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福山 克司
大学院理学研究科 数学専攻
教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 理学博士, 京都大学
■ ミニ講義
■ 研究キーワード
  • 一様分布論
  • 間隙級数論
  • 確率論
■ 研究分野
  • 自然科学一般 / 基礎解析学 / 確率論

研究活動情報

■ 論文
■ MISC
  • 数論と確率論
    福山 克司
    2017年09月, 数理科学, 55(9) (9), 36 - 37, 日本語
    記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)

  • 福山 克司
    日本数学会, 2010年01月, 数学, 62巻1号1--17(1) (1), 1 - 17, 日本語
    記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)

  • LIL for discrepancies of ${\theta^nx}$ : a graphical sketch (Number Theory and Probability Theory)
    福山 克司
    京都大学, 2008年04月, 数理解析研究所講究録, 1590, 10 - 27, 英語

  • フーリエ級数と確率論
    福山 克司
    2007年10月, 数理科学, 45巻10号41-45, 日本語
    記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)

  • 間隙級数の一様型重複大数の法則について
    福山 克司
    京都大学, 2004年, 数理解析研究所講究録, 1351,, 41 - 48, 日本語
    記事・総説・解説・論説等(大学・研究所紀要)

  • On pseudorandom functions〔和文〕 (確率数値解析に於ける諸問題(5))
    福山 克司
    京都大学, 2001年12月, 数理解析研究所講究録, 1240, 152 - 160, 日本語

  • Lacunary Walsh Seriesの従う極限定理について(Martingaleに関連する諸問題)
    福山 克司
    京都大学, 1989年11月, 数理解析研究所講究録, 706, 102 - 109, 日本語

■ 講演・口頭発表等
  • Thresholds in metric discrepancy results for geometric progressions
    Katusi Fukuyama
    Recent Progress in Ergodic Theory, 2022年02月
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Perturbed metric discrepancy results for geometric progressions
    Katusi Fukuyama
    Equidistribution: Arithmetic, Computational and Probabilistic Aspects, 2019年05月, 英語
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for geometric progressions with small ratios 3/2, 4/3, etc
    福山 克司
    Seminar on Number Theory and Algorithm, 2017年11月, 英語, Graz University of Technology, Austria, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for geometric progressions
    福山 克司
    Various aspects of multiple zeta functions, 2017年08月, 英語, Graduate School of Mathematics, Nagoya University, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for geometric progressions with ratios 3/2, 4/3, 8/3, 10/3, 13/6 and 17/8
    福山 克司, 阪口 晋次, 島部 理, チュクル マルティーナ
    日本数学年会統計数学分科会一般講演, 2017年03月, 日本語, 首都大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • A metric discrepancy result with given speed
    István Berkes, 福山 克司, 西村 拓也
    日本数学会秋期総合分科会統計数学分科会一般講演, 2016年09月, 日本語, 関西大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Metric discrepancy results for geometric progressions with large ratios
    福山 克司, 山下 麻衣
    日本数学会年会統計数学分科会, 2016年03月, 日本語, 筑波大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 等比数列の一様分布論
    福山 克司
    東北確率論セミナー, 2016年01月, 日本語, 東北大学, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for complex geometric progressions
    福山 克司, 久利 典之
    日本数学会秋季総合分科会統計数学分科会, 2015年09月, 日本語, 京都産業大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • On permutational invariance of the metric discrepancy results
    福山 克司, 野田 裕太郎
    日本数学会年会統計数学分科会, 2015年03月, 日本語, 明治大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Non Conventional Limit Theorems: Kifer, Varadhan の論文紹介
    福山 克司
    ワークショップ確率論早春セミナー, 2015年03月, 日本語, 立命館大学, 国内会議
    口頭発表(招待・特別)

