研究者紹介システム

宮原 泰之
ミヤハラ ヤスユキ
大学院経営学研究科 経営学専攻
教授
商学・経済学関係
Last Updated :2023/08/22

研究者情報

所属

  • 【主配置】

    大学院経営学研究科 経営学専攻
  • 【配置】

    経営学部 経営学科

学位

  • 博士(経済学), 神戸大学
  • 評判効果に関する研究
  • 組織内における戦略的情報伝達に関する分析

授業科目

ジャンル

  • 経済・金融 / 経済理論

コメントテーマ

  • ゲーム理論

研究活動

研究キーワード

  • 組織の経済学
  • 契約理論
  • ゲーム理論

研究分野

  • 人文・社会 / 理論経済学

論文

  • 定兼 仁, 宮原 泰之

    2企業がプロジェクトの受注を巡って競争している状況に着目し,オークション方式の違いが組織内のコミュニケーションの質に与える影響を分析する。第二位価格オークションと比較すると第一位価格オークションにおいては部下から伝達されるメッセージの内容は意思決定者にプロジェクトの価値をより低く見積もらせるものとなることが明らかとなる。また,いずれのオークションについても効率性の損失が発生し,第一位価格オークションのほうが効率性の損失が大きいことも明らかとなる。

    2021年12月, 国民経済雑誌, 224 (6), 71 - 83, 日本語, 国内誌

    研究論文(大学,研究機関等紀要)

  • 宮原 泰之

    組織における会議費用の存在が社会余剰に与える影響をプリンシパル・エージェント関係を用いて分析する。会議費用が存在する場合,均衡において非効率性が発生することが示される。また,非効率的なエージェントの会議費用の増加はそのエージェントの均衡利得には全く影響を与えず,効率的なエージェントの利得を増加させ,プリンシパルの均衡利得を減少させることが明らかとなる。会議費用削減のための投資が可能である場合,プリンシパルのみが投資の誘因をもつことが示される。

    2018年04月, 国民経済雑誌, 217 (4), 61 - 77, 日本語

    研究論文(大学,研究機関等紀要)

  • 定兼 仁, 宮原 泰之

    本論文では,組織の意思決定者の情報獲得活動が組織のメンバーとのコミュニ ケーションに与える影響について分析する。意思決定者が情報獲得活動を行わない 場合には組織のメンバーが保有する情報の伝達は全く行われない。一方,意思決定 者が情報獲得活動を行う場合には情報伝達内容が改善されることが明らかとなる。 さらに,情報獲得活動によって得られるシグナルの情報精度が低い場合でさえ,情報獲得活動が情報伝達内容を改善することがあることが明らかとなる。

    神戸大学, 2016年04月, 国民経済雑誌, 213 (4), 43 - 59, 日本語

    研究論文(大学,研究機関等紀要)

  • 評判におけるステルス・マーケティングの影響に関するゲーム理論的分析

    宮原 泰之, 日野 喜文

    神戸大学, 2014年03月, 国民経済雑誌, 209 (3), 73 - 83, 日本語

    研究論文(大学,研究機関等紀要)

  • Yasuyuki Miyahara, Tadashi Sekiguchi

    We study finitely repeated games where players can decide whether to monitor the other playersʼ actions or not every period. Monitoring is assumed to be costless and private. We compare our model with the standard one where the players automatically monitor each other. Since monitoring other players never hurts, any equilibrium payoff vector of a standard finitely repeated game is an equilibrium payoff vector of the same game with monitoring options. We show that some finitely repeated games with monitoring options have sequential equilibrium outcomes which cannot be sustained under the standard model, even if the stage game has a unique Nash equilibrium. We also present sufficient conditions for a folk theorem, when the players have a long horizon.

    2013年09月, Journal of Economic Theory, 148, 1929 - 1952, 英語, 国際誌

    [査読有り]

    研究論文(学術雑誌)

  • 有限回繰り返しゲームにおける非自明均衡について

    宮原 泰之

    本論文の目的は有限回繰り返しゲームにおける既存研究を非自明均衡という概念から整理し,有限回繰り返しゲームの分野を概観することにある。非自明均衡が存在することはフォーク定理が成り立つための必要条件である。完全観測の下ではステージゲームの均衡利得ベクトルの一意性はサブゲーム完全均衡利得ベクトルの一意性を意味する。つまり,自明な均衡のみが存在することを意味する。しかし,それ以外の観測構造では必ずしも,ステージゲームの均衡利得ベクトルの一意性は逐次均衡利得ベクトルの一意性を意味しないことが明らかとなる。つまり,情報が完全でないほうがフォーク定理が成り立つことがあることを示す。

