SEARCH
検索詳細
中 真生大学院人文学研究科 文化構造専攻教授
研究者基本情報
■ 学位■ 研究ニュース
■ 研究キーワード
■ 研究分野
■ 委員歴
研究活動情報
■ 受賞■ 論文
- 2024年11月, 現象学年報, (40) (40), 35 - 54, 日本語子どもの経験から「喪失」を考える[招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 2024年10月, 哲学雑誌, 137(810) (810), 37 - 58, 日本語「喪失」という経験――世界へのかかわり方の変容研究論文(学術雑誌)
- 2022年12月, 親鸞仏教センター『現代と親鸞』, (47) (47), 19 - 38, 日本語「いのちとその産み育ての結びつきと分離――「母性」、出生前診断、「赤ちゃんポスト」などを手がかりに」[招待有り]
- 2020年09月, 『科学研究費・基 盤研究(B)北欧現象学者との共同研究に基づく人間の傷つきやすさと有限性の現象 学的研究 研究成果報告書』Osaka University Knowledge Archive (https://ir.library.osaka-ac.jp/repo/ouka/all/, 39 - 64生殖における「間接性」――父親と養親の視点から
- 2020年09月, 神戸大学文学部哲学懇話会編『愛知』, (31) (31), 74 - 94, 日本語生むことから分離した「親」の形成――父親と養親の「間接性」を手が かりに[査読有り]
- 2020年, 宮園健吾・大谷弘・乗立雄輝編著、『因果・動物・所有 一ノ瀬哲学をめぐる対話』、武蔵野大学出版会, 159 - 192, 日本語「死の所有」と生のリアリティ[招待有り]論文集(書籍)内論文
- 2019年04月, 思想, (1141) (1141), 日本語「母であること」(motherhood)を再考する――産むことからの分離と「母」の拡大[招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 2018年, The European Conference on Ethics, Religion & Philosophy 2018: Official Conference Proceedings, 英語“Baby-Hatches” in Japan and Abroad: An Alternative to Harming Babies研究論文(国際会議プロシーディングス)
- 2018年, フランス哲学思想研究, (23) (23), 日本語「産む性」をめぐってー生殖と「母性」再考[招待有り]
- 2017年, 木田直人・渡辺誠編著、『哲学すること』、中央公論社, 471 - 497, 日本語「生の肯定の哲学――生は根底的に肯定しうるのか?」論文集(書籍)内論文
- 2016年, 神戸大学文学部哲学懇話会紀要『愛知』, (28) (28), 3 - 14The Vulnerability of Reproduction: Focusing on Pregnancy and Breastfeeding
- 理想社, 2015年, 理想, (695) (695), 103 - 119, 日本語生殖の「身体性」の共有―男女の境界の曖昧さー[査読有り][招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 京都ユダヤ思想学会, 2015年, 京都ユダヤ思想, 4(2) (2), 53 - 86, 日本語レヴィナスの思想における『女性的なもの』について-性差と主体のうちの二元性―[査読有り][招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 哲学会, 2015年, 哲学雑誌, 130(802) (802), 116 - 135, 日本語生殖の身体性と「選択」[招待有り]
- 京都ユダヤ思想学会, 2014年, 京都ユダヤ思想 レヴィナス特集号, 日本語「レヴィナスの思想における『女性的なもの』について-性差と主体のうちの二元性―」[査読有り][招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 2014年, Proceedings of the 4th International Conference : Applied Ethics and Applied Philosophy in East Asia, 英語On the control of reproduction : prenatal diagnosis in the reproduction technology研究論文(国際会議プロシーディングス)
- 日本現象学会, 2008年, 現象学年報, 24(25-39) (25-39), 日本語レヴィナスにおける主体の両義性(ambiguïté)について[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- シェリング協会, 2008年, シェリング年報, 16(25-39) (25-39), 日本語ヨーロッパにおける他者の思想― レヴィナスの「創造」をめぐる考察を軸に[招待有り]研究論文(学術雑誌)