  • 有界間隙列の重複対数の法則について II
    福山 克司, Christoph Aistleitner
    日本数学会秋季総合分科会統計数学分科会, 2014年09月, 日本語, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 「等比数列の一様分布論」
    福山 克司
    日本数学会秋季総合分科会統計数学分科会特別講演, 2013年09月, 日本語, 日本数学会, 愛媛大学, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • The central limit theorem for subsequences of Erdős-Fortet sequence
    福山 克司, 簑原 貴文
    日本数学会年会統計数学分科会, 2013年03月, 日本語, 日本数学会, 学習院大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Optimal bound for the discrepancies of lacunary sequences
    福山 克司, C. Aistleitner, 降矢祐加子
    日本数 学会年会統計数学分科会, 2013年03月, 日本語, 京都大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 等比数列の一様分布論
    福山 克司
    京都大学大学院理学研究科数学教室談話会, 2013年02月, 日本語, 京都大学, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for Erd ̋os-Fortet sequence
    福山 克司, 宮本 翔
    日本数学会秋期総合分科会統計数学分科会, 2012年09月, 日本語, 九州大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 指数的数列のディスクレパンシーの漸近挙動
    福山 克司
    シンポジウム「確率論における極限定理」, 2012年03月, 日本語, 筑波大学, 筑波大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Hadamard 間隙列 のDiscrepancy の重複対数の法則の上からの評価の改善について
    福山 克司, 光畑 雄策
    日本数学会年会統計数学分科会, 2012年03月, 日本語, 日本数学会, 東京理科大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Hadamard 間隙列 のDiscrepancy の重複対数の法則にあらわれる定数の範囲について
    福山 克司, 廣島 伸彦, 和多田 鉄人
    日本数学会総合分科会統計数学分科会, 2011年09月, 日本語, 日本数学会, 信州大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 有界な間隙を持つ三角級数の重複対数の法則について
    福山 克司, C. Aistleitner
    日本数学会統計数学分科会, 2011年03月, 日本語, 日本数学会, 早稲田大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Metric discrepancy results for lacunary sequences
    福山 克司
    Functions in Number Theory and Their Probabilistic Aspects, 2010年12月, 英語, 京都大学数理解析研究所, 京都大学数理解析研究所, 国際会議
    ポスター発表

  • 有界間隙を持つ三角級数の再帰性について
    福山 克司, NEUPANE Dinesh
    日本数学会統計数学分科会, 2010年09月, 日本語, 日本数学会, 名古屋大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • Metric discrepancy results for geometric progressions and its variations I, II, III
    福山 克司
    -研究集会「一様分布論:夏の学校」, 2010年08月, 英語, 関西セミナーハウス, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for various lacunary sequences
    福山 克司
    20 Jahre Zahlentheoretisches Kolloquium, 2010年06月, 英語, Technische Universit"at Graz, Technische Universit"at Graz, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 小さい間隙を持つ数列のくいちがい量の漸近挙動について
    福山 克司
    日本数学会統計数学分科会, 2010年03月, 日本語, 日本数学会, 慶應義塾大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 有界な間隙を持つ三角級数の中心極限定理について
    福山 克司
    日本数学会統計数学分科会, 2009年09月, 日本語, 日本数学会, 大阪大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 間隙級数の極限挙動と一様分布論
    福山 克司
    第48回実函数論・函数解析学合同シンポジウム, 2009年08月, 日本語, 松本市中央公民館, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 有界な間隙しか持たない列のディスクレパンシーの漸近挙動について
    福山 克司
    東京確率論セミナー, 2009年07月, 日本語, 東京工業大学, 東京工業大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 間隙三角級数の中心極限定理について
    福山 克司
    大岡山談話会, 2009年07月, 日本語, 東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻, 東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Metric discrepancy results for sequences with bounded gaps
    福山 克司
    Conference in memory of Walter Philipp: Dependence in Probablity, Analysis and Number Theory, 2009年06月, 英語, Graz, Austria, Graz, Austria, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • Hardy-Littlewood-Pólya の列 の discrepancy が従う重複対数の法則について
    福山 克司, 中田 啓介
    統計数学分科会, 日本数学会2009年 年会, 2009年03月, 日本語, 日本数学会, 東京大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • On the law of the iterated logarithm for {n_k x}: non-constant limsup
    福山 克司
    Random matrices, special functions and related topics, 2008年11月, 英語, 京都大学数理解析研究所, 京都大学数理解析研究所, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 数列 {n_k x} の並べ変えの discrepancy の漸近挙動について
    福山 克司
    統計数学分科会, 日本数学会2008年 秋季総合分科会, 2008年09月, 日本語, 日本数学会, 東京工業大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 正の加法的函数を重みとした可積分同分布独立確率変数列の大数の法則について
    福山 克司, 小松 豊
    統計数学分科会, 日本数学会 2007年年会, 2008年03月, 日本語, 日本数学会, 近畿大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • On the law of the iterated logarithm for discrepacies of θ^n x
    福山 克司
    Workshop on number theory and probability, 2007年10月, 英語, 京都大学数理解析研究所および国際高等研究所, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 大きい間隙を持つ数列 {n_k x} の discrepancy の従う重複対数の法則
    福山 克司
    統計数学分科会, 日本数学会2007年 秋季総合分科会, 2007年09月, 日本語, 日本数学会, 東北大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • On the law of the iterated logarithm for discrepacies of θ^n x
    福山 克司
    Rencontres Mathématiques en Rouen 2007, 2007年06月, 英語, Université de Rouen, Université de Rouen, France, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 間隙級数の再帰性について
    福山 克司, 近藤 良太
    日本数学会年会 統計数学分科会, 2006年03月, 日本語, 日本数学会, 中央大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 乱数と数値積分
    福山 克司
    超幾何方程式研究会, 2006年01月, 日本語, 高山 信毅, 神戸大学, 国内会議
    口頭発表(招待・特別)

