SEARCH
検索詳細
渡邊 隆信大学院人間発達環境学研究科 人間発達専攻教授
研究活動情報
■ 受賞- 2019年05月 兵庫県市町村教育委員会連合会, 教育行政功労者表彰, 加西市教育委員会における教育委員長及び教育委員としての活動2011年2月から2019年1月まで、2期8年にわたり教育委員会の進展充実に努力し、地方教育の振興に貢献した, 日本国その他の賞
- 2016年06月 世界新教育学会, 2016年度日本WEF小原賞, 著書『ドイツ自由学校共同体の研究―オーデンヴァルト校の日常生活史―』を初めとするドイツ新教育運動の研究著書『ドイツ自由学校共同体の研究―オーデンヴァルト校の日常生活史―』を初めとするドイツ新教育運動の研究に関する顕著な業績国内学会・会議・シンポジウム等の賞
- 2023年09月, 神戸大学大学院人間発達環境学研究科紀要, 17(1) (1), 11 - 21小学校における通知表開発と評価に関する事例的検討─「資質・能力型通知表」と「教科型通知表」の比較を通して─[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2021年10月, 日本の教育史学, 64, 158 - 159図書紹介 眞壁宏幹著『ヴァイマル文化の芸術と教育━バウハウス・シンボル生成・陶冶』
- 2021年06月, 人間教育の探究, (33) (33), 33 - 45, 日本語コロナ禍での学校教育活動:2020年度神戸大学附属小学校の記録[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2020年12月, 教育学研究, 87(4) (4), 495 - 507, 日本語「共同体としての学校」の起源と史的展開─ドイツ新教育における「ゲマインシャフト」概念に着目して─[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育思想史の研究者・教育者として、教員養成に対する責任ある関与の仕方とはどのようなものか。この問いに対して、さしあたり<教育思想史の教育>と<教員養成の思想史>が想定できる。本報告では<教員養成の思想史>という観点から、教員養成に対する教育思想史の関与の仕方について考察する。具体的には、20世紀初頭から今日に至るドイツにおける教員養成の思想的展開について、マクロ的な視点から見取り図を描くことを課題とする。その際、ドイツの教員養成を、(1)20世紀初頭からナチス期をはさんで1950年代まで、(2)1960年代から1990年代まで、(3)2000年以降、の3期に区分し、それぞれの時期に「理論-実践問題」と「教職の専門性」についてどのような理解がなされていたのか、その特質を明らかにする。そのうえで、日本の教員養成についていくつかの論点を提示するとともに、<教員養成の思想史>に向けての若干の提言をおこなう。教育思想史学会, 2014年10月, 近代教育フォーラム, 23(23) (23), pp.163 - 176, 日本語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 日本教育大学協会, 2014年03月, 日本教育大学協会研究年報, 32, pp.83 - 93, 日本語新たな修士レベルの教員養成カリキュラム開発にむけた枠組み-理論と実践の関係性を編み直すために-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科, 2012年03月, 教育実践学論集, (13) (13), pp.25 - 35, 日本語小学校教員養成スタンダードに関する開発的研究-大学卒業時における「教員としての最小限必要な資質能力」の同定と構造化-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育哲学会, 2009年09月, 教育哲学研究, (100(特別記念号)) (100(特別記念号)), pp.174 - 190, 日本語教育関係論の問題構制[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 日本教育大学協会, 2009年03月, 日本教育大学協会研究年報, 27, pp.191 - 203, 日本語小学校教員養成スタンダーズに基づく実習到達基準の開発-4年間の教育実習科目における到達基準の体系化を目指して-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科, 2009年03月, 教育実践学論集, (10) (10), pp.27 - 37, 日本語「良い」教師-「資質・能力(コンピテンス)のある」教師-教職の専門性に関するドイツならびに国際的な議論について-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 日本教育大学協会, 2007年03月, 日本教育大学協会研究年報, 25, pp.95 - 108, 日本語卒業時に求められる教師の実践的指導能力の明確化-小学校教員養成スタンダーズの開発-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 従来の新教育研究は、新教育の個々の思想家や学校実践を対象としたものがほとんどであった。