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村井 恭子
大学院人文学研究科 社会動態専攻
准教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(歴史学), 北京師範大学
■ 研究キーワード
  • 吐谷渾
  • 党項
  • 中国史
  • 東洋史
  • 五代
  • 石刻史料
  • 辺境政策
  • オルドス
■ 研究分野
  • 人文・社会 / アジア史、アフリカ史
■ 委員歴
  • 2015年09月 - 2019年08月, 唐代史研究会, 幹事

研究活動情報

■ 論文
  • 唐代契丹の反乱と河北海運使の成立
    村井恭子
    2022年02月, 古畑徹編『高句麗・渤海史の射程ー古代東北アジア史研究の新動向ー』, 125 - 149, 日本語
    論文集(書籍)内論文

  • 村井 恭子(夏歓・韓樹偉:翻訳・校正)
    2019年09月, 唐史論叢, 29(2) (2), 396 - 418, 中国語, 国際誌
    [査読有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 村井 恭子
    2018年09月, 東洋学報, 100(2) (2), 33 - 65, 日本語
    [査読有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 村井 恭子
    中国社会科学出版社, 2016年08月, 董劭偉主編『中華歴史与伝統文化研究論叢』, 2, 159 - 176, 中国語
    [招待有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 河西と代北―九世紀前半の唐北辺藩鎮と遊牧兵―
    村井 恭子
    東洋史研究会, 2015年09月, 東洋史研究, 74(2) (2), 47 - 82, 日本語, パスワードが無い
    [査読有り][招待有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 唐宣宗時期的西北邊境政策試析
    村井 恭子
    2010年12月, 唐研究, 16, 279 - 304, 中国語, パスワードが無い
    [査読有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 村井 恭子
    2009年11月, 文史, 2009(4) (4), 133 - 149, 中国語
    [査読有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 唐代押蕃使的出現和欧亜東部国際形勢的変化
    村井 恭子
    2009年08月, 中國古中世史研究, 22, 55 - 75, 中国語
    [招待有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 九世紀ウイグル可汗国崩壊時期における唐の北辺政策
    村井 恭子
    This article discusses the Tang Dynasty's management of its "frontier," especially its policy on the northern periphery through an examination of its response to the movement south by the Uighur people. Even before the Uighur began to migrate south, the Dynasty's control over the chieftainships on the northern periphery had been weakening, as both troop strength was declining and the supply of horses waning. These are the factors which determined how Tang China first responded to the southern migration of the Uighurs with a policy of appeasement (AD 840-847.7), during which the Tang Dynasty emphasized "friendly" relations with the Uighurs in its dealings with the chieftainships on the northern periphery, while treating them with tolerance as well. It was a time during which military engagement was avoided in the north for the purpose of re-militarization.Then there began a period marked by a Tang military campaign to punish Öge Kehan 鳥介可汗 (842.8-843.1), who had invaded large portions of the northern periphery in migration south. The insufficiencies in military wherewithal in terms of troops and horses were supplied from the chieftainships on the northern periphery. However, not all the chieftainships choose to cooperate. The Tang Dynasty responded accordingly by treating the anti-Uighur chieftainships of Hedong 河東 with tolerance and leeway, while adopting repressive measure stowards the northeastern chieftainships which maintained deep ties with the Uighurs.During that time, the information necessary for the Tang Dynasty to determine and implement such policies was provided by imperial couriers (zhongshi 中使) and local reporters (zoushiguan 奏事官) providing the link between the north and the Tang capital. The Dynasty's directives reached to the troops in the north were also transmitted to the northern chieftainships. These intelligence agents were also charged with surveying the rural conditions of each ethnic group in the region for the purpose of military mobilization. In the end, the Tang Dynasty's policy was successful in utilizing chieftainships on the northern periphery to block the southern migration of the Uighur people. However, later on, both the Tang Dynasty and Tubo 吐蕃 would begin to decline, therefor, it would result in the autonomy of the forces that resided on their northern peripheries of Tang China.
    東洋文庫, 2008年06月, 東洋学報, 第90巻第1号、pp.33-67(1) (1), 33 - 67, 日本語
    [査読有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 村井 恭子
    三秦出版社, 2007年05月, 井上徹・楊振紅編『中日学者論中国古代城市社会』, 148 - 177, 中国語, 国際共著している
    研究論文(学術雑誌)

