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清杉 孝司大学院理学研究科 惑星学専攻講師
研究活動情報
■ 論文- 特定非営利活動法人 日本火山学会, 2024年12月, 火山, 69(4) (4), 223 - 228, 日本語[査読有り]
- 2024年08月, Communications Earth & Environment, 5, 428[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- Elsevier BV, 2024年04月, Journal of Volcanology and Geothermal Research, 448, 108017 - 108017研究論文(学術雑誌)
- Geochemical Society, 2024年, Goldschmidt2024 abstracts研究論文(国際会議プロシーディングス)
- Elsevier BV, 2022年12月, Journal of Volcanology and Geothermal Research, 107738 - 107738, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2020年10月, Statistica Sinica, 30(4) (4), 2105 - 2130, 英語Detection and replenishment of missing data in marked point processes[査読有り]
- 2020年09月, Biogeography, 22(1) (1), 1 - 5, 英語Discovery of vestimentiferan tube worms from the Kikai Caldera off Satsuma Peninsula, Kagoshima, Japan[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2020年04月, Journal of Geophysical Research: Solid Earth, 英語Simulations of Tephra Fall Deposits From a Bending Eruption Plume and the Optimum Model for Particle Release[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2020年01月, Journal of the Royal Statistical Society, 69(1) (1), 106 - 130, 英語Bayesian modelling of marked point processes with incomplete records: volcanic eruptions[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- As volcanic hazards induce damage with their flows of gases, liquids, and solid materials, a numerical simulation using multi-phase formulation is applicable to the analysis and evaluation of the risks from these volcanic hazards in both normal and emergent periods. A numerical simulation can also be useful for crisis management. Quick and precise evaluation is needed for upcoming and ongoing hazards, and we present here a concept for the development of a volcanic hazard evaluation system for these hazards, a system in which an input parameter database is compiled and countermeasure information is provided by considering the exposure and vulnerability database.Fuji Technology Press Ltd., 2019年06月, Journal of Disaster Research, 14(4) (4), 604 - 615, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- Kikai submarine caldera to the south