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藤原 賢哉大学院経営学研究科 経営学専攻教授
研究活動情報
■ 受賞- 2025年02月 大阪銀行協会, 大銀協フォーラム特別賞, 中小企業向け信用スコアリングモデル:ビッグデータとAIを活用した金融革新
- 2019年02月 大阪銀行協会, 大銀協フォーラム優秀賞, キャッシュレス化の普及プロセスと経済的影響に関する研究その他の賞
- 2001年03月 金融ジャーナル, 金融ジャーナル賞優秀論文賞, 銀行の経営組織とリスク管理体制について
- 2025年02月, 日本政策金融公庫論集, (66) (66), 21 - 35, 日本語中小事業者におけるキャッシュレス決済導入における課題[招待有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2024年06月, International Review of Economics and Finance, 93(PartA) (PartA), 38 - 51, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2024年01月, 生活経済学研究, 59, 1 - 11, 日本語キャッシュレス決済の導入に関する決定要因とその成果に関する検証[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2022年, 近畿大学商経学叢, 日本語我が国事業者におけるキャッシュレス決済サービスの利用実態:導入が経営成果に与える影響の調査研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2022年, Japanese Journal of Monetary and Financial Economics, 10, 2 - 10, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2021年07月, 国民経済雑誌, 224(1) (1), 日本語消費者購買パネルデータを利用したキャッスレス統計の整備とその活用可能性について研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2020年10月, ビジネスインサイト, (111) (111), 19 - 21, 日本語コロナショックと経済統計ー購買データから見た消費動向の変化研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2020年02月, 大銀協フォーラム研究助成論文集, (25) (25), 日本語韓国のキャッシュレス化の普及プロセスとわが国における支払い決済手段の選択に関する実証研究
- 2019年10月, 国民経済雑誌別冊, 9 - 20, 日本語キャッシュレス化の経済分析研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 中国P2P貸出市場の現状に関する考察ー現地アンケート調査の結果からーP2P金融、フィンテック、中小企業金融、プラットフォーム神戸大学, 2019年08月, 国民経済雑誌, 220(2) (2), 1 - 20, 日本語研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 同志社大学, 2019年, 同志社商学, 77 - 87, 日本語クラウドファンディングの成功要因に関する実証分析[招待有り]研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2018年04月, 国民経済雑誌, 217(4) (4), 1 - 20, 日本語生命保険会社のシンジケート・ローンに関する実証分析研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2017年03月, FP研究, (16) (16), 日本語ロボアドバイザーに関する経済学的考察と利用実態調査研究論文(学術雑誌)
- 2016年06月, Nguyen, D. K. et al. eds, Risk Management in Emerging Markets: Issues, Framework and Modeling, Emerald, 英語How should banks support SMEs to manage funding risks in China? The role of relationship banking[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 神戸大学, 2014年04月, 国民経済雑誌, 209(4) (4), 31 - 44, 日本語研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2012年07月, 国民経済雑誌, 第206巻(第1号) (第1号), 73 - 88, 日本語金融危機と証券化ーシンジケートローンと信用循環ー研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 神戸大学, 2010年05月, 国民経済雑誌, 201(5) (5), 51 - 78, 日本語本邦シンジケート・ローン市場の現状について研究論文(学術雑誌)