  • 唐代東北海運与海運使
    村井 恭子
    世界知識出版社, 2006年11月, 張金龍主編『黎虎教授古稀紀念中国古代史論叢』, 718 - 734, 中国語
    [招待有り]
    研究論文(学術雑誌)

  • 村井 恭子
    2003年03月, 東洋学報, 84(4) (4), 29 - 60, 日本語
    [査読有り]
    研究論文(学術雑誌)

■ MISC
  • 中国河套地区東部における吐谷渾・党項関連文物遺跡の調査報告
    村井恭子
    2025年03月, 神戸大学文学部紀要, 52, 29 - 46, 日本語
    速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要)

  • 翻訳:陳寅恪「唐代の蕃将と府兵を論ず」(訳・注)
    村井恭子
    2023年06月, 神戸大学史学年報, (38) (38), 1 - 21, 日本語
    その他


  • 河西与代北: 9世紀前半期的唐北方辺境藩鎮及游牧兵
    村井恭子, (王璐・訳)
    2022年11月, 丝路文明, 7, 173 - 196, 中国語
    速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)

  • 翻訳:黎虎「(抄訳)中国古代史の時代区分および社会性質ー兼ねて中国伝統社会の主要矛盾問題を論ずー」
    村井恭子
    2021年12月, 大阪市立大学東洋史論叢, (21) (21), 3 - 41, 日本語
    その他

  • 翻訳:黎虎「和親女性の常駐使節としての機能 —漢代を中心にー」
    村井恭子
    2021年06月, 神戸大学史学年報, 36, 1 - 24, 日本語
    その他

  • 村井恭子, 市来弘志
    2021年03月, 神戸大学文学部紀要, 48, 147 - 187, 日本語
    その他

  • 村井 恭子
    2019年06月, 西域文史, 13, 123, 中国語

  • 村井 恭子
    2018年03月, 村井恭子(編)『文物考古資料による唐~宋代オルドス地域の歴史的構造の研究』(平成27~29年度科学研究費補助金(基盤研究C)成果報告書), 1-24, 日本語
    その他

  • 翻訳:栄新江著「トゥルファン出土『金光明経』写本題記と高昌への祆教伝来」
    村井 恭子
    2016年03月, シルクロードと近代日本の邂逅, 25 - 47, 日本語
    その他

  • 書評:栗原益男著『唐宋変革期の国家と社会』
    村井 恭子
    唐代史研究会, 2015年08月, 唐代史研究, (18) (18), 145 - 151, 日本語
    [招待有り]
    書評論文,書評,文献紹介等

  • 翻訳:栄新江「「蘭亭序」および「尚想黄綺」帖の西域における流伝」
    村井 恭子
    2014年06月, 高田時雄教授退職記念東方学研究論集, 日英文分冊, 89 - 104, 日本語
    その他

  • 書評:森部豊著『ソグド人の東方活動と東ユーラシア世界の歴史的展開』
    村井 恭子
    唐代史研究会, 2011年08月, 唐代史研究, (14) (14), 117 - 123, 日本語
    [招待有り]
    書評論文,書評,文献紹介等

  • 2010年の歴史学界 ― 回顧と展望 (東アジア 中国 隋唐 担当)
    村井 恭子
    史学会, 2011年06月, 史学雑誌, 120(5) (5), 207 - 214, 日本語
    [招待有り]
    記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)

■ 書籍等出版物
  • 歴史の見方・考え方2 ー史料から広がる歴史学
    佐藤, 昇, 神戸大学文学部史学講座
    共著, [第Ⅰ部・視点3 ]ある公主の不運 ー中国唐代の和蕃公主, 山川出版社, 2023年10月, 日本語, ISBN: 9784634640993

  • アジア人物史 第2巻 ー世界宗教圏の誕生と割拠する東アジア
    李, 成市ほか
    分担執筆, [第5章] 王朝の興亡と皇后の運命 ー隋唐革命, 集英社, 2023年02月, 日本語, ISBN: 9784081571024
    一般書・啓蒙書