本論文では「新教育への新しいアプローチの可能性」として、そうした個別的な思想や実践それ自体ではなく、それらが相互に結びつくことによって生じた「運動」に注目することを提案する。具体的には、(1)「新教育」と「新教育運動」とを明確に区別すること、(2)新教育運動をあくまでも歴史的現象として捉え、その生成と展開のリアリティに迫ること、(3)それを可能にするために、材料となる資料の範囲を拡大すること、という3点を提案する。そのうえでこの3つの提案に基づいて、一つの事例研究を試みる。すなわち、新教育運動を推進した代表的な国際的ネットワーク組織である「新教育連盟」を取り上げ、同連盟のドイツ支部とそれに関与したE. ヴェーニガーの思想と行動に焦点をあてながら、実践家や理論家たちが繰り広げた新教育の「運動」の具体像を解明する。教育思想史学会, 2005年, 近代教育フォーラム, 14, 93 - 106, 日本語
- Sektion Historische Bildungsforschung der DGfE, 2004年12月, Jahrbuch fuer Historische Bildungsforschung, 10, pp.217 - 233, ドイツ語Erich Weniger als Vorsitzender der deutschen Sektion des 'Weltbundes fuer Erneuerung der Erziehung'[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育思想史学会, 2001年, 近代教育フォーラム, 10, 201 - 203, 日本語
- 田園教育舎運動の史的再構成-「ドイツ自由学校連盟」の創設と活動に着目して-本研究の目的は、(1)「ドイツ自由学校(田園教育舎及び自由学校共同体)連盟」の創設過程と初期の活動がどのようなものであったのかを、連盟内部の行為者の意識に注目しながら解明することであり、(2)そのことを通して、ノール学派とは異なる、新たな田園教育舎運動理解を提示することである。本稿では第一に、1920年代までの田園教育舎系自由学校の広がりと学校相互の関係性について概観する。第二に、第一次世界大戦後のインフレという共通の経済問題をきっかけにして、各学校が年次会議というかたちでネットワークを形成し始めたことを明らかにする。そして、第3回会議にあたる1924年10月のオーデンヴァルト校会議における、「ドイツ自由学校連盟」の創設について描写する。第三に、1925年5月に同連盟とベルリンの中央教育研究所の共同開催となった大会<田園教育舎>について考察する。それにより、田園教育舎系自由学校のネットワークがどのように機能しはじめ、また広く社会に紹介されていったのかを明らかにする。最後に、同連盟の創設と活動の考察から導かれる田園教育舎運動に関する結論を、2点において総括する。一つは、運動の成立について。ノール学派による伝統的な田園教育舎運動理解において、19世紀末の「文化批判」が田園教育舎運動の決定的な要因として論じられ、その上でリーツの最初の学校設立をもってその運動が開始したと見なされてきた。しかしながら、<田園教育舎>という独自の集団としての自覚と、そうしたものとしての社会的な認知が、「運動」に不可欠であるとするならば、1920年代までにそうした学校が増加していたということは、田園教育舎運動が成立するための必要条件であるが、十分条件とは言えない。「ドイツ自由学校連盟」という組織の創設と活動こそが。田園教育舎運動を生みだし展開させ、同時に輪郭を与える原動力になっていたのである。いま一つは、運動の統一性について。ノールにおいて、田園教育舎運動は確固たる統一性を有するもの考えられてきた。だが、本研究の分析に基づくならば、連盟の創設によって、各学校間にアンビヴァレントな連帯感情が形成された。つまり一方で、連盟が創設される過程で、自分たちが公立学校や他の私立学校とは一線を画す独自の集団であることが自覚されるようになった。しかし他方で、お互いを意識し比較できる状況が用意されることによって、各学校の差異が改めて意識され新たな軋轢がもたらされた。つまり、連盟の創設は、自分たち集団の外部に対する統一化と、集団の内部での差異化という二つの自己意識をもたらしたのである。日本教育学会, 2000年09月, 教育学研究, 67(3) (3), pp.54 - 64, 日本語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育思想史学会, 2000年09月, 近代教育フォーラム, 9(9) (9), pp.65 - 72, 日本語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育史学会, 1995年10月, 日本の教育史学, 38(38) (38), pp.269 - 286, 日本語オーデンヴァルト校におけるP.ゲヘープの教育実践-<自由学校共同体>を中心として-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育哲学会, 1994年11月, 教育哲学研究, 70(70) (70), pp.1 - 13, 日本語H.ダンナーの「教育的責任」論-その特質と今日的意義-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 教育史学会, 2016年10月, 日本の教育史学, 59, pp.192 - 193, 日本語書評論文,書評,文献紹介等
