梅屋 潔 | ![]() |
ウメヤ キヨシ | |
大学院国際文化学研究科 文化相関専攻 | |
教授 | |
人文科学その他 |
2022年11月 地域研究コンソーシアム(JCAS), 地域研究コンソーシアム(JCAS)賞 作品賞, 梅屋潔 The;Gospel Sounds;like the Witch’s Spell;Dealing with;Misfortune among;the Jopadhola of;Eastern Uganda(Bamenda;Langaa
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私はここ10年ほど,ウガンダ東部にすむアドラ民族出身でアミン政権(1971-1979)閣僚だった故オボス=オフンビの「遺品整理」とでもいえるような作業を行っている。彼はアミンの側近でありながら,ついにはその命令で殺害された人物である。出身地域で随一のエリートとして評価される一方,その生涯はティポtipo(殺害された者の死霊)やラムlam(呪詛)そして予言者などの観念で彩られ,両義的な評価を付与されてきた。彼は当該民族最初の民族誌の著者であり,国防大臣として軍の兵舎を誘致し,父の墓を二度建てかえ,その名を冠したチャペルを建造した。邸宅には当時を知る手がかりとなる数多くの遺品が残っている。偶然から始まったこの人物への関心がアドラ民族の世界観への理解を深めることはもちろん,地域から見た世界史,そしてその手がかりとなるモノへの関心に繋がるようになった軌跡を辿る。This paper attempts to describe the events that sparked my interest in a specific subject of my fieldwork during this decade. I was particularly intrigued by the preservation of the relics of the late A. C. K. Oboth-Ofumbi (1932-1977) , who was a Japadhola and served as a cabinet minister in Idi Amin Dada' s regime (1971-1979) . Despite being the head of Amin's inner circle, he was reportedly eventually murdered on Amin's orders. He was acclaimed as one of the most famous Jopadhola, but he had an ambiguous reputation, including rumours that he was connected to a tipo ( spirit of a murdered person) , lam ( curse) and jathieth ( soothsayer) . He left many memories and objects in his homeland of Padhola. He was the author of the first ethnography of the Jopadhola, and a defence minister who established Padhola's first army barracks. He was a pious Christian who built a large tombstone with a huge cross, presently functioning as a monument in this area, and a memorial chapel for his late father. He was also a family man who left a large inheritance and a modern mansion, and a methodical postcolonial intellectual who left a number of diaries that faithfully depict his time. In this paper, I explain how I accidentally came to develop an interest in this figure. Visiting a large number of elders, his family and neighbours, I not only developed a better understanding of the religious beliefs and world view of the Jopadhola, but also came to appreciate the importance of the relics left by Oboth- Ofumbi, especially those in his residence, and to develop a keen interest in preserving them.
国立歴史民俗博物館, 2011年, 『国立歴史民俗博物館研究報告』, 第169集、頁数調整中, 209 - 240, 日本語[査読有り][招待有り]
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特集文化人類学の現代的課題論文I. はじめにII. 最初の手がかりIII. オボス・オフンビの『パドラ』IV. オボス・オフンビからセム・コレ・オフンビへV. セム・コレ・オフンビのバイオグラフィVI. パドラのキリスト教受容とセム・コレ・オフンビVII. 現地でのセム・コレ・オフンビ像 VII-1. 力溢れるエヴァンゲリスト VII-2. 知られざるセム・コレ・オフンビVIII. おわりにThe aim of this paper is to make an interim report of my findings to seek the native informants who helped Fr. Crazzolara's ethnographic research in Padhola, Eastern Uganda. Though some evidences that were available at the starting point of my research suggested that one of the most famous Jopadhola, A. C. K. Oboth-Ofumbi might be the alleged, further biographical research in the field forced me to reject the hypothesis. The most likely person who might have been or have had some communication with the person wanted here is his father, the famous evangelist Semu Kole Ofumbi. He is known as the teacher being to be said to have assisted the research work of the wife of white Anglican Christian called Rampley. Further biographical research not only from the side of Padhola but also from the one of Fr. Crazzolara and Christian Mission should be planned to solve this puzzlement. The procedure of this detective work gave us to reconfirm the inexhaustible importance of biographical data that can reflect a lot of aspects of circumstances surrounding the person to consider historical events ethnographically.