- 2007年11月, 市場と適応(斎藤彰編 法律文化社), 228 - 257, 日本語倒産法制の経済分析―破綻処理効率性に関する展望と検証研究論文(学術雑誌)
- 2006年05月, CNAEC Research Series, KIEP, 06-03, 英語Bankruptcy procedures and the efficiency of corporate debt:Restructuring in Korea and Japan研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2006年04月, 『金融経済学ハンドブック』, ー, 日本語「金融仲介機関」研究論文(学術雑誌)
- 2006年04月, International Journal of Business, 11, 33 - 45, 英語Does the Japanese Closed-End Fund Puzzle Exist? : An Empirical Study of the Efficiency of the Financial Market in Japan研究論文(学術雑誌)
- 2006年04月, Public Policy Review, 2(1) (1), 141 - 176, 英語Corporate Debt Restructuring and Public Institutions in Japan: Do government-Affiliated Financial Institutions Soften Budget Constraints?研究論文(学術雑誌)
- 2006年04月, Pacific-Basin Finance Journal, 14, 395 - 409, 英語Addition to the Nikkei 225 Index and Japanese Market Response: Temporary Demand Effect of Index-arbitrageurs[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 日本証券アナリスト協会, 2005年04月, 『証券アナリストジャーナル』, 第43巻,34-44頁。(4) (4), 34 - 44, 日本語「債務免除と企業再生」研究論文(学術雑誌)
- 2005年04月, 『フィナンシャル・レビュー』, 第79号,52-78頁。, 日本語「企業の破綻処理と公的金融機関-政府系金融機関はソフト・バジェットか-」研究論文(学術雑誌)
- 2005年04月, Finance India, Vol.14, pp.871-886., 英語“Why do Japanese Banks get involved in the Bad Loan Problem: An Investigation of Bank Organization and Lending Behavior”[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 神戸大学経済経営学会, 2004年12月, 『国民経済雑誌』, 第190巻,第6号,67-92頁。(6) (6), 67 - 91, 日本語研究論文(学術雑誌)
- 2003年11月, 信託研究奨励金論集, (24) (24), 88 - 101, 日本語わが国信託銀行業の生産性と効率性の検証研究論文(学術雑誌)
- 神戸大学経済経営学会, 2003年03月, 国民経済雑誌, 187(3) (3), 77 - 90, 日本語研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2002年05月, 日本の金融再生戦略, 167 - 195, 日本語インデックス型投資信託と金融市場の効率性齊藤誠編著研究論文(学術雑誌)
- 東洋経済新報社, 2001年06月, エコノミクス, (5) (5), 162 - 172, 日本語伝統的金融システムからの脱却研究論文(学術雑誌)
- 神戸大学経済経営学会, 2001年06月, 国民経済雑誌, 183(6) (6), 63 - 79, 日本語研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2000年08月, 貯蓄経済研究センター信用データ・ベース計画の意義と課題研究論文(学術雑誌)
