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ラミレズ 亜望大学院国際文化学研究科研究員
研究活動情報
■ 論文- 2021年03月, 神戸大学大学院国際文化学研究科博士論文手工芸品生産工房における女性と仕事の⺠族誌ーバングラデシュの首都ダカにおけるカジの実践と場に着目して
- バングラデシュの女性は、ジェンダー規範により公的空間から隔離された存在だった。しかし、開発援助と縫製産業により、女性たちが外に出る機会が急増し、パルダ規範といったジェンダー規範や活動と空間を巡って様々な議論が生じている。本稿では、首都ダカの手工芸品生産工房を対象とし、女性たちがいかに仕事と空間を意味づけているかを、活動領域と行動範囲に関して議論する。前者では、女性たちは賃金労働を家との関係でとらえ、男性が一家の稼ぎ手であるという規範を維持しようとする。後者では、女性たちは縫製工場や家と対比して、工房を「女性たちの場所」と意味づける。女性の物理的な行動範囲は拡大しているが、それは賃金労働の場に、女性性を付与し、安全な場所と表象することによって可能にしている。ジェンダー規範は近代的なイデオロギーと対立しているように見えるが、女性たちはそれを読み換えて、より良い生活を獲得しようと実践している。日本南アジア学会, 2020年03月, 南アジア研究, 2018(30) (30), 6 - 35, 日本語
- 神戸大学大学院国際文化学研究科, 2020年03月, 国際文化学=Intercultural Studies Review, 33, 72 - 94, 日本語
- 名古屋 : 南山大学人類学研究所, 2025年, 年報人類学研究 = Annual papers of the Anthropological Institute, Nanzan University, (16) (16), 218 - 223, 日本語書評 松岡悦子(編)『バングラデシュ農村を生きる : 女性・NGO・グローバルヘルス』
- 日本文化人類学会, 2017年, 文化人類学, 81(4) (4), 727 - 729, 日本語
- 分担執筆, パルダ実践のダイナミズム:都市化する社会と女性労働の拡大, 東京大学出版会, 2025年07月, 229-253, 日本語, ISBN: 9784130302210『現代バングラデシュ : 経済成長と激動する社会』外川, 昌彦;杉江, あい;日下部, 尚徳(編)
- 分担執筆, 社会的起業の役割, 丸善出版, 2023年06月, 日本語, ISBN: 9784621308080平和学事典
- The GASP-EES International Symposium Crisis of Wellbeing and Wellbeing in Crisis Across Borders, 2024年12月, 英語Women’s Labor and Aspirations: Shaping Social Change in Urban Bangladesh[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 日本文化人類学会第58回研究大会, 2024年06月バングラデシュにおける女性起業家と携帯端末の関係-メディアの普及と変遷から口頭発表(一般)
- 「テクノロジーとモビリティの拡張による距離と境界の再構築:空間・身体・イデオロギー」ワークショップ, 2024年02月, 人間文化研究機構グローバル地域研究事業東ユーラシア研究プロジェクト神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート拠点, 神戸大学, 日本国, インターネットが普及し、IoTやAIといったさまざまなデジタル技術が日常に入り込んできている。なかでもSNSは個人が携帯端末を使って世界中の人々とつながることを容易に可能にしたという点で、私たちの生活を著しく変化させた。SNSの特徴は、デジタルメディアの中でも、「リアル」な空間では出会うことがなかった人を結びつけることである。コミュニティを新たに作り出したり、あるいは既存のコミュニティのあり方を変容させる可能性がある。また、携帯端末とインターネット環境さえあれば、人々が時空間を超えてつながることが可能であり、人々の移動の仕方をも変容させうる。本発表ではコミュニティとそれを通じたコミュニケーション、および人々の移動のあり方について、SNSを通じてどのように取り結ばれているのかを検討する。具体的には、バングラデシュのとあるバイクライダーの女性の事例を検討する。彼女は、ヒジャブをつけてバイクに乗り、バングラデシュ全土を旅している。こうしたセンセーショナルな姿が受けて、Facebook上で拡散されている。こうしたSNSを利用したコミュニティ/ネットワークの形成が、ジェンダー規範にどのような影響を与えているのかを議論する。SNSは移動と空間をどのように変えるのか:バングラデシュのヒジャビ・ライダーの事例から
- 日本南アジア学会第36回全国大会, 2023年09月, 日本語バングラデシュのサービス業における女性性口頭発表(一般)
- インターセクショナリティとジェンダー視点の主流化−バングラデシュ地域研究から, 2023年07月, 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所手工芸品生産工房からみるパルダ実践と公的空間の複数性シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 日本南アジア学会 第34回全国大会, 2021年10月, 日本語仕事をめぐる非親族関係とネットワーク―バングラデシュのダカにおける手工芸品生産工房の女性たちの現地調査から口頭発表(一般)
- 第1回FINDAS若手研究者セミナー 「サバルタン生活世界の実践―労働と信仰」, 2021年04月都市部における生活のための関係とネットワーク―バングラデシュの手工芸品生産工房で働くこと[招待有り]