  • 高句麗・渤海史の射程 ー古代東北アジア史研究の新動向ー
    古畑徹, 井上直樹, 植田喜兵成智, 中澤寛将, 中村亜希子, 村井恭子, 渡辺健哉
    共著, 汲古書院, 2022年02月, ISBN: 4762967076

  • 汲古叢書168 ソグドから中国へ ―シルクロード史の研究― (汲古叢書 168)
    栄 新江
    共訳, 汲古書院, 2021年11月, 日本語, ISBN: 4762960675

  • 歴史の見方・考え方 ー大学で学ぶ「考える歴史」
    佐藤, 昇, 神戸大学文学部史学講座
    共著, [第Ⅲ部・視点10]無名の人の歴史を研究するには ー死者の履歴書, 中国唐代の墓誌, 山川出版社, 2018年05月, 日本語, ISBN: 9784634640894

  • 共著, 三秦出版社(西安), 2007年05月, 中国語, 国際共著している
    学術書

  • 共著, 世界知識出版社(北京), 2006年10月, 中国語, 国際共著している
    学術書

■ 講演・口頭発表等
  • 唐延州安塞軍再考ー以吐谷渾蓬氏部落与李如暹為中心
    村井恭子
    第三届古代中国政治与社会文化学術研討会(中山大学百年校慶歴史学系学術研討会), 2024年08月, 中国語
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 陝西省および甘粛・青海省の吐谷渾・党項関連文物遺跡の調査報告
    村井恭子
    第57回中国中古史研究会(中国古代石刻史料研究会), 2024年02月, 日本語
    口頭発表(一般)

  • 朔方軍解体期の朔方軍蕃部の動向: 延州安塞軍の事例
    村井恭子
    唐代史研究会夏期シンポジウム, 2023年08月, 日本語
    口頭発表(一般)

  • 吐谷渾史研究の現状:新たな考古遺物の発見を中心に
    村井恭子
    第57回野尻湖クリルタイ, 2021年07月, 日本語
    口頭発表(一般)

  • 唐代契丹の反乱と河北海運使の成立
    村井恭子
    第5回 金毓黻と東北アジア史研究会, 2020年09月, 日本語
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 漠北回鶻可汗世系問題与唐宋漢籍――懐信与保義之間
    村井 恭子
    中国唐史学会第十三届曁”唐代中国与世界”国際学術研討会, 2018年11月, 中国語, 浙江大学, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 唐末五代オルドス・河東の 党項・吐谷渾関係石刻史料 ──研究状況の紹介と考察──
    村井 恭子
    「文物考古資料による唐~宋代オルドス地域の歴史的構造の研究」科研研究班・中央ユーラシア学研究会共催ワークショップ(第60回中央アジア学フォーラム), 2017年07月, 日本語, 大阪大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 懐信と保義の間-ウイグル可汗冊立関係記事の再検討-
    村井 恭子
    中央アジア学フォーラム, 2016年07月, 日本語, 大阪大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 中国史相対化的動向与圍繞日本唐史研究的情況
    村井 恭子
    東部ユーラシアの視野からみた中国中古史の転換点と新時代区分の可能性, 2016年01月, 中国語, ソウル大学, 国際会議
    口頭発表(一般)

  • 藩鎮と羈縻州――九世紀前半の京西京北・河東藩を中心に
    村井 恭子
    2014年度唐代史研究会夏期シンポジウム「東アジア史研究の新展開―史料論を中心に―」, 2014年08月, 日本語, 強羅 静雲荘, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(一般)

  • 「王宰墓誌」と唐宣宗期党項征討の展開
    村井 恭子
    第51回中央アジア学フォーラム, 2014年07月, 日本語, 大阪大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • “河西”与“代北”——中晚唐朝廷对代北势力的运用
    村井 恭子
    国际汉学第26次学术报告会, 2013年09月, 中国語, 北京大学国际汉学家研修基地, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 九世紀中葉唐北邊的情況
    村井 恭子
    第六届 中国中古史青年学者聯誼会, 2012年08月, 中国語, 復旦大学歴史学系, 国際会議
    口頭発表(招待・特別)

  • 九世紀における唐朝の辺境政策―八四〇年を画期として―
    村井 恭子
    東洋史研究会大会, 2011年11月, 日本語, 東洋史研究会, 京都大学文学部新館第三講義室, 国内会議
    口頭発表(招待・特別)