- 2000年01月, 現代の金融と政策(小佐野広・本多祐三編著,日本評論社), 273 - 306, 日本語銀行監督行政の問題点研究論文(学術雑誌)
- 1999年04月, 郵政省貯金局調査リポート, 1 - 36, 日本語金融政策・規制に関するルールと裁量の問題について研究論文(学術雑誌)
- 1998年08月, IMF・神戸大学合同シンポジウム報告書, 日本語銀行システムの脆弱性-再建への問題点研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
- 1998年06月, 中央銀行の独立性(三木谷良一・石垣健一編著, 東洋経済新報社), 79 - 105, 日本語中央銀行の独立性の理論研究論文(学術雑誌)
- 1998年03月, 現代日本の金融システム, 日本語不良債権問題に関する一考察研究論文(学術雑誌)
- 日本金融学会, 1997年11月, 金融経済研究, (14) (14), 70 - 85, 日本語金融機関への役員派遣について[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 1997年08月, 国民経済雑誌, 176(5) (5), 101 - 121, 日本語社債市場における幹事証券と受託銀行の機能について研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 1997年03月, 現代日本の金融システム, 日本語中央銀行の独立性と情報収集・分析能力について研究論文(学術雑誌)
- 学術雑誌目次速報データベース由来, 1996年10月, 経済学論集, 62(3) (3), 43 - 62, 日本語M&Aからみたメインバンクの機能について-日本的M&Aメカニズムの特徴と評価-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 1996年03月, 現代日本の金融システム, 日本語郵政事業の地域別収益構造について研究論文(学術雑誌)
- 1996年03月, 日本の資本市場, 287 - 315, フランス語受託銀行はなぜ倒産企業の社債を買い取るのか研究論文(学術雑誌)
- 1995年08月, 経済科学, 43(3) (3), 1 - 15, 日本語監督当局からの再就職と金融機関経営研究論文(学術雑誌)
- 1994年08月, 経済論叢, 18(2) (2), 253 - 291, 日本語メインバンクと株式保有研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 1993年03月, 金融政策と金融自由化, 44 - 67, 日本語情報の非対称性と金融政策研究論文(学術雑誌)
- 1992年07月, 金融経済研究, (4) (4), 37 - 48, 日本語企業倒産とメインバンク制-メインバンクの救済機能について-[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 1992年03月, 1990年代の金融環境の変化と公的金融機関, 日本語郵便貯金の金利リスクについて研究論文(学術雑誌)
- 1992年03月, 1990年代の金融環境の変化と公的金融機関, 日本語郵政事業の範囲の経済効果研究論文(学術雑誌)
- 1991年08月, 経済学論究, 45(1) (1), 103 - 120, 日本語銀行の自己資本選択と預金保険制度について研究論文(学術雑誌)
- 1991年08月, 金融学会報告, (71) (71), 46 - 52, 日本語銀行の健全性と公的規制研究論文(学術雑誌)
- 1991年08月, 経済論叢, 15(1) (1), 213 - 232, 日本語銀行の危険資産選択と政策当局の「評判の効果」について研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 1989年12月, 金融ジャーナル, 95 - 102, 日本語メインバンクの役割とその変化について研究論文(学術雑誌)
- 1988年08月, 六甲台論集, 35(2) (2), 1 - 14, 日本語日本のメインバンクとその機能研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 1987年08月, 六甲台論集, 33(4) (4), 76 - 87, 日本語預金保険、有限責任および銀行の資産選択研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 2023年03月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパーシリーズ, 2023(04) (04), 1 - 23, 日本語キャッシュレス決済等に関する消費者余剰と社会コストに関する研究