  • 独立確率変数列の重複対数の法則について
    福山 克司, 植野 洋平
    確率論の極限定理の研究, 2006年01月, 日本語, 福山克司, 九州大学国際ホール, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 弱い連続率の下での間隙級数の重複対数の法則について
    福山 克司
    日本数学会秋季総合分科会 統計数学分科会, 2005年09月, 日本語, 日本数学会, 岡山大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

■ 所属学協会
  • 日本数学会

■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 一様分布論の解析的研究
    福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 神戸大学, 2022年04月01日 - 2025年03月31日

  • 一様分布論の確率論的研究
    福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2019年04月 - 2022年03月

  • 一様分布論の測度論的研究
    福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2016年04月01日 - 2020年03月31日
    等比数列の小数部分列の一様分布性についての研究が進展した。2016年に発表した論文により公比がある閾値より大きい場合に差異量の従う重複大数の法則に現れる定数を与える公式が得られており、また、閾値より小さい公比についても昨年いくつかの例について研究した結果を発表し、公比を型で分類した。その際、公比 3/2 については証明が煩雑となり、後回しにされていたが、この公比がVI型であり、現れる定数が(2/665)sqrt305671451762616889661445636790873/10314424798490535546171949055)であることを証明することに成功した。 公比3/2は一様分布論において最も困難な問題として有名であるが、測度論的定理としては極めて煩雑ではあるが、解析可能であることを示した意義がある。また現在までに解析可能な公比の中で最も方の大きいものであったことが証明の困難を導いたことも推察される。この結果はすでに投稿し受理済みである。また、等比数列の多次元への一般化として expanding な一次変換の冪について研究し、その中心極限定理を示すことに成功した。極限分散は一次元の場合と同様の相対速度を用いた積分級数で表せるが、それを通常の積分に変換することは場合が多岐にわたるので一般論を展開することはできなかった。従来は整数係数の一次変換のみについて同様の結果が得られていたが、この場合は単位区間の直積上の変換ととらえ容易に結果が得られるが、その条件を仮定せずに一般論を展開したので、様々な困難が生じることが明らかになった。

  • 佐倉 緑
    学術研究助成基金助成金/基盤研究(C), 2015年04月 - 2018年03月
    競争的資金

  • 数論的アルゴリズムの研究を通したエルゴード理論の新たな展開
    仲田 均, 厚地 淳, 田村 要造, 田村 明久, 福山 克司, 夏井 利恵, 浜 正樹, 井上 賀絵, 石川 史郎, 盛田 健彦, 江居 宏美
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 慶應義塾大学, 2012年04月01日 - 2016年03月31日
    エルゴード理論の研究はその初期から現在に至るまで数論の研究と密接な関わり合いを持ってきた。とりわけ、実数の2進あるいは10進展開や連分数展開の研究は依然として多くの未解決な問題があり、また一方で情報科学における暗号理論、通信理論などからの要請による新しい研究課題も多く存在する。本研究では連分数展開などの収束、近似の問題あるいはユークリッドアルゴリズムの計算コストの評価を確率論的に取扱い、新たな知見を得ることができた。また、一様分布論など関連する周辺分野についてもいくつかの新しい結果を得た。

  • 数論にひそむランダム性の研究
    福山 克司, 仲田 均, 杉田 洋, 梶野 直孝
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 神戸大学, 2012年04月01日 - 2016年03月31日
    等比数列などの数列に関して1を法とした一様分布性を調べ、一様分布からの隔たりを与える差異量の漸近挙動を完全に記述する重複対数の法則を研究した。そこに表れる定数を多く確定することを試み、公比が負のばあについても考え、結局公比の絶対値が大きい場合に完全に定数を記述し収束スピードの確定問題をその場合に解決した。

  • 数論を起源とする確率変数列に関する極限定理の研究
    杉田 洋, 盛田 健彦, 高信 敏, 白井 朋之, 福山 克司, トゥリン カーン デュイ
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 大阪大学, 2010年04月01日 - 2015年03月31日
    確率論は元来,自然や社会における偶然現象を起源とした問題を扱ってきた.それに対して本研究ではその起源を密度定理や概周期関数のような数論的対象に求めることを目的とした.その結果,密度定理を確率論的に厳密に扱うための枠組みと,それによる新たな極限定理の発見,概周期関数を確率変数とみなす方法とそれに関する極限定理による定式化などを行うことができた.