- (東京大学大学院人文社会系研究科・文学部哲学研究室), 2007年, 論集, 25(23-37) (23-37), 日本語悪と超越―レヴィナスとナベール―[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 哲学会, 2006年, 哲学雑誌, 121(793) (793), 57 - 80, 日本語主体の被造性(créatuarialité)-依存における自律[招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部哲学研究室, 2006年, 論集, 24(51-67) (51-67), 51 - 67, 日本語レヴィナスにおける「無限の観念」と「内在の超越」[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2005年, Cahiers d’Etudes Lévinassiennes, 4(409-440) (409-440), フランス語Dans la culture sans Dieu – Lévinas au Japon[招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 哲学会, 2004年, 哲学雑誌(哲学会), 119巻(167-185) (167-185), 167 - 185, 日本語レヴィナスの”le mal”に見る他なるものとの関係について-身体的苦しみを手がかりに-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 日仏哲学会, 2004年, フランス哲学思想研究, 9(144-158) (144-158), 144 - 158, 日本語レヴィナスにおける苦しみについて-身体の抗い-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部哲学研究室, 2002年, 論集, 1(95-106) (95-106), 95 - 106, 日本語死を選ぶこと-安楽死と自殺[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部哲学研究室, 2000年, 論集, 19(196-211) (196-211), 196 - 211, 日本語レヴィナスの『他者にとり憑かれる自己』において『共感』のありかを考える[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部哲学研究室, 1999年, 論集, 18(179-190) (179-190), 179 - 190, 日本語レヴィナスにおける『自己保存の努力』(conatus) について[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2023年02月12日, 北國新聞, 8 - 8(書評)「力まない柔らかな思考」キム・ウォニョン著・五十嵐真希訳『誰も私たちに「失敗の烙印」を押すことはできない』小学館
- 2022年08月, 『ひとおもい』東信堂, (4) (4), 218 - 226「あることとないこと――誕生と死をめぐる経験から」
- 2022年05月, 新潮社フォーサイト(書評)「子どもと引き換えに、女性たちが失ったものの大きさを今こそ直視するとき」、オルナ・ドーナト著(鹿田昌美訳)『母親になって後悔してる』
- 2019年, 『よくわかる哲学』ミネルヴァ書房(事典項目)「レヴィナス」、「フェミニズムとジェンダー」
- 日本現象学会, 2017年, 現象学年報 = Jahrbuch der Japanischen Gesellschaft für Phänomenologie = Annual review of the Phenomenological Association of Japan = Annuaire de l'Association Japonaise des Pnénoménologues, (33) (33), 43 - 49, 日本語男女共同参画・非-常勤研究者支援ワークショップ報告 作者は匿名の主観でありうるか (日本現象学会第38回研究発表大会報告)
- 2016年, 『実存思想論集』実存思想協会, (31) (31)(書評)宮坂和男著、『生きること 死ぬこと 物語ること ― 終末期医療と倫理』、晃洋書房、2015年
- 有斐閣, 2013年, 哲学雑誌, 128(800) (800), 155 - 157, 日本語ワークショップ報告 性と生殖 (情報とリスク : ポスト3.11の哲学)
- 2010年, 、科研費報告書(基盤研究(B)、「エコノミー概念の倫理思想史的研究」、麻生博之代表), 93 - 108「初期レヴィナスにおける『女性的なもの』と『存在のエコノミー』」
