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検索詳細宮下 規久朗大学院人文学研究科 社会動態専攻教授
研究者基本情報
■ 学位■ 研究キーワード
■ 研究分野
■ 委員歴
- 2024年01月 - 現在, 国立西洋美術館 令和6年度第1回美術作品購入等選考委員会選考委員
- 2022年05月 - 現在, 明治美術学会, 理事
- 2015年04月 - 現在, 徳島県立近代美術館, 収集専門委員
- 2012年01月 - 現在, 国立国際美術館, 収集作品選考委員
- 1999年06月 - 現在, 美術史学会, 常任委員
- 2018年08月 - 2019年07月, 日本学術振興会化学研究費委員会, 専門委員
- 2015年08月 - 2016年07月, 日本学術振興会特別研究員等審査会, 専門委員
- 2006年08月 - 2015年07月, 日本学術会議, 連携会員
- 1997年11月 - 2012年03月, 西宮市大谷記念美術館, 運営委員
- 2002年07月 - 2011年07月, 文化資源学会, 理事
- 2009年01月 - 2010年01月, 国立大学法人総合研究大学院大学グローバルCOEプログラム評価部会, 委員
- 2004年10月 - 2009年09月, 国立民族学博物館, 共同研究員
- 2006年07月 - 2009年07月, 『西洋美術研究』, 編集委員
- 1997年04月 - 2003年03月, 加西市史編纂委員会文化財部, 専門委員
- 1997年12月 - 2001年04月, 大阪市海洋博物館(仮称)展示美術品評価委員会, 委員長
- 1997年05月 - 1998年05月, 豊中市教育委員会文化総合施設, 専門委員
研究活動情報
■ 受賞- 2005年12月 サントリー文化財団, サントリー学芸賞, 『カラヴァッジョ-聖性とヴィジョン』
- 2005年06月 地中海学会, 地中海学会ヘレンド賞, 『カラヴァッジョ-聖性とヴィジョン』
- 1999年12月 鹿島美術財団, 鹿島美術財団賞, 論文「『移行期』のローマ画壇とカラヴァッジオ」
- 2024年03月, 記憶と芸術―ラビリントスの谺, 90 - 121, 日本語歴史画と集合的記憶[招待有り]論文集(書籍)内論文
- 2021年12月, 学術の動向, 26(12) (12), 58 - 62, 日本語パンデミックと美術研究論文(学術雑誌)
- 2021年04月, 須田記念 視覚の現場, (4) (4), 43 - 46, 日本語疫病と聖母-バロック時代のイタリアを中心に研究論文(学術雑誌)
- 2019年09月, バスキア展メイド・イン・ジャパン, 日本語ジャン=ミシェル・バスキアの美術史的位置[招待有り]論文集(書籍)内論文
- 2018年09月, イメージ制作の場-西洋近世・近代美術史における図像学と美術理論, 169 - 188, 日本語召命と否認-伝サラチェーニ《聖ペテロの否認》をめぐって論文集(書籍)内論文
- 2018年09月, 世界, 912, 216 - 223, 日本語刺青と日本文化-危機に瀕する伝統美[招待有り]
- 2017年11月, ヴァザーリ 美術家列伝, 503 - 510, 日本語ヴァザーリとカトリック改革論文集(書籍)内論文
- 2017年02月, 文藝春秋スペシャル, 48 - 55, 日本語ルネサンスを破壊した宗教改革
- 早稲田大学文学学術院, 2016年11月, 公開国際シンポジウム報告集 ベラスケスとバロック絵画:影響と同時代性、受容と遺産, 7 - 18, 日本語ベラスケスとカラヴァッジェスキ[招待有り]研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
- 中央公論美術出版, 2013年03月, 美術史歴参, 日本語仰ぎ見る裸婦—近代ヌードの一典型の系譜研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 関西学院大学神学部, 2013年03月, 神学研究, (60) (60), 103 - 115, 日本語カラヴァッジョとキリスト教—可視化された回心と奇蹟[招待有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 岩波書店, 2010年09月, 文学(岩波書店), 第11巻・第5号、9・10月号、225-247頁(5) (5), 225 - 247, 日本語美術における草案の諸相[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 三元社, 2009年12月, 西洋美術研究, 第15号、137-153頁(15) (15), 137 - 153, 日本語アンディ・ウォーホル作品における聖と俗[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2009年08月, 美術手帖, 927号、64-69頁, 日本語アウトローの刻印-刺青の血脈研究論文(学術雑誌)
- 2009年03月, Aube 比較藝術学, 4/5合併号、87-104頁, 日本語食と西洋美術研究論文(学術雑誌)