of the Kyushu Island, SW Japan, collapsed at 7.3 ka during the latest supereruption (>500 km3 of magma) in the Japanese Archipelago. Multi functional research surveys of the T/S Fukae Maru in this caldera, including multi-beam echosounder mapping, remotely operated vehicle observation, multi-channel seismic reflection survey, and rock sampling by dredging and diving, provided lines of evidence for creation of a giant rhyolite lava dome (~32 km3) after the caldera collapse. This dome is still active as water column anomalies accompanied by bubbling from its surface are observed. Chemical characteristics of dome-forming rhyolites akin to those of presently active small volcanic cones are different from those of supereruption. The voluminous post-caldera activity is thus not caused simply by squeezing the remnant of syn-caldera magma but may tap a magma system that has evolved both chemically and physically since the 7.3-ka supereruption.ネイチャー・ジャパン株式会社, 2018年02月, Scientific Reports (Nature Publishing Group), 8(1) (1), 2753 - 2753, 英語, 国際誌[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2017年01月, EARTH AND PLANETARY SCIENCE LETTERS, 458, 170 - 178, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2015年07月, Journal of Applied Volcanology, 4(17) (17), 英語How Many Explosive Eruptions are Missing from the Geologic Record? Analysis of the Quaternary Record of Large Magnitude Explosive Eruptions in Japan: recurrence rates, missing data and preservation of geological record of volcanism[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- SpringerOpen, 2014年12月, Journal of Applied Volcanology, 3(1) (1), 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- Springer Science and Business Media LLC, 2014年01月, Bulletin of Volcanology, 76(1) (1), 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2012年09月, Journal of Applied Volcanology volume, 1, 英語Global database on large magnitude explosive volcanic eruptions (LaMEVE)[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2012年08月, GEOLOGY, 40(8) (8), 695 - 698, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2012年05月, GEOCHEMISTRY GEOPHYSICS GEOSYSTEMS, 13, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- Springer Science and Business Media LLC, 2010年04月, Bulletin of Volcanology, 72(3) (3), 331 - 340, 英語[査読有り]研究論文(学術雑誌)