- 岩波書店, 2008年, 飯田隆他編、『岩波講座 哲学6 モラル/行為の哲学』, (246-252) (246-252), 日本語「人格」、「責任」、「他者」(「概念と方法」)[招待有り]速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
- 青海社, 2007年09月, 緩和ケア, 17(5) (5), 407 - 410, 日本語苦しみと希望--レヴィナスの思想から (特集 尊厳って何だ?希望って何だ?--緩和ケアへの現象学的アプローチ)
- 2006年, 科研費報告書(基盤研究(B)、「事実・行為・規範をめぐる知識の実践的意義の研究:『自然と人為』の対比についての哲学的再検討」(松永澄夫代表), 98 - 109苦しみの意味を求めて―レヴィナスにおける悪と苦しみ―(改訂増補版)
- 2006年, 平成17年度 跡見学園女子大学特別研究成果報告書「『ある日本人の暮し』に見る日本人の生活様式の変化」, (30-37) (30-37), 日本語「ランプの宿」その後-五色温泉-速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
- 2006年, 平成17年度 跡見学園女子大学特別研究成果報告書「『ある日本人の暮し』に見る日本人の生活様式の変化」, (80-87) (80-87), 日本語「なぎなた教えて半世紀」速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)
- Institut d’Etudes Levinassiennes, 2006年, Cahiers d’Etudes Levinassiennes, 5(381-387) (381-387), フランス語recension-Kazuhiko UEDA, ≪ Levinas et Blanchot - le neutre qui ebranle "l’autre"≫, Suiseisya, 2005[招待有り]書評論文,書評,文献紹介等
- 2005年, 『死生学研究』東京大学21世紀COEプログラム「生命の文化・価値をめぐる死生学の構築」, (春) (春)共訳:ピーター・シャーバー著「幹細胞研究は許されるべきか」
- 2001年, 法政大学出版局, 日本語翻訳:ジャック・デリダ著『ユリシーズ グラモフォン ジョイスに寄せるふたこと』その他
- 共著, 第6章「生殖技術と身体――身体はどのように被っているか」, 昭和堂, 2023年10月, 日本語, ISBN: 4812222230応用哲学 (3STEPシリーズ 6)
- 共著, 第9章 「老いゆくこと、他者との関係――「ずれ」の経験と葛藤」, ナカニシヤ出版, 2023年08月, 日本語, ISBN: 4779516986フェミニスト現象学: 経験が響きあう場所へ
- 共著, 第5章4「「産むこと」は特別なのか―「親であること」を考えなおす」, 神戸大学出版会, 2023年04月『人文学を解き放つ』
- 共著, 「喪失という攪乱―死別を中心に」, 晃洋書房, 2023年03月『あらわれを哲学するーー存在から政治まで』
- 共著, 第IV部13「レヴィナスと生殖論」、第II部「繁殖性」, 法政大学出版局, 2022年09月『レヴィナス読本』
- 共著, “Reinterpreting Motherhood: Separating Being a “Mother” from Giving Birth”, Springer, 2021年12月, ISBN: 9811586918Kobe University Social Science, Risk and Regulation of New Technology
- 単著, 勁草書房, 2021年08月, ISBN: 4326154799生殖する人間の哲学――「母性」と血縁を問いなおす
- 共著, 第8章「「死の所有」と生のリアリティ」, 武蔵野大学出版会, 2020年01月, ISBN: 4903281450『因果・動物・所有 一ノ瀬哲学をめぐる対話』
- 共著, "Some Glimpses of Japanese Feminist Philosophy: In terms of Reproduction and Motherhood, Rowman & Littlefield International, 2018年Contemporary Japanese Philosophy: A Reader, ed. John W.M. Krummel
- 共著, 「生の肯定の哲学―生は根底的に肯定できるのか?, 東信堂, 2017年木田直人・渡辺誠編著『哲学すること』
- 共著, Södertörn University Press, 2016年, 英語Phenomenology of Pregnancy, Nicholas Smith & Jonna Bornemark (ed.), ("The Otherness of Reproduction: Passivity and Control")学術書