- 2021年07月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパーシリーズ, 2021(22) (22), 1 - 20, 英語How the Covid-19 Pandemic Changed Consumer's Lifestyles: Evidence from High-Frequency Panel Data in Japanその他
- 2021年03月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパーシリーズ, 日本語新型コロナ関連の金融支援に関する実態調査
- 2020年03月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパーシリーズ, (4) (4)Market sentiment effect on IPO Initial Returns: Evidence from the stock markets of Hong Kong and Japan
- 2020年03月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパーシリーズ, (5) (5), 英語An Empirical Analysis of Investor Sentiment on the Hong Kong Stock Market: The Impact of the Financial Crisis and the Difference between Institutional and Individual Investors
- 2019年10月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパーシリーズ, (27) (27), 日本語中国P2Pレンディング市場の最新動向の調査報告
- 神戸大学経営学研究科, 2018年11月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパー, (2018・14) (2018・14), 1 - 14, 日本語中国P2Pレンディング市場の動向と第3者決済市場の実態調査機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
- Graduate School of Business Administration, KObe University, 2017年10月, Discussion Paper Series, Graduate School of Business Administraion, Kobe University, (2017・25) (2017・25), 1 - 15, 英語Financial Crises, Bank Lending, and Trade Credit: Evidence from Chinese Enterprises機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等
- 中国P2Pレンディング市場の動向と実態調査急速に発展しつつある中国のフィンテック業界の中で、神戸大学経営学研究科, 2017年09月, 神戸大学経営学研究科ディスカッションペーパー, 2017(21) (21), 1 - 15, 日本語
P2Pレンディングに注目して、主要な企業を訪問し、
現状を調査するとともに、その動向を考察した。機関テクニカルレポート,技術報告書,プレプリント等 - 現代経営学研究所, 2017年07月, ビジネスインサイト, 25(98) (98), 2 - 9, 日本語フィンテックが描く金融システムの未来記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
- 神戸大学, 2013年04月, 経済学・経営学学習のために, 2013, 39 - 47, 日本語金融市場の効率性
- 2011年03月, ハンドブック経営学(神戸大学経済経営学会編、ミネルバ書房), 109-119, 日本語金融システム・金融機関記事・総説・解説・論説等(その他)
- 神戸大学, 2008年09月, ビジネスインサイト, 16(3) (3), 4 - 5, 日本語サブプライムローン問題と金融システムその他
- 貯蓄経済研究室, 2006年03月, 現代日本の金融システム, 12, 261 - 288, 日本語第10章 金融商品の販売ルールと投資家保護 (現代日本の金融システム--金融市場と金融政策) -- (第2部 金融機関)
- 神戸学院大学, 2002年12月20日, 神戸学院経済学論集, 34(3) (3), 121 - 145, 英語