- 2006年06月, 月刊みんぱく, 6月号・8-11頁, 日本語墓場としてのミュージアム[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2005年12月, 近代画説, 14号・35-45頁, 日本語美術史における回顧[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2005年09月, ミラノ展カタログ, 20-22頁, 日本語聖俗の食卓-レオナルドからチェルーティまで[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 醍醐書房, 2004年07月, 美術フォーラム21, 10(10) (10), 69 - 78, 日本語発酵するイコン—かくれキリシタン聖画考[招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 神戸大学美術史研究会, 2004年02月, 美術史論集, (4) (4), 15 - 26, 日本語カラヴァッジョ最初期の作品《果物を剥く少年》について[査読有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 三元社, 2001年03月, 西洋美術研究, (5) (5), 77 - 92, 日本語カラヴァッジオの身振り[査読有り][招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 美術史学会, 2000年10月, 美術史, 50(149) (149), 64 - 78, 日本語犠牲の血—カラヴァッジオ《洗礼者ヨハネの斬首》の図像解釈[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 神戸大学文学部, 2000年03月, 五十周年記念論集, 日本語救済への待望—カラヴァッジオの二点の《洗礼者ヨハネ》をめぐって研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 鹿島美術財団, 1999年03月, 鹿島美術研究, (15) (15), 182 - 186, 日本語「移行期」のローマ画壇とカラヴァッジオ[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 三元社, 1999年03月, 西洋美術研究, (1) (1), 182 - 186, 日本語ベルガモ、ロレンツォ・ロット展—「放浪の天才」へのまざざし[査読有り][招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 美術出版社, 1992年11月, 美術史の六つの断面, 日本語切られた首の自画像—カラヴァッジオ『ダヴィデとゴリアテ』をめぐって研究論文(学術雑誌)
- 日仏美術学会, 1991年03月, 日仏美術学会会報, (10) (10), 19 - 40, 日本語カラヴァッジオ《パレルモの生誕》について[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 三彩社, 1990年09月, 三彩, 517、518, 75 - 83 60-68, 日本語裸体表現の変容[査読有り][招待有り]研究論文(学術雑誌)
- 2018年04月, Art Library, (19) (19), 3 - 9, 日本語ベルニーニの総合芸術[招待有り]記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- 2011年10月, 芸術新潮, 2011年11月号、10-91頁, 日本語ヴェネツィア 海の都の美をめぐる記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- 尼崎市総合文化センター, 2005年05月, 櫻井忠剛と関西洋画の先駆者たち, 8 - 11, 日本語櫻井忠剛の位置[招待有り]その他
- 2005年02月, 歴史学事典 王と国家, 12巻, 日本語宮廷建築[査読有り]記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- 神戸大学, 2000年03月, 紀要, 27, 143 - 163, 日本語福音への待望 : カラヴァッジオの2点の<洗礼者ヨハネ>をめぐって
- 新潮社, 1993年04月, 芸術新潮, 44(5) (5), p57 - 67, 日本語近代日本裸体画史[招待有り]記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- 2024年07月, ISBN: 9784334103781名画の力
- 放送大学教育振興会, 2024年03月, 日本語, ISBN: 9784595324550西洋の美学・美術史
- 光文社, 2024年02月, 日本語, ISBN: 9784334102203食べる西洋美術史 : 「最後の晩餐」から読む
- 筑摩書房, 2024年01月, 日本語, ISBN: 9784480512284日本の裸体芸術 : 刺青からヌードへ
- 単著, 中央公論新社, 2023年10月, 日本語, ISBN: 9784121027764バロック美術 : 西洋文化の爛熟
- 共著, 第5章 バロック、ロココ, カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社美術出版社書籍編集部,美術出版社 (発売), 2021年12月, 日本語, ISBN: 9784568389081西洋美術史
- 単著, 光文社, 2021年10月, 日本語, ISBN: 9784334045685名画の生まれるとき
- 共著, PHP研究所, 2021年06月, 日本語, ISBN: 9784569849447美術は宗教を超えるか
- 単著, 筑摩書房, 2021年06月, 日本語, ISBN: 9784480074010聖母の美術全史 : 信仰を育んだイメージ
- 単著, 小学館, 2021年03月, 日本語, ISBN: 9784096823590カラヴァッジョ原寸美術館 : 100%Caravaggio!