  • アルゴリズムのエルゴード理論的研究
    仲田 均, 田村 明久, 厚地 淳, 田村 要造, 夏井 利恵, 勝良 健史, 宮崎 琢也, 浜 正樹, 石川 史郎, 福山 克司, 吉田 雅通, 江居 宏美, 盛田 健彦, 井上 賀絵
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 慶應義塾大学, 2009年 - 2011年
    数論に現れるアルゴリズムを中心にその可測力学系としての性質を研究し、エルゴード理論、ディオファンタス近似論、一様分布論の新しい研究成果を導き出した。とりわけ、非アルキメデス的数体上の非同次ディオファンタス近似論、非アルキメデス数体を係数とする多項式に対するユークリッドアルゴリズムの計算回数の評価、区間交換に対するRauzy inductionのエルゴード理論的性質、実数に関する多次元連分数アルゴリズム、一様分布の誤差の広がりに関して新しい所見を得た。

  • 間隙級数が開く乱数論と確率論の新展開
    福山 克司, 樋口 保成, 山崎 正, 杉田 洋, 小川 重義, 濱名 裕治, 安富 健児
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 神戸大学, 2005年 - 2008年
    一様分布論にあらわれるdiscrepancy の漸近挙動の解析に取り組み、その重複対数の法則的な挙動が完全にわかっていなかった発散等比数列やいわゆるHardy-Littewood-P´olya の列について完全な形の重複対数が成立することを解明した。また、有界型重複対数の法則に従いながらも完全形の重複対数の法則が成り立たない例の構成などをおこない、一様分布論の測度的研究の進展に寄与した。

  • 高山 信毅
    科学研究費補助金/基盤研究(A), 2007年
    競争的資金

  • 確率数値解析に於ける現在的諸問題の総合的研究
    小川 重義, 森 真, 伊藤 俊次, 二宮 祥一, 福山 克司, 杉田 洋
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 立命館大学, 2003年 - 2006年
    本研究計画の目的は、確率数値解析に於ける現在的諸問題として、主に次の諸課題について、確率論、エルゴード理論、数値解析論等関連する諸分野の研究分担者が横断的に連携して総合的研究を行うことであった(()内は主な担当者); (1)数値積分と乱数の研究(伊藤、森、福山、杉田、小川)、 (2)確率微分方程式の数値解法の研究(二宮、小川)、 (3)いわゆるOgawa積分に基づく非因果的確率解析の基礎研究と応用(小川) (4)関数方程式の確率的解法の研究(西岡、小川)、 (5)OR、金融工学、計算機科学、数理社会学等応用分野に於ける確率的手法・アルゴリズムの開発(佐藤、二宮、西岡、小川) 平成15年度より18年度までの計画期間を通して、各グループは並行して研究活動を行い理論面での貢献から金融工学に於ける有効な計算手法の開発に至るまで大きな成果を上げ、国際会議での発表や関連学会誌での数々の論文発表を行った。すなわちグループ内での研究活動ばかりでなく、分担者の海外での国際会議における研究成果発表を支援し、国内でも数理解析研究所や統計数理研究所での共同研究会を始めとする国際会議を開催するなど、広く研究交流の実もあげることを努めた(年度毎の活動目標と実施状況は別冊「研究成果報告書」を見られたい)。

  • 高山 信毅
    科学研究費補助金/基盤研究(B), 2005年
    競争的資金

  • 樋口 保成
    科学研究費補助金/基盤研究(B), 2005年
    競争的資金

  • 確率論と乱数論:Gap Theoretical Approach
    福山 克司, 樋口 保成, 高山 信毅, 高信 敏, 永瀬 範明
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2002年 - 2004年
    この研究により得られた結果は以下の通り。 L^2_0は∫^1_0f(x)dx=0,∫^1_0|f(x)|^2dx<∞をみたす周期1の実函数fの全体とする。自然数の増大列{n_k}と函数の族X⊂L^2_0に対し定まる函数 Ψ[X;{n_k}](t)=___ (Σ^K_f(n_kt))/(√) の値の分布について研究した。 Philippは全変動が1以下であるという条件で定まるL^2_0の部分族XについてHadamard間隙条件n_/n_k【greater than or equal】1+ρ(ρ>0)の下で1/4【less than or equal】Ψ[X;{n_k}]【less than or equal】C_ρ<∞a.e.を示した。 Kaufman-PhilippはXをΛ_α={f∈L^2_0||f(t+h)-f(t)|【less than or equal】|h|^α}(α>1/2)としたときにHadamard間隙条件の下でΨ[Λ_α;{n_k}]【less than or equal】C<∞a.e.を示した。Dhompongsaは間隙条件を高橋間隙条件n_/n_k【greater than or equal】1+c/k^β(c>0,β<1/2)に緩めた。 Xがただ一つの函数よりなるX={f}の場合について我々は高橋の結果を拡張し、高橋問隙条件の下で最良評価Ψ[{f};{n_k}]【less than or equal】‖f‖_A=Σ|*(v)|a.e.を得ている。我々はこの手法で一様型重複対数の法則についても良い函数族X関して最良な自然な評価 Ψ[X;{n_k}]【less than or equal】___‖f‖_A a.e. が成り立つことを示した。 以上の結果は学術論文に発表されたことを付記しておく。