Bank Organization and Lending Behavior:Independence of Credit Supervision Office and Bad Loan Problem in Japan - 2002年08月, ビジネスインサイト, 10(2) (2), 日本語企業の破たん処理からみた不良債権問題その他
- 学術雑誌目次速報データベース由来, 1995年, 經濟科學, 43(3) (3), 1 - 16, 英語Reemployment of Retired Bureaucrats in Financial Institutions
- 分担執筆, 278-282, 神戸大学経済経営学会, 2023年03月金融デジタル化の研究のために
- 共著, 有斐閣, 2017年09月, 日本語金融の仕組みと働き教科書・概説・概論
- 単著, 中央経済社, 2006年03月, 日本語金融制度と組織の経済分析-不良債権問題とポストバブルの金融システム学術書
- 単著, 東洋経済新報社, 2005年04月, 日本語『金融用語辞典』学術書
- 単著, 有斐閣, 2005年, 日本語『金融システム論』学術書
- 共著, 中央経済社, 2002年04月, 日本語金融論入門教科書・概説・概論
- 共著, 中央経済社, 1998年04月, 日本語現代金融論講義教科書・概説・概論
- 共著, 勁草書房, 1992年06月, 日本語現代金融論入門教科書・概説・概論
- 日本金融学会, 2024年05月, 日本語キャッシュレス決済に関する消費者余剰とネットワークコストに関する実証研究口頭発表(一般)
- 金融システム研究会, 2024年02月, 日本語オルタナティブデータの利用と代表性に関する考察口頭発表(一般)
- 日本金融学会関西部会, 2023年07月, 日本語新型コロナ感染流行前後の消費者行動の変化と各種政策キャンペーンの効果について口頭発表(一般)
- 生活経済学会, 2023年06月, 日本語Covid-19が通勤行動に及ぼした影響に関する研究口頭発表(一般)
- 金融研究会, 2022年03月, 日本語キャッシュレス化とデジタル社会の未来口頭発表(基調)
- デジタルユニバーシティ, 2022年03月, 日本語金融×デジタライゼーションがもたらす社会変革[招待有り]
- 日本金融学会, 2021年10月, 英語新型コロナが消費者のライフスタイルの変化に及ぼした影響:高頻度パネルデータからの実証口頭発表(一般)
- 生活経済学会, 2021年06月, 日本語消費者の決済手段の選択とキャッシュレス化の経済厚生に関する研究口頭発表(一般)
- 商学・経営学研究学会, 2020年07月, 日本語キャッシュレス化の経済分析[招待有り]公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等
- 日本FP学会, 2019年09月, 日本語, 日本FP学会, 神戸大学, 国内会議ロボアドバイザーに関する経済的考察と利用実態調査口頭発表(一般)
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
- 大川情報通信基金, 2022年 - 2023年新型コロナウイルス下における外出自粛要請と消費者心理、消費支出、人流変化の時間依存性に関する研究
- 公益財団法人野村マネジメント・スクール, 2020年09月 - 2022年09月キャッシュレス決済等に関する消費者余剰の計測と社会コストに関する研究
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 神戸大学, 2019年04月01日 - 2022年03月31日地域の期待に応える地域金融モデルの構築-災害耐性、人口減少、フィンテック本プロジェクトでは、リレーションシップバンキング研究をベースにして、①頻発する自然災害への対応、②人口減少への対応、③フィンテックの活用、といった3つの論点を切り口にして、新しい銀行モデルのあるべき姿、それを実現するための経営・組織上の課題、および、そうした新しい銀行モデルにおける銀行行政の課題について分析を進めた。その結果、こうした課題に応えるためには事業性評価の能力を高めることが必要であり、そのための金融機関の行動を促すような政策実施が不可欠であるとの結論を得た。
- 科学研究費補助金/基盤研究(B), 2019年04月 - 2022年03月, 研究代表者キャッシュレス化の統計整備と経済的インパクトに関する研究競争的資金
- 科学研究費補助金/基盤研究(B), 2010年, 研究代表者競争的資金
- 2006年「市場化社会の法動態学」研究教育拠点競争的資金
- 2005年「市場化社会の法動態学」研究教育拠点競争的資金
- 科学研究費補助金/基盤研究(B), 2005年競争的資金