- 2023年, 日本地球惑星科学連合大会予稿集(Web), 2023マトリクスガラス揮発分を用いた喜界海底溶岩ドームの形成の研究【JST機械翻訳】
- 2023年, 日本火山学会講演予稿集, 2023 (Web)鬼界カルデラのマグマ源とその進化
- 2023年, 日本火山学会講演予稿集, 2023 (Web)鬼界カルデラの海底カルデラ壁における掘削
- 2022年, 日本地球惑星科学連合大会予稿集(Web), 2022マトリックスガラス揮発成分を用いた木海海底溶岩ドームの形成の研究【JST・京大機械翻訳】
- 2022年, 日本火山学会講演予稿集, 2022鬼界海底カルデラにおけるアカホヤ噴火以降のマグマ供給系進化
- 鬼界海底カルデラ火山で起きた破局噴火の規模や様式、また噴火に至るマグマ準備過程を明らかにするために、「ちきゅう」表層科学掘削プログラムにおいて採取されたコア試料の化学分析を実施した。コア試料には約7300年前の鬼界アカホヤ噴火と約95000年前の鬼界葛原(K-Tz)噴火に対応する試料、及びそれらに挟在する14C年代で約4万年以降の値を示す火山砕屑物試料が得られた。化学分析の結果、鬼界葛原噴火ではフェルシックな組成の火砕物に加えてマフィックなものが新たに見つかり、この破局噴火ではマフィックなマグマが噴火に関与していたことが示唆される。また、二つの破局噴火の間の火砕物はアカホヤ噴火の噴出物と似た化学組成を示し、アカホヤ噴火へ向けたマグマの蓄積が約4万年前以前に開始していたことが示唆される。一般社団法人日本地球化学会, 2022年, 日本地球化学会年会要旨集, 69, 96, 日本語
- 鬼界カルデラ火山は7300年前の鬼界アカホヤ噴火や9.5万年前の鬼界葛原噴火など超巨大噴火を繰り返す火山で、海底と陸上の調査を組み合わせることで、詳細な噴火史を検討することができる。本研究では、まだ不明なことが多い海底の大規模噴火噴出物ついて、反射法地震探査で明らかになった地下構造をもとに、ちきゅうのSCOREプログラムでコア試料を採取した。火山ガラスの化学組成分析から陸上堆積物との対比を行った結果、2回の大規模噴火噴出物が海底にも厚く堆積していることや、鬼界アカホヤ噴出物は海底でも2枚のユニットに分かれることが明らかとなった。また、鬼界カルデラ周辺で広範囲で実施したピストンコア試料の火山ガラスの化学組成の特徴から、鬼界アカホヤ噴出物は噴火が進むにつれ、遠方には到達しにくくなった可能性が示唆される。一般社団法人日本地球化学会, 2022年, 日本地球化学会年会要旨集, 69, 95, 日本語
- 深田地質研究所, 2018年, 「深田研究助成」研究報告 / 深田地質研究所 [編], 61 - 67, 日本語薩摩硫黄島硫黄岳における火砕流堆積物の地質学的研究に基づくリスク評価
- 海洋出版株式会社, 2017年08月, 号外地球, 68(68) (68), 121 - 126, 日本語日本の異なる沈み込み帯における噴火の規模と頻度の推定
- 日本火山学会 2024年度 秋季大会, 2024年10月堆積物量の推定に対する降灰堆積物の侵食の影響: 新燃岳2011年噴火噴出物での例
- 日本火山学会 2024年度 秋季大会, 2024年10月, 特定非営利活動法人 日本火山学会海底堆積物コアから見た鬼界アカホヤ噴火と鬼界葛原噴火堆積物の特徴
- 日本地球惑星科学連合2024年大会, 2024年05月鬼界カルデラの海底カルデラ壁で掘削したボーリングコアの岩相と岩石磁気学的特徴
- 日本地球惑星科学連合2024年大会, 2024年05月7300年前の鬼界アカホヤ噴火以降の海底溶岩ドーム直下のマグマ供給系の進化(続編)
- 日本地球惑星科学連合2024年大会, 2024年05月Preservation of tephra fallout deposits: An example of the about 10-year-old deposits of the 2011 eruption of Shinmoe-dake volcano, Japan
- 日本地球惑星科学連合2024年大会, 2024年05月Tracing the Kikai volcano evolution from geochemical surveys of subaerial and submarine deposits
- American Geophysical Union (AGU) Fall Meeting 2023Erosion of tephra fallout deposits: An example of the about 10-year-old fallout deposits of the 2011 eruption of Shinmoe-dake volcano, Japan