  • 統計力学の数理モデルにおけるランダムな形の形成と揺らぎの研究
    樋口 保成, 中西 康剛, 宮川 鉄朗, 福山 克司, 村井 浄信, 山崎 正, 香取 真理
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 神戸大学, 2000年 - 2002年
    共同研究者Yu-Zhangとの研究で高温領域におけるパーコレーションクラスター横断数に関するFirst-passage percolation問題において、収束の速さに関する評価を得た。その後、2次元Ising modelの相構造をpercolationを用いて記述することができることを証明した。これらの成果は論文として発表されたが、その研究から派生した問題として、以下の二つの問題を研究して、まとまった成果を得たところである。 1.2次元Widom-Rowlinson modelについてのDobrushin-Hryniv型の極限定理とその拡張 Z^2内の幅Lの帯状領域[0, L]×Z内に2つのタイプの粒子をたくさん配置する。タイプ間には強い反発力が働く。このため、境界条件で両方のタイプの粒子達を強制的に共存させると、二つのタイプの粒子群を分離する空白地帯の帯ができる。特に、空白地帯が左から右に帯状領域[0,L]×Zを横断するような境界条件を考える。帯状領域の中で左端から右端まで到達するself-avoiding walkを一定の方法で選んで、πと書く。右端と左端の高さの差と、右端と左端を結ぶ線分とπとが囲む面積を指定する時、その指定するオーダーがそれぞれL,L^2のとき、この空白地帯のスケール極限が、wulffの形からの揺らぎとしてブラウン運動による確率積分の形で表現できることを証明した。これは2次元Ising modelでDobrushinとHrynivが証明したことのWidom-Rowlinson modelへの拡張である。この際、指定する面積が0でも良いなど、定理の適用範囲を広げてもいる。(投稿準備中) 2.2次元Widom-Rowlinson modelの相構造の決定 上記のモデルの平衡状態をすべて求めるという問題についての部分的な回答を与えた。とくに、これまでに相の共存が知られているパラメータ領域では常に、平行移動で不変な平衡状態は二つの特殊な平衡状態μ_+とμ_-の重ね合わせで表すことができることを証明した。このモデルでは自由境界条件の有限Gibbs分布の極限の存在は自明ではないが、上記のパラメータ領域においてはこの極限が存在し、1/2(μ_++μ_-)と表すことができることも証明した。(投稿中)

  • 乱数論への実解析確率論的アプローチ
    福山 克司, 高山 信毅, 山崎 正, 樋口 保成
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2000年 - 2001年
    この研究により得られた結果を大別すると以下の5つとなる。 1.『間隙三角級数の概不変原理』Lebesgue空間上の三角函数列などの部分列について確率論的極限定理を新たに示すことを試みた.対象に選んだのは[exp(k^b)]で与えられる列を周波数に持つ間隙三角函数列であり,この列に対してはErdosが1962年にb>1/2の範囲で中心極限定理が成り立つことを示し,さらにb>0の範囲でもこのことが成立すると予想した.この予想に関しMuraiは1982年にb>4/9の範囲で肯定的に証明を与えた.また重複対数の法則はb>1/2の場合にTakahashiが1975年に示している.これら二つの定理を含む上位定理である概不変原理に関してはb>1/2の場合にBerkesが1978年に示している.我々はMuraiが解決したb>4/9の場合に中心極限定理以外の極限定理が得られていなかったので,研究の結果、この場合について概不変原理が成り立つことを証明した. 2.『多項式エルゴード定理に関連する中心極限定理』Σf(θ^nx)g(θ^x)の形の和に代表されるいわゆるnon-conventional averageの中心極限定理について研究し、その極限分散を確定した。これはRiesz-Raikov和の中心極限定理の研究の手法により可能になったものである。 3.『Bakerの列に関連する中心極限定理』有限個の互いに素な自然数を指定し、これらのみを因数に持つ整数全体を増大順に並べたものがBakerの数列である。我々はこの列n_jに関してΣf(n_jx)の形の和が中心極限定理を成り立たせることを示した。 4.『Koksma型の大数の法則のa.e.版』大数の法則[18]:fに可積分性以外の条件を仮定せずRiesz-Raikov和Σf(θ^κt)の大数の法則を示す問題を考える。θが自然数ならErgode定理より成立することが分かるが、fが2乗可積分なら代数的なθに対しても成立することがBourgainにより示された。Rioはa.e.θに対しても成立することを示した。ただし、θの例外集合はfに依存するので、これはBourgainの結果よりはるかに弱い主張である。我々はRioの方法を研究しRiesz-Raikov和の形は本質的でなく、このような定理はより一般の列に対して成り立つことを示した。即ちn_-n_k>δ>0の下でΣf(n^α_kt)の大数の法則はa.e.α>0に対して成り立つという結果である。 以上の結果は学術論文に発表されたことを付記しておく。