- 共著, 東信堂, 2010年, 日本語哲学への誘い 第2巻 ―哲学の身振り学術書
- 共著, ナカニシヤ出版, 2006年, 日本語, (第2章「苦しみの意味を求めて―レヴィナスから見る悪と苦しみ」担当)悪と暴力の倫理学学術書
- 日本現象学・社会科学会 第41回大会, 2024年12月関係における喪失——曖昧で非対称な喪失口頭発表(一般)
- 日本現象学会大会, 2023年10月, 日本語「子どもの経験から「喪失」を考える」[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 第43回サントリー文化財団フォーラム, 2023年03月「生殖」から「喪失」へ[招待有り]
- 哲学会大会シンポジウム:現象学の新展開, 2022年10月「喪失の現象学?――失われたもうひとつのもの」[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- Second Online session on childcare phenomenology, 2022年03月” The Public and the Private in Childbirth and Childcare”
- 親鸞仏教センターシンポジウム:「<いのち>という語りを問い直す」, 2022年02月「いのちとその産み育ての結びつきと分離――「母性」、出生前診断、「赤ちゃんポスト」などを手がかりに」[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 応用哲学会サマースクール2021, 2021年09月「生殖技術と身体―出生前診断と選択的中絶を中心に」[招待有り]公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
- 日本アーレント研究会シンポジウム:「「生まれること」を考える」, 2020年03月「「生むこと」あるいは「生まれること」における個別性と普遍性」[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 哲学会大会, 2019年11月, 日本語, 国内会議産むことから分離した「親」の形成――父親や養親の「間接性」を手がかりに[招待有り]口頭発表(招待・特別)
- European Conference on Ethics, Religion & Philosophy, 2018年07月, 英語, 国際会議Baby-Hatches” in Japan and Abroad: An Alternative to Harming Babies口頭発表(一般)
- International Symposium and Workshop by Interfaculty Initiative in Advance Researches at Kobe University, 2018年01月, 英語, 国際会議Alternatives to terminating the life of a baby or a fetus: From “Baby Postbox” to Pregnancy Conflict Counseling[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 2017年秋季研究大会シンポジウム:女性と母の哲学の展開:フランス哲学を出発点にして、日本現象学会大会, 2017年09月, 日本語, 国内会議「産む性」をめぐって――生殖と「母性」再考[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- the Workshop within the framework of the Seminar in Feminist Continental Philosophy in Stockholm, 2017年06月, 英語, 国際会議Some Glimpses of Japanese Feminist Philosophy: In terms of Reproduction and Motherhood[招待有り]公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
- Finnish-Japanese Research Collaboration: International Symposium “Phenomenology of Vulnerability and Limits”, 2016年03月, 英語, 国際会議Reproduction and Vulnerability: Pregnancy and Breastfeeding[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- The Nordic Society for Phenomenology, 2014年04月, 英語, 国際会議The Otherness of Reproduction: our passivity and control of it[招待有り]口頭発表(基調)