  • 唐・南遷ウイグル抗争関連墓誌とその情況について
    村井 恭子
    第4 回 中国石刻合同研究会, 2011年07月, 日本語, 明治大学東アジア石刻文物研究所, 中国中世研究者フォーラム, 漢魏石刻の会, 日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究B・代表氣賀澤保規), 明治大学アカデミーコモン 地階 博物館教室, 国内会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 唐宣宗期の西北辺境政策
    村井 恭子
    唐宋社会における文化力(大阪市立大学・上海師範大学共同セミナー), 2010年06月, 日本語, 大阪市立大学, 上海師範大学, 大阪市立大学文学部, 国際会議
    口頭発表(招待・特別)

  • 唐・吐蕃・ウイグル三国鼎立時期における唐西北辺境の情勢
    村井 恭子
    第37回中央アジア学フォーラム, 2009年10月, 日本語, 龍谷大学, 国内会議
    口頭発表(一般)

  • 唐代押蕃使的出現和欧亜東部国際形勢的変化
    村井 恭子
    古中世 동북아시아에서의 境界와 領域問題, 2009年06月, 中国語, 中国古中世史学会(韓国), 韓国ソウル市ソウル大学, 国際会議
    [招待有り]
    口頭発表(招待・特別)

  • 东亚三国鼎立时期唐西北边境的情况 ―以《李良仅墓志铭》为中心
    村井 恭子
    古都长安与隋唐文明国际学术研讨会, 2008年07月, 中国語, 中国唐史学会, 陝西師範大学歴史文化学院, 陝西師範大学, 国際会議
    その他

■ 所属学協会
  • 唐代史研究会

  • 東洋史研究会

  • 東方学会

  • 遼金西夏史研究会

  • 魏晋南北朝史研究会

■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 高句麗・渤海史像の再構築についての総合的研究
    古畑 徹, 古市 大輔, 足立 拓朗, 小林 信介, 安部 聡一郎, 吉永 匡史, 小嶋 芳孝, 井上 直樹, 赤羽目 匡由, 植田 喜兵成智, 渡辺 健哉, 毛利 英介, 村井 恭子, 中村 和之, 小宮 秀陵, 浜田 久美子, 篠崎 敦史, 覚張 隆史
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(A), 金沢大学, 2023年04月01日 - 2028年03月31日

  • 多言語資料からみる吐谷渾史の基礎研究
    村井 恭子
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2021年04月 - 2024年03月, 研究代表者
    本研究は、古代チベット語・テュルク語など非漢語史料や敦煌文献など特殊史料を扱う研究協力者と協同し、吐谷渾に関連する史料を収集して学界に提供するとともに、それらを用いて4~11世紀における吐谷渾史の全体像を再構築することを目的とするものである。 2021年度においては、まず研究代表者および研究協力者4名とZoomによる遠隔会議を複数回開催し、メンバーそれぞれの専門領域における吐谷渾関連の史料にどのようなものがあるのかをリストアップしてもらい、重要性の高い史料から検討していくことにした。さらに、このメンバーでおおむね月に1回のペースで、従来検討不十分であった『旧唐書』吐谷渾伝の訳注作業を進めている。本訳注作業は、中国史のみならず、チベット史関連の二次文献にも注意するかたちで行っている。 そのほか、中国学界の動向や関連遺跡について情報を収集した。近年中国本土では、吐谷渾に関して、青海省都蘭熱水墓群の2018血渭一号墓・青海湖近辺の伏俟城遺跡・甘粛省武威吐谷渾王陵墓群において、新出墓誌を含む新たな考古遺物の発見や遺跡・考古遺物の調査結果の公表が相次ぎ、関連学会では大きな盛り上がりを見せている。この状況について、親交のある中国人研究者に助力を仰ぎ、最新情報を収集・整理して日本アルタイ学会主催の学会(第57回野尻湖クリルタイ)において各遺跡・遺物の具体的状況および中国の調査状況について報告・紹介を行った。なかでも2019年に甘粛省武威の吐谷渾王陵から発見された吐谷渾王族慕容智墓誌(則天武后期)の全文が公開されたこと、その後さらに近辺から新たな親族の墓陵が発見されその墓誌石が得られたことは、吐谷渾史にさらなる重要な史料が追加されたという点で注目に値する。後者についてはまだ全文未公開の状況であるが、慕容智墓誌とともに本研究で検討を加えていく予定である。