  • 非圧縮粘性流体の方程式の関数解析的研究
    宮川 鉄朗, 足立 匡義, 福山 克司, 樋口 保成, 菱田 俊明, 渡辺 清
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 神戸大学, 1998年 - 2000年
    代表者宮川は全空間と半空間において非圧縮粘性流体の方程式の解の時空漸近形を考察し、空間無限遠方である減衰条件を満たす解について、それがガウス型関数を用いて漸近展開出来ることを示した。またこの結果を応用して、一般の弱解に対してエネルギー減衰率の下限の存在を示し、その下限を越える減衰率を持つ解は、必然的にある種の対称性を持つこと、またその対称性の形は全空間における流れと半空間における流れとでは異ることを顕わに示した。さらに定常琉に対しては、流れの無限遠での減衰度が物体に及ぼす影響を考察し、物体に働く抗力がゼロになる減衰度の厳密な値を導出した。分担者菱田は回転する物体の周りの流れを記述する方程式を扱い、エネルギー有限な関数のクラスで線形化作用素の摂動理論を構成し、それを用いて、任意の初期値に対して時間局所解が存在することを示した。しかし通常の流体の方程式の場合とは異なり、例えば小さな初期値に対する時間大域解の存在を示すことは出来なかった。時間大域解の存在や、上記とは異なる関数のクラスにおける解の構成等は、今後の重要な課題である。このことと関連して、上記の線形化作用素の様々な関数空間におけるスペクトル解析の実行が必要になるが、この課題も未解決のままである。分担者足立は類似の構造を持つ量子多体系のハミルトニアンに対してスペクトル解析を実行し、この種の系の散乱理論の数学的基礎を確立した。この結果は量子多体系の散乱理論において画期的なもので、特に荷電粒子と非荷電粒子が混在する系を初めて考察することに成功したことは特筆に値するが、しかしその手法を改変して上記の線形化作用素を扱うことにはまだ成功していない。 分担者福山は流体運動の統計的研究に着手する前段階として、間隙三角級数の収束に関する確率論的問題を扱い、通常の中心極限定理とは異なった型の極限定理をいくつか得た。この研究で注目に値するのは、級数の種々の総和法に対応する離散力学系のゆらぎの解析において、正規分布でない確率分布が極限分布として得られることで、その結果と手法は、流体運動に見られるゆらぎの統計的性質の時間発展の解析に貴重な示唆を与えるものである。

  • ランダム系の臨界現象の解析
    樋口 保成, 渡辺 清, 高野 恭一, 福山 克司, 今野 紀雄, 吉田 伸生
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 神戸大学, 1997年 - 1999年
    本研究ではスピン系の相転移とスペクトルギャップ、およびパーコレーションを中心として研究し、以下に述べるような成果を得た。 1.スペクトルギャップについては、2次元のグラウバーモデルについてコントゥアーの収縮が大きな役割を果たすこと、それが相境界のゆらぎから起こる場合についてはほぼぎりぎりの評価が得られた。しかしながら、ここで得られた評価だけではシミュレーションの結果は説明できないため、もっと強力な要因によるコントゥアーの収縮があるはずである。この解明は今後の研究課題とする。 2.Dobrushin-Shlosmanの混合性の条件と対数的ソボレフ不等式の成立はともに一様なスペクトルギャップの存在のための必要十分条件となることが非有界スピン系でも正しいことを証明した。 3.イジングモデルの相転移はパーコレーションによって完全に説明できることを証明した。この結果は他のモデルに少し拡張できる。 4.イジングパーコレーションにおいて、first passage percolationのtime constantからの揺らぎはほほガウス型であることを証明した。 5.attractiveとは限らない相転移のモデルで、エルゴード定理を証明した。 6.1次元のReinforced random walkの再帰性の問題で、通常のマルコフ連鎖の場合と質的に異なる再帰性を示す場合があることを発見した。 7.ワイル変換、ベーカーの変換、カッツの間隙級数から作られる変換の中心極限定理と分散の退化する場合の特徴付けを行った。 8.フラクタル上のパーコレーション確率を評価した。また、長距離相互作用をするパーコレーションでこれまでの予想の反例を作った。