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 神戸大学, 2002年 - 2004年インフレ・ターゲティング政策の国際比較研究-デフレ下でこの政策は有効か-インフレ・ターゲティング政策は、世界の多くの国々で採用されるようになった金融政策運営手法である。目本では、1990年代の長期停滞とデフレーションからの脱出策として奇策のような扱いを受けてきたが、実情はむしろ世界標準に近い。本研究プロジェクトは、インフレ・ターゲティング政策を導入・実施してきた諸国の経験を調べ、その日本経済への適用可能性を探るものであった。本研究で得られた知見は、下記のようにまとめられよう。 (1)インフレ・ターゲティング政策は、導入した国々の間で、様々なバリエーションが存在するが、10年超の経験の後、金融政策運営の「緩やかな枠組み」とする方向にある。その典型例は、ニュージーランドの変化である。最初の導入国として、厳密なルールとアカウンタビリティで特徴付けられる制度設計をしていたが、近年の改革によって方針を転換した。他の諸国の制度設計も同じ方向にあり、学説的にも支持されている。 (2)インフレ・ターゲティング政策を導入した国々では、共通して政策情報の公開を促進してきた。この点では、「緩やかな」方向への逆戻りは見られていない。金融政策立案の主力モデルの公開や、政策立案過程の外国人専門家によるpeer reviewなど、インフレ・ターゲティング以前の伝統的な「秘密主義」では想像もできなかったレベルの情報公開が実行されている。この点は、学説でも支持されているし、インフレ・ターゲティング制度を導入した(タイのような)途上国でも実施されつつある。例外的に制約が厳しいのは、各国代表が集まって政策決定に関わっている欧州中央銀行である。 (3)デフレーションからの脱出策の成功例として、大恐慌期のスウェーデンの金融政策が、よく挙げられる。物価水準目標の採用が有効であったというのだが、現実には、物価水準目標採用の後、短期間で、英国のポンドへのペグも実施しているので、その金融政策運営の一貫性は疑わしい。 (4)実証的な分析では、M2+CDという伝統的な量的指標が、1990年代後半になって景気予測に有効な情報を提供しなくなったことを確認し、その原因を調べた。理論分析においては、インフレ・ターゲティング政策の導入国の多くでも採用されている委員会方式の政策決定が過度に慎重な政策運営に偏る傾向をもち易いことを示し、また利子率コントロールの有効性を示した。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(A), 神戸大学, 2001年 - 2004年少子高齢化社会における企業と家計の投資・消費行動に関する国際比較研究21世紀のわが国経済を展望するためには、少子高齢化や国際化の進展が、資金の流れやそれと表裏の関係にある貯蓄・投資動向にどの様な影響を及ぼすのかについて検討しておくことが重要である。このような問題意識のもとに、本研究プロジェクトでは、家計および企業の投資・消費(貯蓄)行動に関する総合的な研究を行った。研究成果の概要は以下の通り。 1.年金・保険市場と家計・企業の投資・消費行動。 天候デリバティブやキャットボンド、リアルオプション等の保険・投資領域における新しい手法について展望研究を行った。年金と同じ集団投資スキームである投資信託についてそのパフォーマンスの低下とその要因について分析した。さらに機関投資家による株式持ち合いの解消や自社株買い、転換社債発行の財務手段が企業価値に有意な影響を及ぼすことを見いだした。 2.法的規制(投資家保護規制等)と家計・企業の投資・消費行動。 投資家保護と金融取引の効率性を図るためには、適合性の原則などの立証責任の配分が重要であるとの結論を得た。また、経営破綻危機にある企業価値は、破綻処理方法の違い(法的整理、私的整理)や企業の属性(規模、業種)等によって異なるとの結論を得た。企業倫理の重要性について「共生」という概念から考察した。 3.市場における価格形成(流動性効果、アノマリー)と家計・企業の投資・消費行動。 株価のファンダメンタルからの乖離を説明する基礎的な理論として、「合理的バブル」の議論に注目し、流動性効果の影響が重要であるとの結論を得た。また、日経平均株価指数の構成銘柄の入れ替え、カレンダー効果(半年効果)、winner-looser効果、ETFの販売価値とポートフォリオ価値の乖離、という観点から、株式市場にアノマリーが存在することを見いだした。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奨励研究(A), 神戸大学, 1998年 - 1999年金融取引ルールに関する基礎的研究1,金融機関の破綻処理のあり方に関しては、わが国の現状と課題について論点を整理するとともに、金融機関の破綻処理のあり方や債権回収方法の違いにより、借り手企業が受ける影響が異なってくるかどうかについて実証的研究を行った。具体的には、各種資料(信用調査会社データベース等)をもとに、破綻金融機関を主な取引銀行とする企業の倒産や整理回収機構・銀行における回収状況について調査するとともに、代替的な破綻処理手段に関する評価・考察を行った。