- 日本教育学会, 2016年09月, 教育学研究, 83(3) (3), pp.40 - 43, 日本語書評「今井康雄著『メディア・美・教育』」書評論文,書評,文献紹介等
- 教育哲学会, 2016年, 教育哲学研究, (113) (113), 44 - 50, 日本語教員養成の「現場」から教育哲学を考える (教育哲学の「現場」としての高等教育 : 教育哲学のフロンティア(2))
- 神戸大学教育学会, 2015年06月, 研究論叢, (21号) (21号), pp.45 - 52, 日本語梅根悟における新教育観の変化-『新教育への道』(1947)と『世界教育史』(1955)の間-[査読有り]速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
- 広島大学, 2015年03月31日, RIHE, 60, 65 - 91, 日本語第4章 小学校教員養成プログラムの特質と展開:兵庫教育大学を事例に (大学教育の組織的実践:小学校教員養成を事例に)
- 教育哲学会, 2015年, 教育哲学研究, (111) (111), 165 - 171, 日本語書評 林泰成・山名淳・下司晶・古屋恵太編著『教育養成を哲学する : 教育哲学に何ができるか』
- 兵庫教育大学, 2014年02月, 兵庫教育大学研究紀要, 44, 1 - 8, 日本語梅根悟と教育史教育 : 今『西洋教育史』をどう用いるか
- ジアース教育新社, 2013年05月, Synapse : 教員を育て磨く専門誌, (21) (21), 12 - 15, 日本語教員養成スタンダードの開発と運用 : 新任教員に求められる資質能力50項目の策定と構造化 (特集 教員養成の高度化に挑む : 兵庫教育大学の教員養成改革)
- 兵庫教育大学, 2011年09月, 兵庫教育大学研究紀要, 39, 1 - 14, 日本語ドイツ新教育における学校空間の創造--オーデンヴァルト校を事例として
- 兵庫教育大学, 2009年02月, 兵庫教育大学研究紀要, 34, 35 - 48, 日本語小学校教員養成スタンダーズに基づく実習到達基準から捉えた実習成果と課題(1)実地教育4に注目して
- 兵庫教育大学学校教育研究センター, 2009年, 学校教育学研究, 21, 9 - 21, 日本語小学校教員養成スタンダーズに基づく実習到達基凖から捉えた実習成果と課題(2)実地教育3に注目して
- 兵庫教育大学, 2005年09月, 兵庫教育大学研究紀要, 27, 1 - 14, 日本語ドイツにおける不登校への対応--「生活の学校」を中心に
- 2004年03月, 教育研究論叢, (5) (5), 27 - 43ゲヘープにおける「自由学校共同体」理念の特質―ヴィネケンとの対比で―[査読有り]
- 2001年03月, 教育研究論叢, (3) (3), 45 - 68田園教育舎系自由学校のネットワーク形成-オーデンヴァルト校会議(1924年)を中心に-[査読有り]
- 兵庫教育大学, 1998年, 兵庫教育大学研究紀要, 18, 45 - 57, 日本語20世紀初頭ドイツにおける男女共学の実験-オーデンヴァルト校生徒の日常生活-
- 1995年, 広島大学教育学部紀要, (44) (44), 1 - 8オーデンヴァルト校における「自由学校共同体」理念の実践化-生徒-生徒関係を中心として-
- 単著, 共和国, 2023年08月, ISBN: 9784907986742森のような教師─日本とドイツの学窓から─一般書・啓蒙書
- 分担執筆, 「生活と学校」「教育関係論」「教育改革と教育哲学」, 丸善出版, 2023年07月, pp.50-51, pp.168-169, pp.562-563, ISBN: 9784621308219教育哲学事典事典・辞書
- 分担執筆, 第3章 子どもはどのような関係のなかで育つのか?─「教育関係」について, 北樹出版, 2022年04月, pp.38-51実践につながる教育原理教科書・概説・概論
- 分担執筆, 東信堂, 2019年03月, 日本語教育的関係の解釈学学術書
- 分担執筆, 六花出版, 2018年05月, 日本語教育史研究の最前線Ⅱ学術書
- 共編者(共編著者), 北大路書房, 2016年04月, 日本語中学校における「特別の教科 道徳」の実践 (シリーズ「特別の教科 道徳」を考える3)一般書・啓蒙書