  • 自己吸引的ランダムウォークの漸近挙動の研究
    樋口 保成, 福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 萌芽的研究, 神戸大学, 1998年 - 1998年
    自己吸引的ランダムウォークの再帰性についての研究を行った。二次元のモデルの中で最も吸引性の弱いタイプのonce reinforced random walkのシミュレーションを行った。一時限の理論的結果では通常のランダムウォークよりも再帰性が強いのだが、二次元のシミュレーションでは大きな差異は見つけることが出来なかった。 一方、一次元のモγルでDavisによる一般的な枠組の中で、再帰性について調べたとき、研究協力者である大学院生の竹島が初期重みの逆数の和の収束が非再帰性の十分条件になることを示した。 この条件は後に付け加えるreinforcementの強さに関わらない条件と言うことが出来る。逆にある種の条件の下ではこの初期重みの逆数の和の発散が再帰性の十分条件となるものと見られるが、初期重みの逆数の和自身は発散するが、自乗の和が収束して非再帰的になるようなモデルが知られており、精密な解析が必要なように思われる。この点については未解決のまま残った。

  • 実解析的確率論の手法による乱数論の研究
    福山 克司, 高山 信毅, 池田 裕司, 山崎 正, 樋口 保成
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 1997年 - 1998年
    ラーデマッハー関数系の中心極限定理においてはほとんどすべての無理数回転の従属性は減少してゆき、極限においては独立正規列が得られるということが示されていた。 これは無理数回転を用いた積分の数値計算、所謂準モンテカルロ法の高次元空間におけるモンテカルロ法に比較した場合の有効性に関する結果を与えることになっている。 このことに関連して、無理数回転を数論的性質により分類することにより、従属定常列に収束するような無理数回転に対する研究を行った。独立または従属定常列への収束のための条件を与え、数値実験可能な判定条件を与えることに成功した。また、例外的な無理数回転はその次元の意味で、十分多く存在することを示した。このことは、良い条件による実行可能な判定の必要性を示すものであり、上に挙げた相関による数値実験判定の有効性を強調する結果となっている。 また、複数のnに対するn進変換を同時に任意に組み合わせて用いた場合の区間上の中心極限定理も示された。これは、複数の変換の利用による乱数生成の可測の可能性の有無についての一つの基礎付けを与えるものである。 以上の結果は下記の学術論文に発表されたことを付記しておく。

  • 高次元パーコレーションの研究
    樋口 保成, 壁谷 喜継, 相澤 貞一, 福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 神戸大学, 1996年 - 1996年
    主にイジングモデルのパーコレーションについて研究を行なった。臨界温度よりも高温のときには、磁場パラメータの値がパーコレーション臨界値より下の値をとるとき、原点をふくむ+スピンのクラスターのサイズの分布は指数的に減少するtailをもつことを証明した。この事実の証明には、Dobrushin-Shlosmanの意味での弱い混合性が、このパラメータ領域のGibbs分布に対して成立することを使っている。独立の場合のさまざまな結果がこの弱い混合性のもとで証明できることが分かったことになる。したがって、自然にこのような混合性がどのようなパラメータ領域で成り立つのかは興味深い問題となる。本研究では、これと比較すると少し強い条件であるDobrushin-Shlosmanのオリジナルな意味での混合性(DSM)について、いくつかの違ったアプローチで考察してみた。得られた結果をまとめると以下のようになる。 1) ランダムカレント展開を用いることにより、勝手な境界条件ωの下での任意の連結領域内の2点相関関数は、h≧2dのときに指数的に減少することを示した。これによりこのパラメータ領域においてDSMが成り立つことになる。この結果自身は新しいものではないが、領域を直方体の形に限れば、h≧d-1で同じ指数的減少を示せる。これは上の弱い混合性を意味していることが知られている。 2) スピンのカップリングを用いることにより、勝手な領域と任意の境界条件の下での2点相関関数は温度が半分のときの境界にスピンをおかない場合(自由境界条件)の2点相関関数を用いて表すことができることを示した。これを用いると、シルピンスキーガスケットの上でのイジングモデルでは常にDSMが成立していることをも示した。

  • 確率論的極限定理の実解析的研究
    福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 奨励研究(A), 奨励研究(A), 神戸大学, 1996年 - 1996年
    Rademacher関数系の中心極限定理においてはほとんどすべてのWeyl変換の従属性は減少してゆき、極限においては独立正規列が得られるということが示されていた。 これはWeyl変換を用いた積分の数値計算、所謂準モンテカルロ法の高次元空間におけるモンテカルロ法に比較した場合の有効性に関する結果を与えることになっている。 このことに関連して、Weyl変換を数論的性質により分類することにより、従属定常列に収束するようなWeyl変換に対する研究を行った。独立または従属定常列への収束のための条件を与え、数値実験可能な判定条件を与えることに成功した。また、例外的なWeyl変換はその次元の意味で、十分多く存在することを示した。このことは、良い条件による実行可能な判定の必要性を示すものであり、上に挙げた相関による数値実験判定の有効性を強調する結果となっている。以上の結果は下記の学術論文に発表されたことを付記しておく。