- The 4th International Conference: Applied Ethics and Applied Philosophy in East Asia, 2013年04月, 英語, 神戸大学, 国内会議On the control of reproduction : prenatal diagnosis in the reproduction technology口頭発表(一般)
- 哲学会ワークショップ, 2012年11月, 日本語, 哲学会, 東京大学本郷キャンパス, 国内会議生殖と他なるもの[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 京都ユダヤ思想学会シンポジウム, 2011年12月, 日本語, 京都ユダヤ思想学会, 京都大学, 国内会議レヴィナスの思想における『女性的なもの』についてー性差と主体のうちの二元性―[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 日本シェリング協会シンポジウム, 2007年12月, 日本語, 日本シェリング協会, 日本女子大学, 国内会議ヨーロッパにおける他者の思想― レヴィナスの「創造」をめぐる考察を軸に―[招待有り]シンポジウム・ワークショップパネル(指名)
- 日本現象学会大会, 2007年11月, 日本語, 日本現象学会, 大阪大学, 国内会議レヴィナスにおける主体の両義性(ambiguite)について口頭発表(一般)
- 日本哲学会大会, 2005年05月, 日本語, 日本哲学会, 一橋大学, 国内会議悪の超越-レヴィナスとナベール-口頭発表(一般)
- 哲学会カント・アーベント, 2004年04月, 日本語, 哲学会, 東京大学本郷キャンパス, 国内会議レヴィナスにおける《 la souffrance 》と《 le mal 》の関係~身体性を手がかりに~口頭発表(一般)
■ Works_作品等
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 東京大学, 2023年04月01日 - 2027年03月31日偶然性概念の哲学史的・概念史的研究:現代の諸課題の再文脈化の試みへ向けて本研究は「西洋哲学における偶然性についての諸解釈が現代の諸問題にもたらす新しい視座とは何か、さらに新しい偶然性理解が可能か」という問いを核として展開されているが、まず、古代から現代にいたる西洋哲学の歴史の中で考察が積み重ねられてきた「偶然・偶然性」(chance, contingency)概念について、各時代及び各哲学者による概念規定を吟味しつつ、各時代に固有の偶然性概念の理解を明らかにすると同時に、各時代間での連続性と断絶、それが生じた背景を考察することを基礎研究とする。 その基礎として初年度の2023年度には、各人が「偶然性」をめぐる概念史的考察および現代における偶然性理解に取り組んだ。その一つの成果として、10月28日に開催された哲学会第六十二回研究発表大会において分担研究者である渡名喜庸哲氏(立教大学)と、中澤栄輔氏(東京大学)を呼び、パンデミックをめぐる哲学的考察をテーマにしたワークショップ「パンデミックと哲学――生と医療、そして死――」を開催し、偶然的に降りかかってくる疫病などがわれわれの倫理観、倫理的判断におよぼす影響について議論を重ねた。渡名喜氏は「パンデミックはいかなる「生」を問題にするか:現代フランス哲学の立場から」というタイトルで発表を行い、パンデミックという生命と通常の生活を脅かす不慮かつ未曾有の事態に直面する中で、現代フランスの哲学者たちが「生」をどのように捉え直したかということに目を向け、現実的な局面での偶然性理解への考察を深めた。中澤氏は「COVID-19 パンデミックを契機とする医学的無益性概念の再考」というタイトルで発表を行い、COVID-19 治療における医学的無益性概念を再考することで、救急医療における医療資源配分と治療に関するの意思決定という医療倫理的に未整備と考えられる問題についての考察を展開させ、本科研費参加者たちと議論を交わした。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 東京大学, 2023年04月01日 - 2027年03月31日偶然性概念の哲学史的・概念史的研究:現代の諸課題の再文脈化の試みへ向けて