- 単著, 宝島社, 2021年03月, 日本語, ISBN: 97842990043901時間でわかるカラヴァッジョ
- 筑摩書房, 2020年02月, 日本語, ISBN: 9784480683694カラヴァッジョ《聖マタイの召命》 : 一枚の絵で学ぶ美術史
- 監修, ブルーシープ, 2019年09月, ISBN: 9784908356100バスキア展 : メイド・イン・ジャパン
- 編者(編著者), ブルーシープ, 2019年09月, ISBN: 9784908356094バスキア・ハンドブック
- 単著, 宝島社, 2019年06月, 日本語, ISBN: 9784800294883世界の一流が必ず身につけている西洋美術の見方
- 小学館, 2019年03月, 日本語, ISBN: 9784096822746そのとき、西洋では : 時代で比べる日本美術と西洋美術
- 単著, 宝島社, 2018年11月, 日本語, ISBN: 97848002872671時間でわかる西洋美術史
- 単著, 岩波書店, 2018年05月, 日本語, 宗教改革がもたらした西洋美術の大断層と,その亀裂に浸透していった美術家たちの水脈をたどる論集., ISBN: 9784000612524学術書
- 単著, 光文社, 2018年01月, 日本語, 初めてのイスラエルで訪ね歩いたキリストの事蹟から、津軽の供養人形まで、美術の本質を見つめ続けた全35編。, ISBN: 9784334043315一般書・啓蒙書
- 単著, 岩波書店, 2016年06月, 日本語, 水の都ヴェネツィアは,たぐい稀な「美の都」でもある.千年以上にわたり独立を保ち「アドリア海の女王」と呼ばれた都市国家は,ティツィアーノらの天才画家を生み,ヨーロッパ中から一流芸術家が集まった.町のあちこちに息づき,いまも新しさを加えている建築や美術を切り口に,ヴェネツィアの歴史と魅力を存分に紹介する., ISBN: 9784004316084一般書・啓蒙書
- 湖南人民出版社, 2016年05月, 中国語, ISBN: 9787556113354这幅画原来要看这里
- 単著, 岩波書店, 2016年05月, 日本語, 古代から近代の西洋美術と日本美術における光と闇の相克の歴史を,カラヴァッジョ研究の第一人者が読み明かす., ISBN: 9784000253567学術書
- 単著, 筑摩書房, 2015年12月, 日本語, 西洋美術を鑑賞するには、人物の身振りやそこに込められた意味について知っておくことが重要だ。有名な《最後の晩餐》や《受胎告知》も、よく観察すると、描かれた個々の人物の異なる身振りがそれぞれ別の感情を表すことに気づく。知らないと見過ごしてしまうこれらの身振りや動作に注目すると、絵の中の「物語」が鮮明に見えてくる。, ISBN: 9784480433183一般書・啓蒙書
- 単著, 筑摩書房, 2015年07月, 日本語, 美術館でよく見かける絵に描かれた50のテーマ(=モチーフ)を手掛かりに、美術を読み解く画期的な名画鑑賞入門。中世から近現代までの代表的な西洋絵画をはじめ、壁画や国宝の襖絵まで和洋幅広いジャンルを網羅。これであなたも美術通!美術館に行くのが楽しくなる。, ISBN: 9784480432841一般書・啓蒙書
- 単著, 光文社, 2015年06月, 日本語, 美術は、単に優雅な趣味の対象ではなく、社会や文化全般に強く関係する。政治経済と深く関わり、生老病死を彩り、人の欲望や理想を反映する――。西洋でも東洋でも、美術は歴史の局面で重要な役割を果たしてきた。そんな美術の誘惑についての、一期一会の物語。, ISBN: 9784334038649一般書・啓蒙書
- 共編者(共編著者), 中央公論美術出版, 2014年02月, 日本語, ISBN: 9784805516010美術家列伝 第5巻
- 単著, 筑摩書房, 2013年07月, 日本語, たとえばあなたが実際に美術館に出かけて目にした、これまで見たことのない中世の西洋絵画を即座に読み解くにはどうすればいいだろうか。本書は、絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書である。西洋絵画だけでなく、日本を含む東洋の美術や現代美術にも言及している。, ISBN: 9784480430762一般書・啓蒙書
- 単著, 光文社, 2013年05月, 日本語欲望の美術史一般書・啓蒙書