- 日本火山学会講演予稿集, 2023年, 特定非営利活動法人 日本火山学会陸上堆積物及び海底堆積物の分析に基づく幸屋火砕流の流動堆積機構の解明
- 日本火山学会講演予稿集, 2023年, 特定非営利活動法人 日本火山学会新燃岳 2011 年噴火噴出物の残存状況調査
- 日本地質学会学術大会講演要旨, 2023年, 一般社団法人 日本地質学会, 火砕堆積物の地質調査は過去の噴火を解明し,将来の噴火推移予測や火山噴火リスク評価を可能とする.一方で地質学的に明らかにされた噴火記録の数は過去に遡るほど急激に減少している(Kiyosugi et al., 2015).例えば地球全体の噴火記録の約40%を占める日本の噴火の内,最近10万年間の中規模(火山爆発指数4)の噴火について見ると,約90%の噴火記録が失われている.また,世界の噴気記録の消失は日本噴気記録の消失の約8倍であると推定される(Kiyosugi et al., 2015).噴火記録の消失の主要な地質学的要因(浸食や埋没など)の進行のプロセスと時間スケールを明らかにするため,噴火直後に火砕物分布が詳細に調査された霧島火山新燃岳2011年噴火(VEI3)の降下火砕堆積物を対象に火砕堆積物の浸食の程度を調査した. 新燃岳2011年噴火によって噴出した降下火砕堆積物の噴火直後の産状や粒径はMiyabuchi et al (2013)やWhite et al(2017)に報告されている.噴火直後に堆積物の層厚が測定されている地点を中心に野外調査を行い,現在も確認できる堆積物の産状や層厚の記載を行った.市街地などでは噴火後に降下火砕物の除去作業などが行われている場合があるため,できるだけ人手の入らない草地などを中心に調査を行った. 調査の結果,以下の3つの領域と,その領域に2011年時点で堆積していた堆積物の特徴が明らかになった.・初生堆積物の分布する領域:産状がMiyabuchi et al (2013)の記載と整合的であったり(特に火口から約3.5kmの範囲で顕著),層厚が厚く連続的で明瞭であったり,堆積環境から考えて堆積物の二次的な流出や流入が考えにくいといった特徴が見られる堆積物を初生堆積物とした.こうした堆積物は比較的火口に近い山地・山林に分布し,落ち葉などに覆われていることが多い.降下火砕堆積物全体の分布の主軸方向に見た時,初生堆積物は約18km以内の範囲に分布している.初生堆積物が残っている地点は,もともとの層厚が約2㎝以上で中央粒径が約1㎜以上の堆積物であった地点である(図1).・二次堆積物の分布する領域:構成粒子の種類が様々であったり,土壌が混じっていたり,土壌中に不連続に分布したりする等の特徴がある堆積物,および2011年時点の層厚よりも現時点での層厚が厚くなっている堆積物を二次堆積物とした.これらは山地や平野に分布しており,堆積物分布全体の主軸方向に見た時,約22km以内の範囲に分布している.・堆積物の見られない領域:火口から約22km以遠では二次堆積物などの噴火の痕跡も見られなくなる.これらの地点は平野に分布しており,農地や市街地となっている地域が多い.また,これらの地点は2011年時点で堆積物の層厚約1㎝以下,中央粒径約1㎜以下であった地点がほとんどであるが,当時1.8㎝の堆積物(中央粒径約0.7㎜)が見られた地点でも堆積物の痕跡が無い場合が見られた(図1). 以上の結果は, 降下火砕物が地質記録として地層中に保存されるための条件(層厚と粒径分布)を知る上で重要な一事例と言える. 引用文献 Kiyosugi, K. et al. (2015) How Many Explosive Eruptions are Missing from the Geologic Record? Analysis of the Quaternary Record of Large Magnitude Explosive Eruptions in Japan: recurrence rates, missing data and preservation of geological record of volcanism. Journal of Applied Volcanology, 4, 17. Miyabuchi, Y., Hanada, D., Niimi, H., & Kobayashi, T. (2013) Stratigraphy, grain‐size and component characteristics of the 2011 Shinmoedake eruption deposits, Kirishima Volcano, Japan. Journal of Volcanology and Geothermal Research, 258, 31–46. White, J. T., Connor, C. B., Connor, L., & Hasenaka, T. (2017) Efficient inversion and uncertainty quantification of a tephra fallout model. J. Geophys. Res. Solid Earth, 122, 281–294, doi:10.1002/2016JB013682.新燃岳2011年噴火噴出物の残存状況調査