これら研究成果の一部は、郵便貯金振興会のディスカッションペーパーで公表した。 2,金融機関の社内分社化や金融持ち株会社におけるガバナンスやリスク遮断の問題については、おもに組織内部における権限の責任の配分という観点から分析を行った。具体的には、銀行の組織特性と貸出行動との関係についてパネル分析を行うとともに、分社化および金融持ち株会社下における各部門のインセンティブについて考察を行った。研究成果の一部は国民経済雑誌において公表した。 3,金融サービス法に関する分析については、顧客情報(借り手および貸し手)の利用と保護という問題に焦点を当てて検討を行った。具体的には、(1)中小・個人向け融資におけるデータベース構築の有用性と個別銀行の情報提供動機の問題(正確な情報提供は顧客基盤を失う恐れ)、(2)個人投資家に関するプライバシー(資産規模や購入履歴・家族構成等の情報)保護と金融商品販売にあたっての利用にかんするトレード・オフの問題、に分けて理論的考察を行った。前者のテーマについては、「共同データ・ベース計画の意義と課題」というタイトルで、貯蓄経済研究センターの報告書として掲載される予定である。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 神戸大学, 1996年 - 1997年中央銀行の独立性に関する理論・制度・国際比較研究本研究の成果は、1998年5月に東洋経済新報社から出版されることになっている。本書は3部、17章から構成されている.第1部では、日本銀行の独立性に注目して、新旧日本銀行法の比較、新日本銀行法の問題点と望ましい運営のあり方、旧日銀法のもとでの金融政策の運営に対する国内外からの政治的圧力がもたらした影響の分析がなされる。第2部では、中央銀行の独立性に関する理論的サーベイと分析、および独立性と金融政策のパフォーマンスとの関係についての実証研究が検討されている.第3部では、日本を除く先進8カ国の中央銀行と欧州中央銀行制度の独立性と金融政策の運営について検討する。アメリカ連邦準備銀行、イングランド銀行、ドイツ連邦銀行、フランス銀行、カナダ銀行、ニュージーランド準備銀行、オーストラリア準備銀行、欧州中央銀行制度、各々について政府当局に対する各国中央銀行の独立性の程度と金融政策の成果との関連を実証した。これらの検討の結果次のことが、明らかになった。 (1) 一般的に言えば、中央銀行の独立性が高まれば、物価の安定性が上昇している。 (2) 1970年代、80年代の経験に基づいて、各国の中央銀行はその独立性を高めてきている。ニュージーランド、フランス、日本そして英国では、法律改正で、カナダ、オーストラリアでは政府との明示的な協定によってそれがなされている。 (3) 新日本銀行法によって、日本銀行の独立性はたかまるが、しかしアカウンタビリテイのあり方など不十分な点も多い。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奨励研究(A), 神戸大学, 1996年 - 1996年バブル経済期における銀行組織上の問題点について1.日経NEEDS-TSおよび金融人事問題研究会の発行資料、銀行人事システムに関する書物等を用いて銀行の人事システム、役員経歴、経営パフォーマンス等についてのデータを入手した。 2.日米の銀行人事システムに関する比較研究をおこなった。わが国では、採用・昇進が人事部によって決められ、また、職務の専門性が低く(ジェネラリスト指向)、途中で他の銀行に転身することが少ないのに対して、米国では、職務の専門性が高く、他行からの中途採用が多いほか、昇進・評価も所属する職務の長・グループによって決定されている。また、部門別に、予算と収益目標が設定され、権限と責任体制が明確になっている点もわが国と大きく異なっている。 3.わが国銀行人事システムの変化とその問題点。バブル経済の前後において、わが国でも人事評価に能力主義を導入する傾向が強くなっている。給与に関しては職務給、賞与に関しては、項目どとの評価に応じた賞与体系が導入されている。また、総合職の分化や通年採用など人事のflexibilityを高める工夫が行われている。これらの人事システムの変化は、銀行員のインセンティブを高めることが期待される一方、評価システムの重要性や問題点(客観性、評価基準の設定、誰を評価者にするか、大和銀行問題など)を浮き彫りにしており、今後さらに検討が必要であると考える。 4.バブル経済と人事システムのあり方との関係。バブル経済期における審査部の役割について、役員に締める審査部出身者の地位について検討を行った。また、金融業務の専門化やアンバンドリング化など、今後の銀行経営にとって必要とされる改革と、従来の人事システムとの関係(矛盾)について検討を行った。さらに、現在検討されている金融持株会社と人事システムとの関係についても考察を行った。