    神戸大学, 2012年04月, 国民経済雑誌, 205 (4), 39 - 53, 日本語

    研究論文(学術雑誌)

  • 組織におけるモニタリング構造に関する一考察

    宮原 泰之

    経営者,上司,部下の3人から構成される組織を考え,上司と部下はプロジェクト実行のために努力を投入するという状況を分析する.部下が選択した努力をモニターすることができ,モニターすれば部下が選択した努力を完全に観察することができる.しかし,観察された努力はモニターの私的情報となる.経営者はこの情報をモニターに報告してもらわなければならない.このようなモニ
    タリング技術がある場合に経営者は誰にモニタリングを委譲すべきかを明らかにした.モニタリング費用が十分に小さい状況を考える.このとき,追加的に従業員を雇う費用がかからなければ,モニタリング活動に特化した従業員を雇って委譲することが望ましく,費用がかかる場合は上司に委譲することが望ましいという結果が得られた.

    神戸大学, 2010年05月, 国民経済雑誌, 201 (5), 79 - 95, 日本語

    研究論文(学術雑誌)

  • Eiichi Miyagawa, Yasuyuki Miyahara, Tadashi Sekiguchi

    The folk theorem literature has been relaxing the assumption on how much players know about each other's past action. Here we consider a general model where players can “buy” precise information. Every period, each player decides whether to pay a cost to accurately observe the actions chosen by other players in the previous period. When a player does not pay the cost, he obtains only imperfect private signals. Observational decisions are unobservable to others. Known strategies such as trigger strategies do not work since they fail to motivate players to pay for information. This paper shows that the folk theorem holds for any level of observation costs. Unlike existing folk theorems with private monitoring, ours imposes virtually no restriction on the nature of costless imperfect signals. The theorem does not use explicit or costless communication, thereby having implications on antitrust laws that rely on evidence of explicit communication. The main message is that accurate observation alone, however costly, enables efficient cooperation in general repeated games.

    2008年03月, Journal of Economic Theory, 139 (1), 192 - 221, 英語, 国際誌

    [査読有り]

    研究論文(学術雑誌)

  • 申告納税制度の契約構造

    鈴木 一水, 宮原 泰之

    産業経理協会, 2006年04月, 産業経理, 66 (2), 109 - 116, 日本語

    研究論文(学術雑誌)

  • 宮原 泰之

    本稿では,隠れた行動と隠れた情報が存在する場合について,ひとりのプリンシパルとふたりのエージェントの関係における効率性を研究する。プリンシパルとエージェント間でコミュニケーションは可能であるが,プリンシパルはコミュニケーションの後にエージェントの報酬体系を設計する状況を考える。このとき,効率性を達成することはできないことを明らかにする。

    神戸大学経済経営学会, 2004年11月, 国民経済雑誌, 190 (5), 27 - 39, 日本語

    研究論文(学術雑誌)

  • 宮原 泰之

    長期的な関係において,相手が過去に選択した行動を観測するには費用を伴うとした場合に,協力が達成可能かどうかを明らかにする。本稿では,ランダム・マッチング・モデルにおいて評判が協力達成のために有効であることを示す。そして,従来の評判効果に関する研究とは異なり,コミットメント・タイプではないという評判を形成することによって協力を達成することができることを明らかにする。

    2003年05月, 国民経済雑誌, 188 (2), 97 - 108, 日本語

    研究論文(学術雑誌)

MISC

  • 経営学部新入生のためのアドバイス

    宮原泰之

    2022年04月, 経済学・経営学学習のために 国民経済雑誌別冊, 57 - 64, 日本語

    記事・総説・解説・論説等(その他)

  • 評判形成に関するゲーム理論的考察

    宮原 泰之

    神戸大学, 2013年07月, Business Insight, 21 (2), 47 - 52, 日本語

    その他

  • 報酬制度の設計を考える

    宮原 泰之

    神戸大学, 2009年09月, Business Insight, 第17巻,第3号(no.67, Autumn 2009) (3), 2 - 3, 日本語

    その他

書籍等出版物

  • 組織の経済学

    伊藤 秀史, 小林 創, 宮原 泰之

    共著, 有斐閣, 2019年12月, 日本語, ISBN: 9784641165502

    教科書・概説・概論

講演・口頭発表等

  • Communication Enhancement through Information Acquisition by Uninformed Player

    宮原 泰之, 定兼 仁

    WEAI 15th International Conference, 2019年03月, 英語, Kieo University, 国際会議

    口頭発表(一般)

  • Communication Enhancement through Information Acquisition by Uninformed Player

    Yasuyuki Miyahara, Hitoshi Sadakane

    The 28th International Conference on Game Theory, 2017年07月, 英語, ストーニーブルック大学, 国際会議

    口頭発表(一般)