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)), 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)), 2019年10月 - 2022年03月, 研究分担者子育ての現象学:フィンランド・ネウボラをフィールドに本研究は2019年度後期から始まったが、2019年度は、12月にネウボラの専門家である髙橋睦子教授(吉備国際大学、社会福祉学)をお招きして、第1回国内研究会・公開講座「ネウボラーフィンランドの子育て家族支援」を大阪大学にて開催し、2020年3月にフィンランド(ヘルシンキ、タンペレ)で予備調査をする計画を立て、タンペレで調査をオーガナイズし通訳をしていただく現地の方とも打ち合わせを済ませていたが、新型コロナ(Covid-19)の世界的な蔓延の影響のなかフィランド渡航は延期とせざるをえなかった。2020年度は、新型コロナが収束に向かうことを期待しつつ、8月にフィンランドでの本調査を行う予定であったが、新型コロナ第2波の影響でこれらの計画もキャンセルせざるをえず、やむなく、渡航をしなくてもできることとして、8月にネウボラの専門家である横山美江教授(大阪市立大学大学院研究科、保健学)をお招きして、第2回国内研究会・公開講座「ネウボラーフィンランドの子育て家族支援に学ぶ」をオンライン(ウェブ会議システム)にて行い、また、12月には国内の共同研究者・研究協力者による第3回国内研究会を同じくオンラインにて行い、それぞれの準備状況と今後の研究計画を確認しあったものの、年度末の2021年3月に計画していたフィンランド渡航も延期とせざるをえなくなった。本共同研究は、フィンランド現地のネウボラでの職員・利用者などの当事者にインタヴューすることに基づいた研究として計画されたため、現地渡航ができない状況のなかで、その状況が改善されるのを待ちながら、不十分ながらできる範囲のことをしてきた。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2017年04月 - 2022年03月, 研究代表者「生殖」から見る倫理学 ― ジェンダー・身体・他者を軸に本研究の目的は、自分の知やコントロールを超えた「他なるもの」との関係が、主体のあり方をどのように形成し、また変容させるかを、身体の次元で具体的に解明するために、特に「生殖」 の観点から切り込むことである。人間を生殖するものと見る見方は、身体や性(ジェンダー)、そして他なるのものとの関係の考察を不可分なものとして要請する。また個人の経験の次元で見れば、生殖には、生む・生まないといった性差や個人差が本質的な要素として含まれる。本研究は、「生殖」を基軸とすることで、 一方の、具体的な経験を掬い取る研究と、他方の、差異や特殊性を考慮した上でなお、それらに通底する主体のあり方を浮かび上がらせる理論的研究とを、性・身体・他者の観点から統合した倫理学を構築することを目指している。 本年度はまず、当初の研究計画通り「生殖における男性の経験 」に焦点を当てたほか、生んでいない親である養親の経験を、父親の経験との連続性に注目しつつ考察し、「生殖における「間接性」――父親と養親の視点から」、「生むことから分離した「親」の形成――父親と養親の「間接性」を手がかりに」という二つの論文にまとめることができた。また、赤ちゃんポストや新生児養子縁組に関する日本の具体的な状況を考察する英語の論文を論文集に収めることができた。さらに、「生むこと」と「生まれること」の違いや、生むものとしての人間を考えることの意味などをレヴィナスやその他の思想家に沿って理論的に考察し、シンポジウムで提題した。 このような本年度の成果に限らず、本研究開始から生殖の様々な領域に関して蓄積してきた論文の考察、資料を踏まえた上で、生殖全般を俯瞰するかたちで、生殖における選択、性差、身体性、他なるものの経験 などの主題を考察し、著作、『生殖する人間の哲学――「母性」と血縁を問い直す』(8月刊行予定)にまとめることができた。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 大阪大学, 2016年04月 - 2019年03月, 研究分担者本研究は、北欧現象学者との共同研究に基づき、人間の傷つきやすさと有限性に着目して、誕生、老い、病い、死、障がい、痛み、性とジェンダーといった具体的な問題を現象学的に考察することを目指した。毎年、北欧の現象学者と共同研究を行い、北欧現象学会に2-3人の発表者を派遣し、2018年北京での世界哲学会でも二つのラウンドテーブルで研究発表・学術交流を行った。また、国内の研究会も通算10回の開催となり、それぞれの研究成果についてお互いに意見交換をすることができ、それをもとに研究成果報告書(非公開)を作成し、それにより近い将来に研究成果をまとめた書物を刊行するための交渉を出版社と始めることができた。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 2009年04月 - 2014年03月, 研究代表者「苦しみ」、「身体」、「他者」、「性」を基幹のテーマとする本研究は、とくにそれらの交差する、「生殖」、「性差」、「女性的なもの」というより具体的なテーマに焦点を当て、一方で、レヴィナス思想研究においてこれらのテーマの重要性を明らかにするとともに、他方で、フェミニスト思想を参照しつつ、生殖を他なるものと性差、苦しみの観点から考察し、さらには生殖技術の現状や問題点を具体的に把握した上で、当技術の意味や影響などを哲学・倫理学的にどのようにとらえられるかについても考察した。