- 共編者(共編著者), 北大路書房, 2016年04月, 日本語小学校における「特別の教科 道徳」の実践 (シリーズ「特別の教科 道徳」を考える2)一般書・啓蒙書
- 共編者(共編著者), 北大路書房, 2016年03月, 日本語「特別の教科 道徳」が担うグローバル化時代の道徳教育 (シリーズ「特別の教科 道徳」を考える1)学術書
- 単著, 風間書房, 2016年02月, 日本語ドイツ自由学校共同体の研究-オーデンヴァルト校の日常生活史-学術書
- 分担執筆, 福村出版, 2015年06月, 日本語教育哲学の課題「教育の知とは何か」-啓蒙・革新・実践-教科書・概説・概論
- 共著, 広島大学高等教育研究開発センター, 2015年03月, 日本語大学教育の組織的実践-小学校教員養成を事例に-学術書
- 共編者(共編著者), ジアース教育新社, 2014年06月, 日本語教員養成と研修の高度化-教師教育モデルカリキュラムの開発に向けて-学術書
- 共編者(共編著者), ジアース教育新社, 2012年08月, 日本語教員養成スタンダードに基づく教員の質保証-学生の自己成長を促す全学的学習支援体制の構築-学術書
- 分担執筆, 北大路書房, 2011年07月, 日本語教育コミュニケーション論-「関わり」から教育を問い直す学術書
- 分担執筆, 昭和堂, 2011年03月, 日本語ドイツ 過去の克服と人間形成学術書
- 分担執筆, Verlag Dr. Kovac, 2011年01月, ドイツ語Goettinger Paedagogik in der zweiten Haelfte des 20. Jahrhunderts; Teil 2学術書
- 分担執筆, 東信堂, 2010年03月, 日本語日本とドイツの教師教育改革-未来のための教師をどう育てるか-学術書
- 分担執筆, 福村出版, 2008年03月, 日本語教職概論教科書・概説・概論
- 分担執筆, Verlag Dr. Kovac, 2006年12月, ドイツ語Die Reformkonzepte Heinrich Roths--verdraengt oder vergessen?; Zur Rekonstruktion von Realistische Erziehungswisenschaft und Entwicklungspaedagogik学術書
- 分担執筆, 東京書籍, 2006年09月, 日本語教育実践学の構築-モデル論文の分析と理念型の提示を通して-学術書
- 分担執筆, Beltz Verlag, 2003年01月, ドイツ語Oekonomisierung der Wissenschaft; Forschen, Lehren und Lernen nach den Regeln des >Marktes<学術書
- 分担執筆, 「教育関係」「ゲヘープ」, 勁草書房, 2000年05月, pp.141-143, pp.249-250教育思想事典事典・辞書
- 分担執筆, 福村出版, 2000年02月, 日本語近代教育の再構築学術書
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 神戸大学, 2024年04月01日 - 2027年03月31日幼児期の表象する心のめばえを探るーインクブロット法を用いて
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 関西学院大学, 2020年04月01日 - 2024年03月31日新教育運動期における自然保護運動の昂揚と環境教育の起源に関する比較史的研究アメリカ、ドイツ、イギリスの19世紀末から20世紀前半にかけての自然保護運動の展開を、4人の担当者がそれぞれたしかめた。アメリカについては、ソーローやエマソンの超絶主義の思想が、自然への畏敬や自然を愛する心情を育てることを含んでいた。その影響を強く受けて、コーネル大学のベイリやコムストックが中心となって、自然学習や初等理科の授業を開発していた。彼らは、自然をよく観察することと同時に、自然への畏敬の念をもつことを重視しており、自然保護の思想と強い関連をもっていた。ところが、1920年代になると、自然学習運動が衰退し、科学教育が普及していった。このとき、自然保護の思想よりも、人間が自然を利用しようとする動きが強まったことが推測される。まだ実証はできていないが、この時期の自然保護運動を、現代の環境教育の直接的起源とみることには無理があり、その後の紆余曲折を解明することが課題になりそうである。 イギリスの自然保護運動も、自然学習論の展開を中心にたどることができる。大都市化や工業化が進んだために、その弊害を自覚していたミドルクラスの人々は、郊外に住宅を求め、園芸書を学んで、自然のとのかかわりを重視するようになっていた。彼らが、環境学習や地域学習を推進したのである。イギリスでは、多様な意図が混在していた自然学習であったが、それが後の環境教育に発展したと思われる。これを確かめることは今後の課題である。 ドイツについては、エコロジー思想の起源を探ったものの、教育とのつながりを示すものを確認することができなかった。しかし、自然と人間が一体化した共同体を形成しようとした教育実践はいくつかあり、それらについて、あらためて検討を進めていく予定である。