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奨励研究(A), 広島大学, 1993年 - 1993年わが国のメインバンク制に関する実証的研究1.企業経営危機時におけるメインバンクの役割 (1)倒産企業の法的整理形態の違いと、メインバンク融資シェア、担保順位、従業員数、倒産原因等との相関について統計的に検討を行い、メインバンクとの関係が深い企業ほど、再建型の整理形態をとる傾向が強いことを確認した。(2)構造不況業種の一つである海運業について、倒産企業と非倒産企業を比較し、非倒産企業ほどメインバンクの融資シェアが高く、取引金融機関数も小さい傾向があることを統計的に確認した。 2.M&Aにおけるメインバンクの役割 (1)交友的なM&Aにおいて、メインバンクは、企業間の情報の非対称性を緩和する形で、仲介、融資等の面で、重要な役割を果たしていること、(2)敵対的なM&Aにおいて、メインバンクは、被買収企業を援助する形で機能していること、(3)M&Aは、メインバンクによる企業救済の一手段として見なせること、等の事実を実証的に確認した。
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 総合研究(A), 神戸大学, 1990年 - 1991年金融市場の巨大化統合化と各国金融制度・金融政策に関する理論的計量的国際比較研究最終成果は『世界の金融自由化と金融政策(仮題)』にまとめられて、刊行される。この本は三部構成となっている。第一部は理論篇であり、金融政策に関する諸理論のサーヴェイと、最新の研究成果がまとめられている。マクロでは「貨幣の中立性」に焦点があてられ、ケインジアン-マネタリスト論争から、最新の新しい古典派と新しいケインジアンの論点までが網羅されている。ミクロの章では「情報の非対称性」の概念を中心とし、負債契約の最適性や信用割当・銀行取り付けなどが、理論的に扱われている。国際協調に関する章では、ゲーム論の手法を用いて、マクロの国際協調がむしろマイナスの結果をもたらしかねないケースが強調され、ミクロレベルではBIS規制の正当性が主張されている。 第二部は各国篇であり、日・米・加・独・仏・英・豪の先進7ヶ国とECの金融制度改革の進展と、それに対応した金融政策の変遷、及びマクロ経済のパフォーマンスが、明確な時代区分の下にまとめられ、評価されている。第三部は、第二部の内容を比較総合するパートである。まず、金融政策の最終目標に関しては、70年代半ばまでの雇用重視、それ以降80年代半ばまでのインフレ重視と、各国にほぼ共通した傾向がみられた後、現在は情勢に応じて重点目標を変える折衷派グループとインフレ重視グループに分かれていることが指摘された。政策の運営方法も、ほぼ同じ時代区分で、自由裁量方式からルール方式へ移行し、現在もインフレ重視グループは貨幣集計量重視のルール方式を採用してはいるものの、プラグマティックな裁量方式へかなり近づきつつあると、主張されている。折衷派の裁量方式とインフレ重視派のルール方式との間では、マクロ経済のパフォーマンスに関しては、現在のところ顕著な差異は見られない。両者の優劣は、将来の外的ショックによって明らかにされるであろう。
研究シーズ
■ 研究シーズ- デジタル社会及び金融のデジタル化に関する研究シーズカテゴリ:人文・社会, その他研究キーワード:デジタル社会, SDGs/ESG金融, オルタナティブデータの利活用, データサイエンス, スマートシティ・デジタルツイン研究の背景と目的:デジタル化は、金融をはじめとするわが国の経済システム全体に対して大きな変革を促す可能性がある。また、新型コロナや、世界における環境保護・SDGsの高まりは、デジタル化と相まって人々のライフスタイルや経済構造の変化、イノベーションの促進を促す可能性がある。これらの変革について、理論とデータ双方の観点から研究を行う。研究内容:近年、デジタル技術を利用した金融サービスが急速に普及しつつある。決済手段のデジタル化(民間キャッシュレス決済拡大、中央銀行のデジタル化(CBDC))、金融ビジネスの変革(既存のビジネスプロセスの見直し、異業種(流通・通信・公共交通)の連携・融合化)、ブロックチェーンの活用、分散型金融への期待)、新型コロナによるサービス提供の見直しなど、いずれも、伝統的な金融のビジネスモデルに対して大きな変革を迫るものである。本プロジェクトでは、1)消費者行動の変容、2)産業組織の変革と課題(融合と独占バランス)、3)政策や規制のあり方、4)消費者のリテラシーの向上(個人情報保護とデータ利活用バランス)の各点から、目指すべき未来の金融のあり方について、社会科学横断的・文理融合的視点から検討を行うことにする。産官学連携の強化し、社会実装および情報発信に注力する。期待される効果や応用分野:データに基づいた制度設計の提言、スマートシティや各種社会インフラ革新提言、社会構成員(消費者、企業、政府)の意識の変革・理解。