- 日本地球惑星科学連合2023年大会, 2023年05月7300年前の鬼界アカホヤ噴火以降の海底溶岩ドーム直下マグマ供給系の進化
- 日本地球惑星科学連合2023年大会, 2023年05月Investigating the formation of the Kikai submarine lava dome using matrix glass volatile contents
- 日本鉱物科学会2022年年会・総会, 2022年09月鬼界海底カルデラにおけるアカホヤ噴火以降のマグマ供給系進化
- 日本地球惑星科学連合2022年大会, 2022年05月Frequency of volcanic eruptions and long-term magma discharge rate in sub-regions in Japan
- 日本地球惑星科学連合2022年大会, 2022年05月Investigation of subaerial and submarine deposits of pyroclastic density currents: A case study at Kikai volcano, SW Japan
- 日本地球惑星科学連合2022年大会, 2022年05月Investigating the formation of the Kikai submarine lava dome using matrix glass volatile contents
- 日本地球化学会年会要旨集, 2022年, 一般社団法人日本地球化学会, 鬼界海底カルデラ火山で起きた破局噴火の規模や様式、また噴火に至るマグマ準備過程を明らかにするために、「ちきゅう」表層科学掘削プログラムにおいて採取されたコア試料の化学分析を実施した。コア試料には約7300年前の鬼界アカホヤ噴火と約95000年前の鬼界葛原(K-Tz)噴火に対応する試料、及びそれらに挟在する14C年代で約4万年以降の値を示す火山砕屑物試料が得られた。化学分析の結果、鬼界葛原噴火ではフェルシックな組成の火砕物に加えてマフィックなものが新たに見つかり、この破局噴火ではマフィックなマグマが噴火に関与していたことが示唆される。また、二つの破局噴火の間の火砕物はアカホヤ噴火の噴出物と似た化学組成を示し、アカホヤ噴火へ向けたマグマの蓄積が約4万年前以前に開始していたことが示唆される。鬼界カルデラ破局噴火の噴火準備過程 ―ちきゅうSCORE試料よりー
- 日本地質学会学術大会講演要旨, 2022年, 一般社団法人 日本地質学会, はじめに 西南日本は日本海拡大初期(19-18Ma)に回転を伴わずに大陸から分裂・ドリフトし,18-16Maのある時期に約40° 回転して現在の位置に移動したと考えられている[1;2].これらのテクトニクスのアプローチと共に,そこに噴出するマグマの性質や関連性を明らかにする第一歩として,日本海拡大初期に噴出した玄武岩を含む北但層群八鹿累層と,西南日本の時計回り回転時に形成された北但層群豊岡累層(共に京都府北部丹後半島に分布)の,古地磁気方位測定及び全岩化学組成の分析を行った. 地質概要 八鹿累層は20-17Ma[3]のピクライト質玄武岩~安山岩溶岩と火砕岩からなり,このピクライト質玄武岩は日本海拡大初期に形成されたと考えられている[4].古地磁気方位はSakamoto[5]により測定されているが,溶岩のクリンカー部を測定しているためかサイト平均にばらつきが見られる.豊岡累層は,下位は溶岩層,上位は堆積層[3]で形成され,丹後半島では不規則な割れ目の入った流紋岩質の塊状溶岩が観察された.また堆積層には15Maの中新統に見られる動物化石群を含む[6].豊岡累層の古地磁気方位測定結果は,下位の溶岩層が偏角D=23.8° を示し,上位の堆積岩層の偏角がほぼ北向きを示すことから,西南日本の時計回り回転を記録していると考えられている[6].ただしIshikawa et al.[6]で示された回転量は,[1]による西南日本の総回転量である約40° と比較するとかなり小さい. 手法 本研究では,八鹿累層の塊状溶岩3露頭と豊岡累層の塊状溶岩2露頭から,それぞれ8-10個のサンプルを採取し,段階熱消磁実験による古地磁気方位測定を行った.また同試料を用いて全岩化学組成分析も行った.古地磁気方位測定は,神戸大学のスピナー磁力計 (夏原技研製SMM-85)を用い,段階熱消磁実験にはTDS-1を使用した.全岩化学組成分析は,神戸大学の蛍光X線分析装置(リガク製ZSX Primus II)を用い,主成分と微量元素の測定を行った. 古地磁気方位測定結果 八鹿累層は,走向傾斜を得られていないため傾動補正を行っていないが,得られた平均古地磁気方位は下位から上位にかけて偏角D=36.3°, 35.9°, 24.0° と東偏から北偏へ変化していた.伏角はI=68.2°,15.1°,57.5° が得られた.