- 学術研究助成基金助成金/基盤研究(C), 2017年04月 - 2020年03月, 研究代表者競争的資金
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 兵庫教育大学, 2016年04月01日 - 2019年03月31日教育行政専門職の養成、研修に関する比較研究―システムとカリキュラム・方法を中心に本研究は,我が国における教育行政専門職の養成,研修システムの立ち上げを前提に,日本における教育行政専門職化がグローバル・スタンダードに基づくものたるべく,主要国(アメリカ,イギリス,ドイツ,フィンランド,中国)の教育行政専門職の養成,研修に関するシステム・制度,カリキュラムの実態と教育方法の実際を解明し,我が国の改善,改革に資する知見を得るために比較検討してきた。 今後の我が国の教育行政専門職養成プログラムへの示唆として,①多様な指導・学習形態やその組み合わせの開発,②教育・学習の共同化によるコーホート意識の形成,③財政的な基盤・支援が必要だと考えられる。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 関西学院大学, 2014年04月01日 - 2017年03月31日新教育運動期における都市計画と学校の遊び環境の公共性に関する比較社会史的研究本研究は、19世紀末から20世紀前半に世界中で盛り上がった新教育運動に焦点をあてて、子どもの遊び場がどのように確保されたかを確かめた。この時代は、急激な都市化が進み、子どもは遊び場をなくしつつあったが、同時に、学校教育や社会教育のなかで、子どもに遊び場を提供することの必要性がひろく民衆にも意識されるようになっていた。その具体的な状況を、ボストン、シカゴ、ニューヨーク、ロンドン、ハンブルクをとりあげてたしかめた。 その結果、子どもの遊び環境として、大都市に公園を設置しようとする動きがあったこと、公園と学校の連携をつくろうとする都市計画があったことなどが、明らかになった。
- 研究成果公開促進費/学術図書, 2015年, 研究代表者競争的資金
- 学術研究助成基金助成金/挑戦的萌芽研究, 2014年, 研究代表者競争的資金
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 京都大学, 2011年 - 2013年新教育運動期における学校の「アジール」をめぐる教師の技法に関する比較史的研究本研究は、新教育運動期において、児童・生徒の「本性」に基づいて彼らの自己活動の余地を保持するために、学校における「アジール」的な時空間(教師の明確な計画性を逃れる曖昧な時空間)の重要性が認識され始めたことに注目し、新教育的な学校における「アジール」との関わりにおける教師の技法を、新教育運動の影響が最も鮮明にみられたイギリス、ドイツ、アメリカ合衆国を考察対象として比較史的に究明することを心試みた。日本との比較考察という視点も導入し、今後の継続的な研究の展望を示した。本研究の成果は、報告書『新教育運動期における学校の「アジール」をめぐる教師の技法に関する比較史的研究』にまとめて公にした。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 兵庫教育大学, 2008年 - 2010年新教育運動期における学校空間の構成と子どもの学習活動の変化に関する比較史的研究今日、学校空間を、子どもにとって画一的で閉鎖的な構成から、形式にとらわれない自由な環境へと改革しようとする試みが見られる。こうした試みの起源のいくつかは、新教育運動期に求めることができる。本研究では、アメリカ、イギリス、ドイツの新教育運動期における校舎、教室、校庭といった学校空間の変革について調査した。その結果、学校空間の変革が子どもの創造的で協働的な学習活動のための環境と機会をもたらしていたことを解明した。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 神戸女子大学, 2005年 - 2007年新教育運動期における授業時間割の改革と編成原理に関する比較社会史的研究本研究は、19世紀末から20世紀初頭における授業時間割編成実態を示すとともに、時間割編成原理が転換していった過程とその根拠を探った。日本、アメリカ合衆国、イギリス、およびドイツの新教育を代表する学校の実践を取り上げた。各国における時間割編成の変遷を確認した結果、新教育の学校の時間割編成原理として、どの国にも共通して言える点は、次の四つであった。第一に、19世紀後半に、時計によって測定される時間に基づいた時間割が普及し、詳細で変更の難しい授業時間割が作成されるようになった。厳密な時間割は、教育の能率を上げるための有効であるだけでなく、子どもに時間厳守の道徳を教え、教師の行動を管理するためにも有効であると考えられた。第二に、新教育の広がりとともに、時間割を柔軟にしようとする動きが生じた。子ども中心を主張していた学校では、子どもの生活やリズムを重視し、子どもが時間割編成に参加することを認めるようになった。