  • 確立論的極限定理の実解析的研究
    福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奨励研究(A), 神戸大学, 1994年 - 1994年
    本研究に於ては、間隙級数論の確率論的取り扱いをすることを通じて、確率論的極限定理を実解析的に研究することの手始めとして、中心極限定理を題材に取り上げた。 Riesz-Raikov和とはΣ^^n__f(θ^kω)の形をした和のことであり、これの中心極限定理はθに代数的条件を付加したうえで、証明されていた。本研究においては任意のθ>1に対して、Riesz-Raikov和が中心極限定理にしたがうことをしめし、その極限分散をθを用いて記述し、さらに異なるθについてのRiesz-Raikov和の間の関係が、漸近的にに独立になるための条件を代数的に述べることに成功した。 また、中心極限定理に従う典型的な例として知られるRademadcher関数形についてその中心極限定理において、Weyl変換の従属性が消失することをも示した。これは乱数生成理論の基礎付けに応用される可能性がある。

  • 確率過程の関数型極限定理の研究
    笠原 勇二, 福山 克司, 伊藤 光弘, 神田 護, 梶谷 邦彦, 赤平 昌文
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 一般研究(C), 筑波大学, 1991年 - 1991年
    1.ジャンプ型確率微分方程式の解の安定性について、関数型の極限定理を証明した。すなわち、確率微分方程式の係数等の諸デ-タが或る適当な意味で収束するとき、解も対応する極限の確率微分方程式の解に収束し、その収束の意味は、SkorohodのJ_1ー位相についての法則収束の意味で成立する。この種の定理は既にいくつか知られているが、本研究の結果の新しいところは、極限の確率微分方程式に制限を置く代わり、係数の連続性を仮定しないでもよい点にあり、これは応用上有益である。 2.統計学に現れるtrimmed sumについて関数型の極限定理を与えた。独立同分布に従うサンプルから一定の比率で下位のものと上位のものを除外して残りのサンプルの和を考えたものをtrimmed sumと呼ぶが、これに関する古典的な定理(Stiglerの定理)の拡張として、空間方向および時間方向についてパラメ-タを入れて関数型の極限定理が成立することを証明した。経験分布を用いる新しい手法によるもので、これはStiglerの定理により深い理解を与えるたけでなく、検定等への応用が期待できる。 3.必ずしも独立とは限らない確率変数列のうち、weakly multiplicative systemになっているものについては独立なケ-スと同様に中心極限定理が成り立つことが知られているが、その収束の速さを与えた。またこの結果をヘルダ-連続性を持つ分布の下でのlacunary三角級数に適用できることを示した。 4.遷移確率密度を持つ多次元のレヴィ過程について次のことを示した。閉集合Bがsemipolarであるための必要十分条件は、任意のルベ-グ零集合の時間に制限してみたときこの確率過程が集合Bをヒットする確率が初期値に依らずに零になることである。

  • 多次元拡散過程及び関連分野の研究
    平良 和昭, 福山 克司, 柴田 良弘, 若林 誠一郎, 神田 護, 梶谷 邦彦
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 一般研究(C), 筑波大学, 1991年 - 1991年
    1.研究目的:一次元拡散過程は、W.Feller,E.B.Dynkin,H.P.McKean JR.,伊藤清等によって解析的にも確率論的にも完全に解明されている。しかしながら、多次元拡散過程は、解析学における偏微分方程式論、関数解析学、複素解析学、確率論と密接に関連する重要な研究課題であるにも拘わらず、一次元の場合と比べると完全な解明からは未だ遠い状態にある。本研究の目的は、多次元拡散過程を解析学の立場から総合的に研究することである。 2.研究実績:研究代表者及び分担者は、多次元拡散過程の境界問題を、最新の偏微分方程式的手法及び関数解析的手法を用いて研究するアプロ-チを発展させることにより、楕円型とは限らない一般の境界条件の場合を詳しく考察することができた。さらに、この研究を通じて、偏微分方程式論における各種の十分条件を、「拡散粒子の運動」という具体的なイメ-ジを通じて、直観的に解釈することを試みた。解析学の偏微分方程式論、関数解析学、確率論の三分野の接点に光を当てる、この研究結果は、「Boundary Value Problems and Markov Processes」(境界値問題とマルコフ過程)、「On the Existence of Feller Semigroups with Boundary Conditions」(境界条件付きのフェラ-半群について)と題してそれぞれ講義録及び特集論文として、シュブリンガ-社(ドイツ)、アメリカ数学会から出版された。これは、この方面で現在最も進んだ研究結果として、欧米を中心に高く評価されたことの証左であり、本研究の目的は十分に達成することができたといえる。 一次元拡散過程の研究の例を見るまでもなく、多次元拡散過程及び関連する諸問題を多分野から総合的に研究して行くことは、今後の解析学の発展にとって益々重要になるものと思われる。

  • 弱い従属性を持つ確率変数列の従う極限定理の研究
    福山 克司
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奨励研究(A), 筑波大学, 1990年 - 1990年

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