  • Finitely Repeated Games with Automatic and Optional Monitoring

    Yasuyuki Miyahara, Tadashi Sekiguchi

    The 27th International Conference on Game Theory, 2016年07月, 英語, ストーニーブルック大学, 国際会議

    口頭発表(一般)

  • Finitely Repeated Games with Automatic and Optional Monitoring

    宮原 泰之, 関口 格

    第20回DCコンファレンス(TCERミクロコンファレンス), 2014年10月, 日本語, 福岡大学, 国内会議

    口頭発表(一般)

  • Finitely Repeated Games with Automatic and Optional Monitoring

    宮原 泰之, 関口 格

    一橋大学経済理論ワークショップ, 2014年06月, 日本語, 一橋大学, 一橋大学, 国内会議

    [招待有り]

    口頭発表(招待・特別)

  • 観測費用を伴う繰り返し囚人のジレンマ・ゲームにおける評判

    宮原 泰之

    ゲーム理論ワークショップ 2011, 2011年03月, 日本語, 科学研究費補助金 基盤研究(S) ゲーム理論のフロンティア理論と応用(研究代表者:岡田 章(一橋大学大学院経済学研究科)), 名古屋大学, 国内会議

    口頭発表(一般)

  • Repeated Games with Observation Costs

    宮原 泰之, 関口 格

    DCコンファレンス, 2002年09月, 日本語, 広島大学, 国内会議

    口頭発表(一般)

所属学協会

  • Game Theory Society

  • Econometric Society

  • American Economic Association

  • 日本経済学会

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 片側不完備情報下の有限回繰り返しゲームにおける評判効果

    宮原 泰之, 定兼 仁

    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 基盤研究(C), 神戸大学, 2022年04月01日 - 2025年03月31日

  • 宮原 泰之

    学術研究助成基金助成金/基盤研究(C), 2017年04月 - 2020年03月, 研究代表者

    競争的資金

  • 宮原 泰之

    学術研究助成基金助成金/国際共同研究加速基金(国際共同研究強化), 2015年 - 2017年, 研究代表者

    競争的資金

  • 宮原 泰之

    科学研究費補助金/基盤研究(C), 2012年04月 - 2016年03月, 研究代表者

    競争的資金

  • 宮原 泰之

    科学研究費補助金/若手研究(B), 2008年, 研究代表者

    競争的資金

  • 世代重複モデルにおける企業内インセンティブ・システム設計に関する研究

    宮原 泰之

    日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 若手研究(B), 神戸大学, 2003年 - 2005年

    本研究の目的は企業組織における従業員の生涯を明示的にし、最適な雇用契約を特徴付けることである。本年度の目標は企業組織における従業員の生涯を考慮した数理モデルを構築し、分析することであった。非常に単純化したモデルを構築した。ある企業は高い確率で長期的に生産活動を続けていくものとする。その企業組織における従業員の生涯は平社員の時期と経営者の時期の2期間であると仮定する。従業員はある時期に入社し、平社員として1期間だけ生産活動を行う。2期目には経営者として企業を運営していく。その後、退職する。経営者になると新しい平社員が入社する。経営者の時期は平社員に最適な努力を導出させるために、最適な雇用契約を設計する。各期に企業はひとりの経営者とひとりの平社員から構成されることになる。この設定の下でモラルハザードの問題を分析した。よって、経営者は平社員の努力を観察できないために、観察可能な企業の利潤に応じて賃金の支払いをすることによって平社員の行動をコントロールしなければならない。平社員の時期に投じた努力の成果(企業の利潤)の一部は平社員の時期に(確率的に)実現し、一部は将来自分が経営者になったときに実現するものと仮定する。将来の成果の実現確率は平社員の時期の成果に依存している。よって、各期の利潤は現平社員の努力による成果と、経営者が平社員の時期の成果の合計である。利潤は観察可能であるが、成果の構成はわからないものとする。新入社員は経営者が平社員の時期の成果を知ることはできない。このとき、経営者は新入社員より情報的に優位にあり、経営者は必ずしもその情報を企業全体の利益のために利用しないかもしれない。ゲーム理論を用い、均衡における契約を特徴付けた。あるパラメーター範囲においては、平社員の時期は固定賃金であり、経営者の時期は業績変動型であるような契約のみが意味ある均衡報酬契約であることが明らかとなった。他のパラメーター範囲においては、平社員、経営者の時期ともに業績主義の報酬が均衡契約となることも明らかとなった。次のステップは実証的な裏付けを行うことである。そこで、全産業の賃金に関するデータを収集した。上記で特徴付けたパラメーターはある産業の生産技術または市場の競争度合いを表していると考えられる。現在、モデル分析で得られた結果が現実と整合的であるかを確認中である。