豊岡累層は,同地域に分布する豊岡累層の砂礫層から得られた走向傾斜(N16°E, 9°E)を用いて傾動補正を行い,下位から偏角D=40.5°, 33.0°,伏角I=70.4°, 14.7° を得られた.豊岡累層の古地磁気方位の結果は,現在の磁北の位置より東偏であり,先行研究で得られている古地磁気方位の結果[6]と整合的である. 全岩化学組成分析結果 八鹿累層の3露頭から得られた溶岩の全岩化学組成及び微量元素の測定結果は,下位の溶岩で約50-52 wt% のSiO₂量を示し,上位の溶岩で約58 wt% のSiO₂量を示した.またピクライト質玄武岩ではNb値に強い負の異常が見られた.これは石渡, 今坂[4]と整合的である.豊岡累層下位の2露頭から得られた全岩化学組成及び微量元素の結果は,SiO₂量が約68-76 wt% の非アルカリ性のデイサイトから流紋岩を示し,こちらも先行研究[3]と一致する結果が得られた. 議論 本研究において,豊岡累層から得られた古地磁気方位測定の結果は,Ishikawa et al.[6]が測定した豊岡累層の溶岩の古地磁気方位(D=23.8°)より大きな東偏を示した.このことから,本研究で測定した豊岡累層は,Ishikawa et al.[6]が調査を行った豊岡累層の溶岩よりも下位の層に相当すると考えられる.また傾動補正を行っていないものの,八鹿累層の古地磁気方位測定結果からも偏角に変動の兆候が見られた.このことは,八鹿累層が日本海拡大初期のみならず,西南日本の時計回り回転も記録している可能性があることを示す.古地磁気方位を物差しとした溶岩層序の再検討を行うことで, テクトニクスに対応したマグマ組成の変遷を明らかにできる可能性がある. 引用文献 1.Otofuji, Y. 1996, Isl, Arc 5, 229-249. 2.星博幸 2018, 地質雑 124, 675-691. 3.山元孝広, 星住英夫 1988, 地質雑 94, 769-781. 4.石渡明, 今坂美絵 2002, 地質雑 108, 671-684. 5.Sakamoto, M. 1992, J Geomag. Geoelectr., 44, 55-63. 6.Ishikawa, N., et al. 2017, Evolutionary Models of Convergent Margins Origin of Their Diversity Edited by Itoh, Y. 155-176.日本海拡大期の溶岩の古地磁気学的記録:丹後半島に分布する北但層群の例
- 日本地球化学会年会要旨集, 2022年, 一般社団法人日本地球化学会, 鬼界カルデラ火山は7300年前の鬼界アカホヤ噴火や9.5万年前の鬼界葛原噴火など超巨大噴火を繰り返す火山で、海底と陸上の調査を組み合わせることで、詳細な噴火史を検討することができる。本研究では、まだ不明なことが多い海底の大規模噴火噴出物ついて、反射法地震探査で明らかになった地下構造をもとに、ちきゅうのSCOREプログラムでコア試料を採取した。火山ガラスの化学組成分析から陸上堆積物との対比を行った結果、2回の大規模噴火噴出物が海底にも厚く堆積していることや、鬼界アカホヤ噴出物は海底でも2枚のユニットに分かれることが明らかとなった。また、鬼界カルデラ周辺で広範囲で実施したピストンコア試料の火山ガラスの化学組成の特徴から、鬼界アカホヤ噴出物は噴火が進むにつれ、遠方には到達しにくくなった可能性が示唆される。海底掘削試料から明らかになった鬼界カルデラ火山噴出物の特徴
- 日本火山学会講演予稿集, 2022年, 特定非営利活動法人 日本火山学会鬼界海底カルデラにおけるアカホヤ噴火以降のマグマ供給系進化
- 海と地球のシンポジウム2021, 2021年12月鬼界海底カルデラにおける物質科学的研究の現状
- 日本火山学会 2021年度 秋季大会, 2021年10月鬼界海底カルデラ火山の溶岩ドーム流紋岩質マグマの温度・圧力の推定
- 日本火山学会 2021年度 秋季大会, 2021年10月鬼界カルデラ火山のマグマ変化-ちきゅうSCORE試料より
- 日本火山学会 2021年度 秋季大会, 2021年10月降下火砕堆積物分布の継時変化:新燃岳2011年噴火の例
- 日本地球惑星科学連合2021年大会, 2021年06月鬼界カルデラ・アカホヤ噴火による水中火砕堆積物の堆積様式
- 日本地球惑星科学連合2021年大会, 2021年06月鬼界アカホヤ噴火噴出物の陸上及び海底堆積物の対比
- 日本地球惑星科学連合2021年大会, 2021年06月Drilling of Kikai caldera volcano for elucidation of magma plumbing system and flow-deposition processes of large ignimbrite
- 海と地球のシンポジウム発表課題一覧・要旨集(CD-ROM), 2021年鬼界海底カルデラ火山の地質岩石学的研究の進捗状況-溶岩ドーム流紋岩質マグマの温度・圧力の推定を中心として-
- 日本地球惑星科学連合2020年大会阿武単成火山群におけるマグマ組成の空間分布