  • 高句麗・渤海を東部ユーラシア史に位置づけるための基礎的研究
    古畑 徹, 小嶋 芳孝, 毛利 英介, 吉永 匡史, 古市 大輔, 小林 信介, 村井 恭子, 植田 喜兵成智, 渡辺 健哉, 赤羽目 匡由, 中村 亜希子, 覚張 隆史, 中村 和之, 井上 直樹, 足立 拓朗
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 金沢大学, 2020年04月 - 2023年03月, 研究分担者
    本研究課題では、①高句麗・渤海と「東部ユーラシア」諸地域、とりわけ看過されてきたモンゴリアとの関係を具体的・実証的に明らかにすること、②7世紀以降、現代に至るまでの「東部ユーラシア」諸地域において、高句麗や渤海がどのように認識されてきたかを、可能な限り具体的に示すことを、3年間の目標として設定した。今年度は、この目標に向けての基礎的な史料・資料収集や、関係各国における研究状況についての情報収集を行う予定であったが、コロナ禍による移動制限で、どちらも十分に実施できなかった。そのため、今までに集めた情報を集約して、研究発表や論稿化することに力を注ぐことに初年度の計画を変更した。また、コロナ禍で延期になった二国間交流事業(セミナー)「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」を3月に実施予定であったが、コロナ禍が続き中止となった。それでも、準備のためのオンライン研究会を実施し、さらに中止の代わりに日中研究者会議のために集めた論稿の出版計画を立て、出版社を押さえることができた。この成果公開は、次年度となる。 本年度の研究実績として特にみるべきは、研究課題①である。代表者である古畑によって、渤海と「東部ユーラシア諸地域」の具体的な関係を示す実証的な研究成果が公表され、なかでも古畑徹「靺鞨・渤海はなぜ「北狄」なのか」(『東方学』140、2020年7月)は本研究課題の核心についての最も重要な成果である。また、同『渤海国と東アジア』(汲古書院、2021年2月)では、序論で東部ユーラシア史という広域史概念についての簡単な整理が行われるとともに、渤海とモンゴリアの遊牧勢力との有機的な連関の具体例が第2部の各章で示された。このほか多数の研究分担者・研究協力者が研究課題①②に関連する研究発表を行っており、それらの多くは次年度に論稿化される予定である。

  • 村井 恭子
    日本学術振興会, 学術研究助成基金助成金/国際共同研究加速基金(国際共同研究強化), 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化), 神戸大学, 2018年 - 2021年, 研究代表者
    本研究は主に西安・北京を拠点として、とくに近年新たに発見された唐~宋代のオルドスに居住した遊牧民(吐谷渾・タングートなど)の活動に関する石刻など漢語史料の現地調査・整理・解読を基礎的作業とするものである。 2020年3月の渡航を断念した後も新型コロナウイルスの流行が収束せず、受け入れ機関である北京大学は今年度も外国人研究者の受け入れを停止したままで渡航はかなわなかった。共同研究者の一人である市来氏も依然として中国に戻れない状況である。このため、メールなどの連絡手段を通じ、もう一人の共同研究者である栄新江氏や、市来氏と親交のある中国人研究者などから本研究に関連する最新情報を収集することに努めた。中国ではとくに吐谷渾に関して青海省都蘭熱水墓群・伏俟城遺跡・甘粛省武威吐谷渾王陵墓群のにおいて、新出墓誌を含む新たな発見や遺跡・考古遺物の調査結果の公表が相次ぎ、関連学会では大きな盛り上がりを見せた。中国に渡航できなかったことが非常に悔やまれるところであるが、この状況について上記中国側の助力のもと最新情報を収集・整理して日本アルタイ学会主催の学会において報告・紹介した。国際学術交流の方面では、中国側から2015年既発表のタングートに関する論文について中国で公表したいという要請があり、陝西省博物院の研究員王路氏の協力のもと中国語版を作成し著名学術誌に寄稿中である。 新たな状況としては、今年度末になって北京大学から外国人研究者の受け入れを再開した旨の連絡を受け、その手続きを行っているところである。北京大学内部の許可はすでに得ているのだが、現在は北京市長の許可も必要となっているために時間を要している。新型コロナウイルスの感染状況が悪化しなければ2022年8月より渡航可能となるはずである。現在、共同研究者の栄新江氏・市来氏とそれぞれ連絡を取り、関連の情報を継続調査しつつ渡航に向けて準備している。
    競争的資金