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 東京経済大学, 2007年 - 2009年, 研究分担者本研究は、「エコノミー」という事柄を、その概念史をふまえながら、倫理をめぐる原理的問題として考察し、諸々の研究領域を横断する新たな倫理学的視座を模索することを課題として、研究会等での多様な議論を通じて実施された。その結果、従来十分に明らかにされてこなかった「エコノミー」の概念史に関する包括的な視座を獲得し、その概念的実質について一定の知見を得た。また、そのような知見に依拠しながら、「エコノミー」と倫理をめぐる原理的な諸問題の所在を、いくつかの現代的事象や現代思想等に関わる個々の論点にそくして明らかにした。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 東京大学, 2006年 - 2009年, 研究分担者「因果性と「志向性」という、生成に関する伝統的な二つの原理について、知識や認識に関わる理論的側面、行為や自由・責任につながる実践的側面、そして制度や規範・法に関わる社会的側面の、三つのアスペクトからアプローチをすることによって、説明、理解、合理化、正当化、というおよそ人間の活動であるならいかなる場面にも当てはまる普遍的な事態の構造を解明し、多様な学問領域の橋渡しを行った。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 2006年 - 2008年, 研究代表者悪と苦しみという主題が、他なるものとの関係を探求するレヴィナス思想において、根本的な役割を果たしていることが明らかになった。また、他なるものとの関係という哲学的、倫理学的主題を、主体の身体、とりわけ苦しみを被る身体の観点から考察する重要性を示すことができた。さらに、苦しみや、苦しみの観点から見られた悪という主題は、文献研究に収まらない性格をもつため、倫理学において、文献研究と実践研究を必然的に結びつける主題であることが示された。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 東京大学, 2002年 - 2005年, 研究分担者事実・行為・規範をめぐる知識の実践的意義の研究本研究は、知識や認識の実践的意義を解明し、その社会的、法的、制度的、倫理的なあり方を明らかにすることを研究目的とするものであり、またこれを通じて「自然と人為」という伝統的対比に関する哲学的再検討を行うことを意図するものであった。研究代表者と分担者のそれぞれの研究成果は下記の通りである。 松永澄夫は、知識が規範に関わる場合はどういう場合かを考察し、かつ、知識が習慣と制度の中に固定化されてゆくさまを浮き彫りにした。 天野正幸は、ギリシャ哲学における「ピュシス」並びに「ノモス」概念をめぐる研究を行い、その現代的意義を考察した。 高山守は、まずは「自然」および「生命」の概念を、ドイツ近代思想とりわけヘーゲルの『論理学』の研究ならびに、J.L.マッキーや、B.ラッセル等のイギリス現代の因果論の検討をとおして、根本的に捉え直し、それに基づいて、総じて生きるということ(行為や規範)の意味を問い返した。 一ノ瀬正樹は、確率の哲学、曖昧性、歴史認識、ベイズ的認識論、といった分野において、因果性の問題を絡ませながら、知識生成のプロセスをすぐれて実践的なあり方の中において解明してきた。 平成15年度から研究に加わった榊原哲也は、「自然と人為」の問題に対して、フッサール現象学の「自然と精神」をめぐる問題群からアプローチを試み、フッサールにおいてはこの問題群が、ディルタイや新カント派の哲学者との思想的対決の中で形成されてきたことを明らかにするとともに、「人為」としての哲学の営みの倫理性を明らかにする試みを、フッサールに即して行った。 伊藤美恵子は、カント理論哲学における「自然」と「行為」概念を取り上げ、両概念の関連と理論的基礎について考察した。 中真生は、フランス倫理学、特にレヴィナスとナベールの思想研究を通じて、「苦しみ」と「悪」の関係を明らかにすることができた。
- 本人以外, 2024年01月15日, News - Interviews親とは何かを問いなおす
- 本人以外, 朝日新聞, 2023年10月21日, 7頁(いま聞く)中真生さん 哲学者 「母性」「親であること」の本質は新聞・雑誌
- 夢ラボ☆神戸大学, 2023年10月15日中 真生 人文学研究科・教授(1)(2)テレビ・ラジオ番組
- 本人以外, 毎日新聞, 2023年04月03日, 4頁「生殖」「母性」を哲学する 捉え直す「親」とは新聞・雑誌
- 本人, 神戸新聞, 2021年07月17日, エッセー・評論21世紀の人文学 神戸大学文学部リレーエッセイ 産むことは特別なのか?新聞・雑誌
- 本人, 科研費NEWS vol.4, 2017年, 4頁「生殖」から見る哲学・倫理学ージェンダー・身体・他者をてがかりに