- 日本地球惑星科学連合2020年大会Preliminary report of marine sediments drilled and cored by D/V Chikyu at Kikai volcano, SW Japan
- 日本地球惑星科学連合2020年大会鬼界カルデラにおける一連の巨大噴火に伴う火砕堆積物の地震探査層序と分布
- 日本地球惑星科学連合2020年大会An overview of volcanic rocks from submarine Kikai Caldera
- 海と地球のシンポジウム発表課題一覧・要旨集(CD-ROM), 2020年鬼界海底巨大カルデラ火山における二重カルデラ形成過程の解明-新青丸KS-19-17航海概要報告-
- American Geophysical Union(AGU) Fall Meeting 2019, 2019年12月Risk analysis of small pyroclastic density current: a case study at Iwo-dake volcano in Satsuma-Iwojima island, SW Japan
- American Geophysical Union(AGU) Fall Meeting 2019, 2019年12月Flow and depositional processes of the Koya Pyroclastic Flow formed by the Kikai caldera-forming eruption at 7.3 ka
- 日本火山学会2019年度秋季大会, 2019年09月幸屋火砕流の発生・流動様式
- 日本火山学会2019年度秋季大会, 2019年09月鬼界アカホヤ噴火におけるフェルシックマグマの成因
- 日本火山学会2019年度秋季大会, 2019年09月阿多火砕流堆積物中の粗粒岩相の流動堆積機構
- 日本火山学会2019年度秋季大会, 2019年09月バイオレントストロンボリ噴火により形成されたスコリア丘の堆積物:阿武単成火山群伊良尾火山の例
- 日本地球惑星科学連合2019年大会, 2019年05月, 幕張メッセ鬼界カルデラ・アカホヤ噴火の水中火砕流の分布
- 日本地球惑星科学連合2019年大会, 2019年05月, 幕張メッセ火山ガラス組成に基づく鬼界カルデラ海底採取火山灰と幸屋火砕流堆積物の対比
- 日本地球惑星科学連合2019年大会, 2019年05月, 幕張メッセこれまでのKOBEC鬼界カルデラ航海・研究のまとめ
- 日本地球惑星科学連合2019年大会, 2019年05月, 幕張メッセROVによる鬼界カルデラ海底調査の予察的報告
- 日本火山学会2018年度秋季大会, 2018年09月, 秋田大学 手形キャンパス日本の沈み込み帯における噴火頻度の推定
- 日本地球惑星科学連合2018年大会, 2018年05月, 幕張メッセ日本の沈み込み帯における噴火頻度の推定
- Japan Geoscience Union Meeting 2018, 2018年05月, Makuhari Messe, ChibaThe significance of the surface excavation in the Kikai caldera, southern Kyushu
- 日本地球惑星科学連合2018年大会, 2018年05月, 幕張メッセ南西日本,鬼界カルデラの海洋総合調査
- 日本地球惑星科学連合2018年大会, 2018年05月, 幕張メッセGeneration of voluminous felsic magma in 7.3ka Kikai-Akahoya eruption
- IAVCEI 2017, 2017年08月, Portland, Oregon, U.S.AFrequency of volcanic eruptions and long-term magma discharge rate in sub-regions in Japan
- JpGU-AGU Joint Meeting 2017, 2017年05月, 幕張メッセ日本の異なる沈み込み帯における噴火の頻度と長期的マグマ噴出率の推定
- 日本地球惑星科学連合2016年大会, 2016年05月, 幕張メッセ日本の噴火記録の時空間的不均一性
- 日本火山学会講演予稿集, 2016年, 特定非営利活動法人 日本火山学会異なる沈み込み帯における噴火の規模と頻度の推定
- 日本地球惑星科学連合, 2015年05月, 幕張メッセ降下火砕堆積物の分布から供給源を推定する逆解析手法の確立:鉛直拡散と噴煙形状の影響
- 日本火山学会講演予稿集, 2014年, 特定非営利活動法人 日本火山学会新燃岳2011年噴火による噴煙柱の粒子離脱量垂直変化(中間報告)
- 日本火山学会講演予稿集, 2012年10月, 特定非営利活動法人日本火山学会火山灰軌跡モデルPUFFのシュミレーション結果における噴火条件,縦方向拡散率および風データ空間解像度の影響 : 霧島2011年噴火での例(ポスターセッション)
