本研究の目的であった。 第一に、日本で未だ知名度の低いレチフの受容史と『ムッシュー・ニコラ』の研究史をまとめた。 第二に、自伝作品における語りの多層性について検討した。自伝の語りの特異性は作者・語り手・主人公の同一性にあり、すべての語りが「私」という視点からなされると考えられてきたが、実際には視点を異にする複数の語りが存在することを本研究では仮説として提示した。具体的には、自伝作品を物語る語り(語りA)とそのような語りにコメントする語り(語りB)の二種類に自伝の語りは大別することが可能であると思われる。このような仮説に従うことによって、効率的に作品分析が行えることを本研究では明らかにした。 第三に、幸福観念の思想史的分析を行い、自伝作品がどのような歴史的背景の下に成立したかを考察した。本研究では十八世紀に大きな影響力を持ったジョン・ロックのイギリス経験論から自伝の思想史的立ち位置を明らかにし、また西欧哲学における伝統的な幸福観すなわち幸福主義と快楽主義の二元論からレチフの文学キャリアを検討し、その結果、レチフをアイデンティティの探究者として再定義し、十九世紀以降のプルーストを代表とする意識と時間を問題とする小説家の先駆者としてレチフを評価できるのではないかと指摘した。 第四に、想起の幸福について検討し、自己語りには多かれ少なかれ虚構が混入するものであり、そのような妄念こそが自己語りの幸福を形成する大きな要素なのではないかと指摘した。このような自己語りは、現代においてはSNSなどで多くの人間が実践しているものでもあり、十八世紀フランス文学研究が現代の自己語り研究にも応用可能であることを本研究では指摘するに至った。
■ メディア報道
- 週刊読書人, 2022年04月15日鼎談=阿部宏・出原健一・石田雄樹 多様な主観性表現と言語間の構造の違い 『語りと主観性』(ひつじ書房)刊行記念新聞・雑誌
- 2018年03月02日東北大学リベラルアーツサロン第51回「フランス近代詩を読む—ボードレールからの出発—」
- 2017年06月16日東北大学リベラルアーツサロン第47回「言葉を科学する」
研究シーズ
■ 研究シーズ- 18世紀フランス文学における一人称の語りの多層性シーズカテゴリ:人文・社会研究キーワード:フランス文学, 物語論, 自伝, 一人称の語り研究の背景と目的:18世紀フランスは自伝というジャンルが成立した時代であり、多くの作家によって一人称の語りが修辞技法として洗練されました。しかし、実際にどのような変遷を経て自伝文学が成立したかは未だ明らかになっていません。一人称の語りとその文学的効果、またその変遷過程を明らかにすることが本研究の目的です。研究内容:自伝文学はルソー『告白』(1770)によって成立したとみなすのがこれまでの文学史の定説です。そこで本研究は第一に、ルソー『告白』以前の自伝的作品・一人称作品を比較分析し、どのような語りの特徴がうかがえるか検討します。第二に、ルソーと並び18世紀フランスの自伝作品において著名であるレチフ・ド・ラ・ブルトンヌ作品の分析を行います。レチフ作品においては、一人称という主観的な語りでありながら、ところどころに三人称という客観的な語りが混入するという特徴が見られます。本研究ではこれを「三人称的一人称」の語りと定義し、「語りの多層性」という文学的効果をもたらす最大の要因とみなし、これを明らかにすることを最大の目標とします。また、このような語りはフランス語という言語の性質に大きく依存していると考えられます。日本語や英語と対照しながら、その性質を分析します。期待される効果や応用分野:自伝は文学だけの問題ではなく、イギリス経験論をはじめとした哲学とも深い関連性を持ちます。本研究により、18世紀という時代が「私」という自己意識をどう探究してきたか明らかになることにより、文学史・思想史の刷新が可能になると思われます。また、ルソー以前の自伝的作品やレチフ作品といった本邦においては未だよく知られていない作家・作品を紹介するという面で文化的貢献が期待できます。