  • 村井 恭子
    日本学術振興会, 学術研究助成基金助成金/基盤研究(C), 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化), 神戸大学, 2015年04月 - 2018年03月, 研究代表者
    本研究は主に西安・北京を拠点として、とくに近年新たに発見された唐~宋代のオルドスに居住した遊牧民(吐谷渾・タングートなど)の活動に関する石刻など漢語史料の現地調査・整理・解読を基礎的作業とするものである。 2020年3月の渡航を断念した後も新型コロナウイルスの流行が収束せず、受け入れ機関である北京大学は今年度も外国人研究者の受け入れを停止したままで渡航はかなわなかった。共同研究者の一人である市来氏も依然として中国に戻れない状況である。このため、メールなどの連絡手段を通じ、もう一人の共同研究者である栄新江氏や、市来氏と親交のある中国人研究者などから本研究に関連する最新情報を収集することに努めた。中国ではとくに吐谷渾に関して青海省都蘭熱水墓群・伏俟城遺跡・甘粛省武威吐谷渾王陵墓群のにおいて、新出墓誌を含む新たな発見や遺跡・考古遺物の調査結果の公表が相次ぎ、関連学会では大きな盛り上がりを見せた。中国に渡航できなかったことが非常に悔やまれるところであるが、この状況について上記中国側の助力のもと最新情報を収集・整理して日本アルタイ学会主催の学会において報告・紹介した。国際学術交流の方面では、中国側から2015年既発表のタングートに関する論文について中国で公表したいという要請があり、陝西省博物院の研究員王路氏の協力のもと中国語版を作成し著名学術誌に寄稿中である。 新たな状況としては、今年度末になって北京大学から外国人研究者の受け入れを再開した旨の連絡を受け、その手続きを行っているところである。北京大学内部の許可はすでに得ているのだが、現在は北京市長の許可も必要となっているために時間を要している。新型コロナウイルスの感染状況が悪化しなければ2022年8月より渡航可能となるはずである。現在、共同研究者の栄新江氏・市来氏とそれぞれ連絡を取り、関連の情報を継続調査しつつ渡航に向けて準備している。
    競争的資金

  • 小尾 孝夫, 佐川 英治, 渡邉 将智, 戸川 貴行, 会田 大輔, 岡部 毅史, 齊藤 茂雄, 永田 拓治, 岡田 和一郎, 村井 恭子
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 2014年04月 - 2017年03月, 研究分担者
    従来、魏晋南北朝の政治史は、多くの場合、正史の影響を強く受け、各王朝史の枠組みのなかで論じられてきた。本研究では、こうしたかつての枠組みではなく、より大きな歴史的な視野での東部ユーラシア史のなかでその政治史を論じ直すことを目指した。そうしたなかで、各時代において、戦争、移民、交易、文化交流などが各王朝の政治に与えた影響を具体的に検証するとともに、一見国内的な政治事件に見える事件の背後に王朝の枠を超えた多元的な世界の影響のあることを確認してきた。また、魏晋南北朝通史の新しい時期区分についても提案した。

  • 緒形 康
    日本学術振興会, 学術研究助成基金助成金/挑戦的萌芽研究, 挑戦的萌芽研究, 神戸大学, 2011年 - 2012年
    「威信言語」と「共通言語」の概念にもとづき、地域の文化的アイデンティティーを有した多文化共同体としての16~19世紀アジア史を再構成した。漢語・アラビア語などの威信言語が共通言語へと内部再編された文化圏と、マレー語・ペルシャ語などの威信言語が植民地化の危機の中で消滅し、インドネシア語、インド土着言語、英語などの新たな共通言語が誕生した文化圏の2つについての初歩的な考察を行った。
    競争的資金

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