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山口 渉
大学院工学研究科 応用化学専攻
准教授

研究者基本情報

■ 学位
  • 博士(工学), 東京工業大学
■ 研究分野
  • ナノテク・材料 / グリーンサステイナブルケミストリー、環境化学 / 有機合成、触媒化学、バイオマス

研究活動情報

■ 受賞
  • 2023年01月 一般社団法人 触媒学会, 奨励賞

  • 2022年11月 大阪大学, 大阪大学賞 若手教員部門

  • 2022年04月 宇部興産学術振興財団, 第62回 学術奨励賞

  • 2021年10月 東京糖鎖研究会, GlycoTokyo2021奨励賞

  • 2008年05月 有機合成化学協会, 第55回関東支部シンポジウム学生講演賞

■ 論文
■ 共同研究・競争的資金等の研究課題
  • 多元素協働触媒作用が拓く革新的プラスチック資源循環系の構築
    山口 渉
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(B), 大阪大学, 2024年04月 - 2027年03月

  • 金属-非金属合金ナノ粒子触媒の開発とリグノセルロース高効率水素化分解への応用
    山口 渉
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 基盤研究(C), 大阪大学, 2021年04月 - 2024年03月
    本研究の目的は、精密に形状制御されたリン化金属ナノ粒子触媒の設計・開発とバイオマス由来リグノセルロースの高効率水素化分解への応用である。天然に豊富に存在するリグノセルロースの必須資源化は、化石燃料の代替法を確立する上で非常に重要な研究領域である。そこで、温和な条件下での水素化分解を実現することにより、既存の水素化分解プロセスを置き換える画期的な環境低負荷型水素化手法を提案する。 リン化金属ナノ粒子を様々な機能性材料と複合化させ、まずはモデル反応基質に対する水素化触媒性能を評価した。層状複水酸化物であるハイドロタルサイトに分散担持したリン化ニッケルナノ粒子触媒(nano-Ni2P/HT)を開発し、世界で初めて非貴金属触媒による常温または常圧水素下でのグルコースの高効率な還元反応を実現した。nano-Ni2P/HTの触媒回転数は世界最高値を示し、既存の工業触媒であるRaney Niに比べ800倍以上高く、貴金属触媒であるRu/Cをも上回る。この高い触媒性能の発現は、nano-Ni2PとHTとの複合界面において、水素分子および糖のカルボニル基をそれぞれ活性化する多元素協働触媒作用に起因している。また、nano-Ni2Pは0価に近い価数をもつにも関らず、空気中で安定に取り扱うことが可能であり、工業触媒として利用されるRaney Niのような発火性もなく、空気中での取り扱いも容易な安全な水素化触媒となり、触媒の回収・再使用も可能である。このように、リン化ニッケルナノ合金と酸化物担体を複合化したハイブリッド金属ナノ結晶では、界面サイトで特異な協働触媒機能が発現し、その触媒作用を活かすことで様々な分子変換反応を極めて高効率に進行させることが出来る。

  • バイオマスの構造特性に立脚した5員環ラクトン・ラクタム合成
    山口 渉
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 東京工業大学, 2017年04月01日 - 2018年03月31日
    本研究では,種々の金属酸化物を用いて単糖(グルコース及び1,3-ジヒドロキシアセトン)から一段階で乳酸を与える新たな触媒反応系の確立を目的とした. 酵素がその細孔内に作り出す酸塩基の特異な構造に着想を得て,種々の両性酸化物(アルミナ,チタニア,ジルコニア,セリア,すず等)を既報に従い調製した.それらを用いて1,3-ジヒドロキシアセトンを基質とする触媒反応へと適用したところ,Al2O3を用いた場合に最も高い乳酸収率を与えることが明らかになった.特に,金属酸化物の焼成温度が反応収率に大きく影響することがわかり,500℃とした場合に最も高い収率で乳酸を与えることが明らかになった.さらに,グルコースを用いても同様に,Al2O3を500℃で焼成した触媒を用いた場合に最も高い乳酸収率を与えた.これらの要因を明らかにするために,X線回折(XRD),窒素吸脱着測定,フーリエ変換型赤外分光(FT-IR)測定を行った.その結果,Al2O3表面上における酸・塩基点の存在が示された.本測定結果は金属酸化物表面上の酸・塩基点が協同的に反応基質と相互作用して目的の反応が促進されたことを示しており,本研究の目的である「酵素の機能模倣した固体表面反応場の形成」に成功したことを示唆する結果である.今後,金属酸化物表面上における酸塩基協同効果の基質適用範囲の向上を目指し,高難度な物質変換反応系へと展開していく予定である.

  • 多糖をテンプレートとするハイブリッド生体機能性材料の創製とその機能評価
    山口 渉
    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 特別研究員奨励費, 東京工業大学, 2011年 - 2012年
    本研究では、2つの反応点(アセチレンとアミノ基)を有するデキストランテンプレートを利用した骨イメージング材料の開発とその機能評価を行った。アセチレンを利用して骨と特異的に相互作用するビスボスホン酸部位を、アミノ基には化合物の体内動態を観察するための検出部位(Cy5(蛍光分子)、DOTA、Pheno1)を導入した。DOTAはGd^<3+>をキレートさせることによりMRI用分子プローブとして利用することができる。Pheno1は放射性同位体ヨウ素(I^<125>)ラベル化が可能である。このような複数の検出機能を有するハイブリッド材料は、イメージング機能を調べる上でお互いの長所を生かし短所を補うことで、理想のイメージング材料になりうると期待した。 合成したハイブリッド生体材料のin vitroにおけるハイドロキシアパタイトとの吸着機能評価を検討した。その結果、リン酸基の導入率の増加によりハイドロキシアパタイトとの吸着能力が向上することを明らかにした。また、導入率が一定値を超えると吸着量が限界に達することが明らかになった。続いて、in vivoにおける骨再生モデルのイメージング実験を検討した。右大腿部には骨欠損モデルとしてBMP-2含浸ハイドロゲルを、左にはコントロールとしてハイドロゲルを埋めたモデルマウスを用いた。その際、それぞれのハイドロゲルを左右の大腿部に埋入することにより、周辺組織の影響を受けにくいと考えた。 まず、放射性同位体ヨウ素(I^<125>)ラベル化されたデキストラン誘導体を用いることにより、化合物の各臓器への集積率を算出した。さらに、蛍光及びMRIにより全身・断層画像を取得し、化合物の集積を可視化することに成功した。

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