- 単著, 幻冬舎, 2012年09月, 日本語知識ゼロからのルネサンス絵画入門一般書・啓蒙書
- 共著, 新潮社, 2012年05月, 日本語ヴェネツィア物語一般書・啓蒙書
- 共著, 美術出版社, 2012年03月, 日本語ヌードの美術史一般書・啓蒙書
- 単著, 角川学芸出版, 2012年01月, 日本語知っておきたい世界の名画一般書・啓蒙書
- 単著, 小学館, 2011年06月, 日本語フェルメールの光とラ・トゥールの焔ー「闇」の西洋絵画史一般書・啓蒙書
- 単著, 日本経済新聞出版社, 2010年10月, 日本語裏側からみた美術史一般書・啓蒙書
- 共著, 新潮社, 2010年10月, 日本語三島由紀夫の愛した美術一般書・啓蒙書
- 単著, ナツメ社, 2010年08月, 日本語不朽の名画を読み解く一般書・啓蒙書
- 単著, 光文社, 2010年04月, 日本語ウォーホルの芸術―20世紀を映した鏡一般書・啓蒙書
- 共著, 放送大学教育振興会, 2010年03月, 日本語社会の中の芸術一般書・啓蒙書
- 単著, 新潮社, 2010年02月, 日本語カラヴァッジョ巡礼一般書・啓蒙書
- 共著, 弘学社, 2009年12月, 日本語宗教と文学ー神道・仏教・キリスト陜一般書・啓蒙書
- 単著, 東京美術, 2009年12月, 日本語もっと知りたいカラヴァッジョー生涯と作品一般書・啓蒙書
- 共著, 水声社, 2009年09月, 日本語展示の政治学学術書
- 바다출판사, 2009年, 朝鮮語, ISBN: 9788955615012맛있는 그림 : 혀끝으로 읽는 미술 이야기
- 単著, 日本放送出版協会, 2008年04月, 日本語刺青とヌードの美術史―江戸から近代へ学術書
- 単著, 小学館, 2008年03月, 日本語モディリアーニ―モンパルナスの伝説一般書・啓蒙書
- 共著, 新潮社, 2008年03月, 日本語モディリアーニの恋人一般書・啓蒙書
- 単著, 角川書店, 2007年09月, 日本語カラヴァッジョへの旅学術書
- 共著, 東京堂出版, 2007年05月, 日本語レオナルド・ダ・ヴィンチの世界学術書
- 単著, 光文社, 2007年01月, 日本語食べる西洋美術史学術書
- 単著, 小学館, 2006年11月, 日本語カラヴァッジョその他
- 単著, 山川出版社, 2006年11月, 日本語イタリア・バロック-美術と建築学術書
- 共著, 武蔵野美術大学出版局, 2006年04月, 日本語西洋美術史学術書
- 共著, 尼崎市総合文化センター, 2005年05月, 日本語『櫻井忠剛と関西洋画の先駆者たち』展カタログ学術書
- 単著, 名古屋大学出版会, 2004年11月, 日本語カラヴァッジョ-聖性とヴィジョン学術書
- 単著, 山川出版社, 2003年10月, 日本語バロック美術の成立学術書
- 共著, 岩波書店, 2003年01月, 日本語表徴と芸能(「天皇と王権を考える」6巻)学術書
- 共著, 人文書院, 2001年10月, 日本語カラヴァッジョ鑑学術書
- 監修, 朝日新聞社, 2001年09月, 日本語カラヴァッジョ 光と影の巨匠 バロック絵画の先駆者たち学術書
- 共著, 勉誠出版, 2001年03月, 日本語世界の中の三島由紀夫学術書
- 共著, 東京堂出版, 2000年06月, 日本語イタリア・ルネサンス美術論学術書
- 単著, トレヴィル, 1996年08月, 日本語ティエポロ一般書・啓蒙書
- 共著, 朝日新聞社, 1996年04月, 日本語アンディ・ウォーホル1956-86:時代の鏡一般書・啓蒙書
- 共著, 講談社, 1993年05月, 日本語バロックの闇と光一般書・啓蒙書
- 共著, ぺりかん社, 1992年12月, 日本語幕末・明治の画家たち学術書
- 共著, 洋泉社, 1992年04月, 日本語バロック的一般書・啓蒙書