- 日本文化人類学会研究大会発表要旨集, 2020年, 日本語, 日本文化人類学会, バングラデシュの首都ダカにあるシルクスカーフ生産工房において、仕事の空間が従業員女性や家事使用人の少女たちにとっていかなるものかを検討する。工房は、経済的に不安定な都市の女性たちにとって、アジール的空間になっているようにも見える。従業員の女性たちにとって、経済的な事情から賃金労働が必要でかつ、望ましい場を模索しなければならない中で、工房は他の女性たちと集まり、交流し、仕事ができる場である。一方で、家事使用人の少女たちが家で雇用されているのは、一時的な保護の目的が強く、行動範囲も基本的には部屋の中や周囲の商店だけであり、著しく制限される。仕事も家事労働が主であり、昼夜を問わず仕事を任されている。家事使用人の少女にとって家の中にいるということは、安全な場であることを意味するものの、常に家の人々の保護と監視の目にさらされており、工房のアジール的状況は両義的である。こうした工房という場における、従業員女性、家事使用人の少女たちを取り巻く重層的な現実を理解することを目指す。バングラデシュの首都ダカにおける手工芸品生産工房の空間の検討—女性従業員と家事使用人の少女の事例から
- セミナー「バングラデシュで考えるNGOと現地の人々」共催:現代ベンガル研究会、FINDAS研究会、AA研基幹研究人類学班、科研・基盤A「南アジアのムスリム社会の多極化の傾向」, 2019年11月女性たちの仕事と支援の利用―ダカにおける手工芸品生産を事例として
- 日本文化人類学会研究大会第51回研究大会, 2017年, 日本語, 日本文化人類学会, フェアトレードが内包する構造的な非対称性とバングラデシュ社会のパトロン・クライアント関係を踏まえながら、「フェア」という言葉に隠蔽された、生産者と取引関係にあるアクターの間での商取引と支援をめぐる非対称な関係を読み解く。フェアトレードが生み出す非対称的関係—バングラデシュの手工芸品生産に従事する女性をめぐる商取引と支援の事例から
- 日本文化人類学会近畿地区研究懇談会博士論文修士論文発表会, 2012年03月, 日本語フェアトレードの『フェア』概念―バングラデシュ民族誌から見る人々の規範との比較
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 若手研究, 神戸大学, 2025年04月01日 - 2028年03月31日バングラデシュ・ダカの低所得者層の仕事、交換、名誉
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)), 立教大学, 2022年10月07日 - 2028年03月31日ニューヨーク市の移民労働者:新型コロナウィルス感染の影響についての国際共同研究本研究は、新型コロナウィルス感染拡大が「移民労働者とその家族構成員」に及ぼしている影響に着目している。そのため、研究代表者が1997年から2012年まで、12回に及んで現地調査を継続してきたバングラデシュ出身者を中心に据えながら、彼女・彼らがイスラームを拠り所として移住先で関係を構築しているインド、パキスタン出身者からも聞き取り調査を実施する。移住先(受入国)としての調査対象地域は、グローバルな展開を見せる多国籍企業と金融機関の一大拠点であり、これら周辺領域に関わる労働需要が移民を集中させるグローバル都市(Sassen)として関心を集めてきたニューヨーク市を選定している。また、送出国での現状をより明らかにすることを目的として、主としてバングラデシュでの現地調査を予定している。 まず、上記の研究概要と目的、助成期間、配分予定額、調査担当領域等について、各研究者との確認を行った。ニューヨーク市での現地調査を担当するダッフィル、佐藤とは、新型コロナウィルス蔓延以降の状況、治安、今後の調査方法に関する打合せをそれぞれ複数回実施している。また、拙著(Suzuki, 2022)の分析に加えて、専門的な助言を受けている。バングラデシュでの現地調査を担当する鈴木(亜)とは、本研究での役割、バングラデシュでの調査日程(日数を含む)について、電子メール及び電話での確認を密に行った。鈴木は、別途採択された助成金(研究スタート支援)に基づき、夏季休暇中に現地調査(24 泊 25日)を実施して当該研究にも備えている。 ニューヨーク市在住のアリ・シャイド(ロングアイランド大学、教授)と連携して情報や資料を収集している。さらに、ジェームズ・マンディバーグ(ニューヨーク市立大学ハンター校、准教授)を講師として研究会「A Study of Structural Inequality in the USA and New York City」(対面)を開催しているが、ダッフィルと佐藤が参加した。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援, 研究活動スタート支援, 神戸大学, 2021年08月30日 - 2023年03月31日不確実性を生き抜くための親族ネットワーク-バングラデシュの首都ダカの仕事と共同本研究はバングラデシュの首都ダカにおいて、賃金労働の場を対象にし、ジェンダー規範の再編のあり様とそれに対する人々の解釈と実践を明らかにしようとするものである。特に、人々が不確実な生活を確実なものへと繋ぎ止めるために用いる、親族呼称を介した扶助と共同の関係を明らかにすることを目的としている。 近年、新たに労働市場に参入した女性たちは親族や非血縁者も含んだ親族関係の拡張により、仕事の場の獲得やジェンダー空間を再編成している。しかし他方では、当該社会では強固な親族構造の欠如と個人性の高さが指摘されている。そこで、仕事をめぐる分業や扶助の実態を明らかにし、都市生活者の生活の重要な資本である親族的カテゴリー形成の様相と、扶助を支える規範とは何かを検討している。 本年度は、主に文献調査を進めた。バングラデシュに関する最新の民族誌や労働に関する研究を対象とし、文献の読み込みを行なった。具体的には、国立情報学研究所データベース(Nacsis)やILL(図書館相互貸借)などを最大限に利用しつつ東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、国立民族学博物館、京都大学など、南アジア関連文献が充実した国内研究機関における文献資料を蓄積した。あわせて利用可能な文献リストを充実に努めた。 これらの文献調査を論文として刊行する予定である。加えて、ここで収集した情報は、2年目のバングラデシュでの現地調査の基盤となるものである。