- 日本火山学会講演予稿集, 2008年, 特定非営利活動法人 日本火山学会P32 阿武火山群,伊良尾(いらお)火山の噴火史(その1) : 農道建設により見出された火山噴出物の層序と特徴(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- 日本火山学会講演予稿集, 2007年, 特定非営利活動法人 日本火山学会B09 長崎県五島列島の福江火山群黒島火山の地質と岩石(予報)(火山のタイムスケール・岩石学,日本火山学会2007年秋季大会)
- 日本地質学会学術大会講演要旨, 2004年, 日本地質学会P-194 単成火山群における火山体の分布特性 : 阿武・横田単成火山群を例として(24. 噴火と火山発達史)
- 日本地質学会学術大会講演要旨, 2003年, 日本地質学会P-137 阿武単成火山群の地質学的研究 : 活動の時空分布特性
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 神戸大学, 2024年04月01日 - 2029年03月31日噴火の痕跡はどのように失われて行くのか?:経過時間と地質環境の異なる噴火の比較
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 若手研究, 神戸大学, 2020年04月01日 - 2024年03月31日噴火の痕跡はどのように失われて行くのか?:地質学的プロセスと時間スケールの解明本研究の目的は,火砕堆積物の産状の経時変化を調査し,浸食や埋没,風化の進行のプロセスや時間スケールを明らかにすることである.これらを明らかにすることによって地質調査で得られたデータ(火砕堆積物の分布面積や体積,噴火の回数,給源)に関して堆積物の年代を踏まえた精度の検討が可能となる. 今年度(2021年度)4月30日から5月7日にかけて霧島火山において火砕堆積物の浸食量・埋没量・風化の調査を行った.これは昨年度に計画していたものの,新型コロナウィルスの感染拡大防止のため実施できなかった調査である.調査では噴火直後に堆積物の層厚が測定されている地点を中心に現在も確認できる堆積物の産状や層厚の記載を行った. 調査の結果を,2011年噴火の降下火砕物の分布軸(火口から南東方向)に沿った変化に着目して記述する.まず,噴火当初の堆積物が明瞭に残っているのは火口からの距離約8km以内である.これらの地点は,2011年時点で数㎝以上の層厚が確認された地点がほとんどである.これより遠方では一部に初生的な堆積物が残るが,火口から約18km以遠になると2次堆積物(おおよそ厚さ1㎝~数㎝)しか見られなくなる.これらの地点は,2011年時点に数㎜~数㎝の堆積物層厚であった地点がほとんどである.さらに火口から約22km以遠では2次堆積物などの噴火の痕跡も見られなくなる.これらの地点は,2011年時点で堆積物の層厚が数㎜であった地点がほとんどであるが,当時1.8㎝の堆積物が見られた地点でも堆積物の痕跡が無い場合が見られた. これらの結果は,浸食による火砕堆積物の消失が,堆積物の当初の層厚が浸食に耐えられるほど厚かったかどうかに規定されることを示唆している.
- 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(A), 神戸大学, 2019年04月01日 - 2024年03月31日九州の3カルデラ火山の比較研究およびマグマ供給系過程の解明カルデラ火山は,大陸地殻を持つ火山帯に普遍的に存在し,大量の大規模珪長質マグマを生産・噴出し,広範囲に壊滅的な被害をもたらすこともある.加えて,地球科学の基本問題である大陸地殻の形成と進化に直接関わっており重要な研究対象である. 2021年度でも引き続き,九州の阿蘇,姶良,鬼界の3つのカルデラ火山のマグマ発生に関わる岩石学的,地球科学的研究を行うとともに,それらの研究により得られたデータから噴火現象に関わる火山学的な検討も行った.阿蘇火山では,噴出物斑晶中のメルトインクルージョンの分析を主として行い,これまで得られていたメルトインクルージョンに基づくマグマの多様性を整理し,結論として阿蘇のマグマは,熱源となったマントルで生成したマグマと下部地殻溶融のマグマの2種類が本質であることを明らかにした.さらに,熱源マグマの水量が多いこと,また,大量の珪長質マグマの起源物質である下部地殻は含水量が少ないことを明らかにした.姶良火山では,噴出物の同位体組成および微量元素組成の分析を主として行い,珪長質マグマが生成した下部地殻の岩石学的条件を明らかにするとともに,噴出に直接かかわった浅部マグマ溜まりでの地殻同化過程を明らかにした.また,3万年前の大規模噴火後にマグマ供給系の条件が大きく変化したことを明らかにした.鬼界火山では,7300年前の大規模噴火の海底化の火砕流分布を岩石学的研究と地震学的研究から明らかにし,精密な体積見積もりを行い,先研究で見積もられた倍の海底火砕流堆積物が存在していたことを明らかにした.また,3回の大規模噴火の毎に,マグマ供給系が大きく変わり,大規模噴火が終了するとマグマの性質が変化し,次の大規模噴火のマグマ性質へと変化する可能性が明らかになった.