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2019年04月01日 - 2024年03月31日カトリック改革における幻視表現の成立と展開に関する研究今年度は、幻視表現に関連する資料を収集し、とくに聖母の図像と祭壇画の機能について調査した。 2020年3月初旬にはベルギーとドイツに赴き、多くの美術館と教会、図書館を訪れ、初期ネーデルラント絵画から17世紀バロック絵画までの作品と関連資料を調査した。祭壇画と空間、作品と観者との関係について、ヘントのシント・バーフ聖堂にあるファン・エイクの「ヘント祭壇画」、ルーヴェンのシント・ペトルス聖堂にあるディルク・バウツの「聖餐祭壇画」、ケルン大聖堂のシュテファン・ロッホナーの「大聖堂祭壇画」について詳細に調査し、ヘントでは大規模なファン・エイク展も見て、初期ネーデルラント絵画の写実性と聖性について考えることができ、得るものが大きかった。そのほかこの出張では、ケルンの聖母被昇天聖堂で、ゴシック建築とバロック様式の接続の様態を調査し、同地の聖ウルスラ聖堂では膨大な聖遺物と展示空間について、またブリュッセルの聖カタリナ聖堂では黒い聖母の展示と民間信仰について考えることができた。いずれも、像のある空間が信者にいかにして聖なる存在を近くさせうるかという問題にとって示唆的であった。 また、幻視とも関係する「召命」の表現と意味について考察した。とくにカラヴァッジョの《聖マタイの召命》についての諸問題(マタイ問題)をめぐって、宗教改革の争点となった予定説と自由意志との関係から新たな解釈を試み、さらに召命と回心や殉教との関係などについて考えたことを、著書『カラヴァッジョ《聖マタイの召命》』(筑摩書房、2020年2月)にまとめて出版することができた。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(B), 基盤研究(B), 早稲田大学, 2018年04月01日 - 2022年03月31日日本における西洋宗教美術受容史再構築の試み―16世紀から19世紀まで2018年9月に長崎県内で実施した合同調査をふまえ、各自が国内外で研究調査を進めた。特に、トレント公会議後のカトリック教会の指針を反映したキリシタン図像と日本のキリシタン独自の図像との分別に関する問題に焦点をあてた。キリシタン美術には、明らかに西欧起源の図像、西欧キリスト教の図像と日本在来の宗教図像との混合、そして、日本在来の宗教図像のキリスト教への転用など、さまざまな形態がみられ、また、明確に区分すべきではない例も数多く存在する。その背景となる各時代や地域の社会や文化、宗教の状況に関して、各自の専門分野から考察を行った。 10月、11月には、ERC(European Research Council)設立のミュンヘン大学の研究グループSACRIMA(The Normativity of Sacred Images in Early Modern Europe/西欧近世における聖像の規範)とともに、共同セミナー/講演会を実施した。このプロジェクトのテーマは、(Early Modern Sacred Images in Japan and Europe: Contact, Comparison, Conflict/近世ヨーロッパと日本の聖なるイメージ)である。10月にはミュンヘン大学で、そして11月には早稲田大学で実施したが、日本からは研究分担者や国内外の研究協力者のほか、早稲田の学生も発表を行った。トレント公会議以降の西欧カトリックの聖像、そして日本のキリシタンの聖像における規範と禁忌について協議をした。早稲田で開催されたセミナーには数多くの聴衆が出席し、広く問題を共有する機会となったことも特筆すべきであろう。なお、これには、DAAD(ドイツ学術交流会)-早稲田大学パートナーシッププログラムの共催を得ている。
- 研究成果公開促進費/学術図書, 2017年04月 - 2018年03月, 研究代表者ジョルジョ・ヴァザァーリ『美術家列伝』第五巻競争的資金
- 日本学術振興会, 学術研究助成基金助成金/基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2013年04月 - 2018年03月, 研究代表者カトリック改革が美術に及ぼした影響について、様式と図像の両面にわたって、対する宗教改革の果たした世俗化といった役割とともに広く考察した。具体的にはカラヴァッジョとカラヴァッジェスキを中心にバロックの美術家たちによる画像の意味や機能について研究した。また、教会や宮殿の美術だけでなく、版画やエクス・ヴォートなどの民衆的な画像についても調査し、考察した。さらにイエズス会の図像が伝播した例としてマカオの美術や日本の南蛮美術についても調査した。競争的資金
- 科学研究費補助金/基盤研究(C), 2009年, 研究代表者競争的資金
- 科学研究費補助金/基盤研究(C), 2005年, 研究代表者競争的資金