また、子どもの社会的な活動を保障するために、時間割の区切りは大きくなった。その結果、教師や生徒が時間割を作成したり、変更したりすることが容易になった。ドルトン・プランのように、子ども力沖心となって時間割を作成する例も出現した。第三に、時間割編成の原理が多様化したことである。かつては、決められた時間割の枠の中に教科を配置することが時間割編成であったが、子ども中心の学校では、教科ごとの区切りは重要ではなくなった。集団活動と個別活動の区別、遊びと学習と作業の区別などがいっそう重視されるようになったのである。第四に、新教育運動の中で、時間割編成における教師の裁量は大きくなったことである。しかし、教師にはその裁量権を専門家として十分に活用するだけの準備はなかった。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 鳴門教育大学, 2002年 - 2004年新教育運動期における「教職の専門分化」と「教育学の制度化」に関する比較史的研究本共同研究では,ドイツ,アメリカ,イギリスの新教育運動ごとに焦点をあて,次の4点を解明した。 ドイツ新教育運動の領域では,(1)20世紀初頭のドイツ教員養成の改革論議の特徴を浮き彫りにするため,全国学校会議(1920)に焦点を当て、新教育的な性格がそこにどのように反映しているのかを解明し,さらに,(2)ワイマール期における国民学校の教員養成に着目し,新教育連盟ドイツ支部初代会長エーリヒ・ヴェーニガーが学長を務めたアルトナ教育アカデミーを取り上げて教員養成と新教育の思想との関係を考察した。アメリカの新教育運動の領域では,(3)教職の専門分化の経緯と進歩主義教育の実践上の指導者の一人で,ウィネトカ・プランを開発したウォシュバーンの教師教育論を明らかにし,彼がウィネトカ教員大学院大学を設置した意図に着目し,授業の観察と実習を中心とした教師教育のための大学院大学の内実を解明した。さらにイギリス新教育運動の領域では,(4)教師の専門職化の基盤が,「教育の新理想」の活動と組織特性,また教師の行為コードが「創造性」によって意味付与されて形成され,それによって教育の公共性と私事性を保障する国家と教師の関係の「枠組みのずれ」がもたらされたことを考察し,公的文書のなかにその影響が出てきたことを確認した。 以上を概括すると,ドイツの全国学校会議の分析からは、同会議への新教育関係者たちの積極的な関与はみられず、議論の内容にも新教育的な性格は認めることができなかった一方で、アルトナ教育アカデミーの分析からは、青年運動を含む新教育に関与した人たちが数多く同校に教員として就職していることが明らかとなった。ウォシュバーンの理論は、わが国で話題になっている専門職大学院の先駆とみなすことができ,その方向性が容易ではないことが歴史的に示された。またさらに,イギリスの教師の専門職化の過程の分析からは,専門的学問と創造性をもった子どもの理解に方向づけられたカリキュラム編成能力の重要性が強調された点が明らかになった。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 1999年 - 2001年新教育運動における「共同体」形成論の出現と「学級」概念の変容に関する比較史的研究本共同研究は、新教育運動における「学級」概念およびその実現形態に対する批判が同運動の主導者たちによる「共同体」に関する議論と密接に関連していたことに注目し、両者の関係を多角的に分析することを課題として設定した。教育に関する比較史的立場から、複数の国(イギリス、ドイツ、アメリカ合衆国)を対象にした。 第1章では、ドイツにおける最初の本格的な田園都市ヘレラウを対象にした教育学研究のプログラムを提示し、「共同体の学校」に関する事例研究の一つの方向性を示した。第2章では、個人主義および個性主義を主要概念として用いつつ、アメリカ合衆国の新教育運動において、共同体形成論と学級編成論とがどのような関係にあったかを分析した。第3章では、近代化を早期に成し遂げたがゆえに、多岐にわたる社会問題への解決を迫られていたイギリスの新教育運動を取りあげ、新しい「共同体」意識と個性概念を軸に新教育的な学校の特色を検討した。第4章では、19・20世紀転換期のドイツ社会における共同体(ゲマインシャフト)概念の特徴を吟味したうえで、学習集団のゲマインシャフト化を推進することによって学級のあり方をラディカルに再編していったオーデンヴァルト校の「コース制度」を取り上げ、その内容と特質を明らかにした。付論においては、新教育運動研究の重鎮である長尾十三二氏および中野光氏を交えて開催された本共同研究会の成果を踏まえながら、新教育運動研究に関する注意点を記し、本編を総括した。
- 1993年ドイツ新教育の理論と実践競争的資金
- 1993年Theorie und Praxis der Reformpaedagogik競争的資金
- 1989年精神科学的教育学の生起と展開競争的資金
- 1989年Entstehung und Entwicklung der geisteswissenschaftlichen Paedagogik競争的資金