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2002年 - 2004年1600年前後のローマ美術と初期キリスト教文化本研究は、1600年前後に初期キリスト教文化がいかに再評価されたかをあきらかにし、それが聖堂装飾をはじめとする当時のローマの美術活動に主題上・様式上いかに反映されたか、そしてそれが聖年における教皇庁や宗教団体の教義や政策、プロパガンダとどう関係したかを考察し、主要な画家の動向を追いながら、新たなバロック美術の誕生を促したメカニズムを総合的に解明しようとするものである。こうした調査によって、後期マニエリスムから初期バロックにいたる、イタリア美術史上もっともダイナミックな転換点の美術に、従来と異なる角度から光を当てることができ、また筆者が継続して行ってきたカラヴァッジョ研究にも、裏付けと深みを与えることができた。 平成14年度は主として教皇庁における反宗教改革期の美術政策について研究を行った。反宗教改革期には、教皇庁の美術が当時の公的な美術様式と認定され、各教団の美術政策や個人の美術嗜好に強く影響していたからである。具体的には、16世紀から17世紀にかけての教皇権が、当時の欧米の歴史情勢の中でどのような政治的・社会的位置をしめていたのか、またそれが公的な聖庁であるヴァチカン宮殿と一族の居城であるパラッツォの美術装飾にどのように反映しているかについて調査した。 平成15年度は、反宗教改革の国際的広がりという視点から、イタリア以外に普及した反宗教改革期の美術様式に注目した。また、わが国の禁教下から今日にいたるまでのいわゆる「隠れキリシタン」の美術については、その聖像(イコン)が存在するにもかかわらず、美術史上の研究対象となったことはほとんどなかった。しかし、キリスト教主題を持つ原図が閉ざされた社会でいかに変容し、異種の図像にいたるかというきわめて興味深い問題を提示しており、長崎県生月島で今も信仰されている聖画(納戸神・御前様)について若干の調査研究を行い、小論文を執筆した。 平成16年度は著書『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』をまとめるため、今までに書いた諸論文を点検して書き直す作業に従事した。とくに第二章「1600年前後のローマ画壇とカラヴァッジョ」は、かつて書いた論文をほぼ全画的に書き直し、大幅に加筆してほとんど新しい論文にしてしまった。このように、1600年前後の混沌とした美術の状況と、反宗教改革とキリスト教考古学の流行に鼓舞されて起こった新たな潮流を、カラヴァッジョの革新という座標軸を設定することであきらかにすることができた。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 奨励研究(A), 奨励研究(A), 神戸大学, 2000年 - 2001年反宗教改革期の殉教図サイクルとカラヴァッジオ昨年度は、カラヴァッジオ作品に見られる身振りについて、とくに両手を広げるいわゆる「オランス型」の身振りが初期キリスト教美術や当時の殉教図サイクルからの形態的・意味的影響を反映していることを実証して、論文「カラヴァッジオの身振り-表出から象徴へ」にまとめた。本年度は、カラヴァッジオ作品の重要なテーマである幻視(ヴィジョン)について、反宗教改革期や中世の神学思想や当時の宗教画などと関連付け、カラヴァッジオ様式の写実性や世俗性をそれによって説明し、論文「幻視のリアリズム-カラヴァッジョの宗教画」にまとめた。それによって、カラヴァッジオの宗教画の本質について従来と異なる視点から考察することができた。従来、モレットやモローニ、カンピなどロンバルディアのプレ・カラヴァッジェスキの影響から説明されてきた幻視表現が、実はローマにおける初期キリスト教の古刹復興の気運とその殉教図サイクルの壁画から触発された要素があることを、カラヴァッジオの《聖ルチアの埋葬》などを例として実証することができた。 また、昨年末から本年初頭にかけて日本で初めてのカラヴァッジオ展が開催されたが、この展覧会のカタログに監修として関わる機会を得た。《エマオの晩餐》や《祈る聖フランチェスコ》、《法悦のマグダラのマリア》など、展覧会に来た作品のいくつかは上記のような特質をもっており、後半生のカラヴァッジオに顕著となった初期キリスト教美術的な真摯な宗教性を示すものであり、カタログ論文「カラヴァッジョの闇」で、カラヴァッジオ研究につきまとう作品帰属の問題とともに、そのことをさらに詳しく掘り下げることができた。