慶應義塾大学, 2002年, 哲學, 第107集、233-260頁, 233 - 260, 日本語[査読有り]
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新潟県佐渡島の人々の間では,ムジナ(貉(ムジナ))ないしトンチボ(頓智坊)と呼ばれる動物がしばしば話題に上る。この動物は動物でありながら神であり,ときに人間にも変身する存在として知られている。ところが,注意深くこの概念を巡る語りをみてみると,その意味が極めて同定し難いことがわかる。われわれからみると明らかに異質な存在が,同じものであるかのように「あたりまえ」のものとして語られるのである。本稿の目的は,そのムジナについての語りの分析を通じて,従来人類学者が「象徴」という概念を用いる衝動に駆られるとき,いったいなにが起きているのか,また,語りの中でそのような概念の果たしている役割は何か,という問いに答えようとするものである。「あたりまえ」と考えられていることを相対化し,考察するために,従来の中間的話体に加えて,テキストの微視的な分析を行うことにより,われわれ,そしてかれらの中で起こっているコンテキストのくむかえや矛盾の無視などが明らかにされる。
日本文化人類学会, 1995年, 民族學研究, 第59巻4号、342-365頁 (4), p342 - 365, 日本語[査読有り]
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論文I. はじめにII. 調査地の概要III. 勇進会の儀礼の過程IV. 準備と儀礼 : その作業手順V. 「なぜ」の不在VI. 結びに代えて
慶應義塾大学大学院社会学研究科, 1994年, 慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要, 第39号、45-55頁 (39), p45 - 55, 日本語[査読有り]
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論文はじめに1. 「トンチボ」2. 「一見して非合理な信念」?3. 「真理」の代価4. 「説明体系」モデルを適用する際の留意点5. 「解釈の終着点」?おわりに
慶應義塾大学大学院社会学研究科, 1994年, 慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要, 第38号、 81-92頁 (38), p81 - 92, 日本語[査読有り]
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三田社会学会, 2016年07月, 『三田社会学』, (21), 124 - 130, 日本語書評論文,書評,文献紹介等
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American Anthropological Association
Uganda Society
Association of Social Anthropologists of the UK and Commonwealth
The Royal Anthropological Institute of Great Britain & Ireland
日本社会学会
Japanese Association for Religious Studies
The Folklore Society of Japan
Japan Association for African Studies
The Japanese Society of Cultural Anthropology
日本宗教学会
日本民俗学会
日本アフリカ学会
日本文化人類学会
年度の最初と最後に研究会をおこない、研究の趣旨や方法論を共有するとともに、1年間の活動を通して得られた成果も共有した。「文化遺産の社会的ふるまい」に関わるさまざまなアクターを洗いだしたことと、「コミュニティ」の主体性が発揮される場をそれぞれの事例において特定したことが、今年度に得られたもっとも大きな成果である。年度末の研究会は、感染症の蔓延に対応するため急遽ビデオ会議の方式でおこなったため、研究協力者のゲスト参加を得ることができなかったが、ビデオ会議でかなりの議論共有がはたせることがわかったことは収穫だった。
各研究分担者は、計画どおりの分担にもとづいて、ケニアとタンザニア、ウガンダ、コモロでの現地調査をおこなった。また、これらの現地調査をふまえて、2020年度の「野外実験」で用いる写真や動画の整理をおこなった。
学術的な知見はこれからおいおい整理していくことになるが、研究計画に関わる知見として、文化行政に関わる各国の態勢の差異が明らかになりつつある。ケニアでは記念碑保存を司る部局と博物館運営を司る部局が2008年に合併し、その部局が無形文化遺産を守備範囲に収めつつある。いっぽうで、国立公園行政は別の部局のままである。こうした文化行政部局の統合により、ユネスコが提唱する文化遺産への統合的アプローチが取りやすくなっていることは、ケニアの大きな特徴である。今後、他の国も含めて文化行政の実情に関する情報を整理し、複数の事例を比較するさいの基準としたい。
昨年度に引き続き、地域調査班、移民調査班、都市調査班とも現地調査を実施した。具体的には主として、アフリカの非定住生活者および移民社会において住み込み調査をおこない、流動的でフレキシブルなシティズンシップの実践に関する事例を記録した。研究の成果は、論集、研究論文、口頭発表そして新聞報道といった形態で公開した。学術の国際的な展開において強いインパクトをもつと思われるおもな実績としては、以下が挙げられる。 1.7月に明治大学駿河台キャンパスにて、JSPS二国間交流事業南アフリカ(NRF)との共同研究「21世紀の南アフリカと日本におけるシティズンシップ」、明治大学国際武器移転史研究所、神戸大学国際文化学研究推進センター、JSPS科研費16K04126との共催により、国際ワークショップ「21世紀の南アフリカと日本におけるシティズンシップ」を一般公開で開催した。南アフリカにおけるシティズンシップ研究の現状と理論的側面についての発表をもとに活発な議論が繰りひろげられた。 2.7月に気仙沼市にて、JSPS科研費16K04126、上記共同研究などとの共催により「シンポジウム・市民との交流会 アフリカン・ヒーロー、北の町を訪れる」を一般公開で開催し、復興のためのレジリアンスとシティズンシップについて考察した。 3.11月にケープタウン大学において、国際ライティング・ワークショップを開催し、次年度に出版を控える成果本 “Citizenship in Motion”(波佐間、梅屋、ニャムンジョ編集、Langaa出版)の最終原稿を発表し、相互にレビューをおこなった。 4.日本文化人類学会の機関紙『文化人類学』にて、「特集:東アフリカのシティズンシップ」を組み、研究組織の全メンバーが研究成果を発表した。
近隣の地域、つまりテソ地域の「呪詛」概念「イラミ」についての研究が進んだ。また、ブガンダ王国のジョセフ・ムロンド王子を日本に招聘できたことでブガンダにおける「呪詛」についての理解も進んだ。地域的にもカラモジャ地域にも調査に訪れることができ、波佐間逸博長崎大学准教授、フランシス・ニャムンジョ・ケープタウン大学教授と研究会などを通じて多くの示唆を得た。妖術研究の理論的な問題が立ち上がってきたカメルーン社会への展開可能性も含めて予想外の展開であった。比較参照点のひとつだったランギへの展開が進捗しなかったこと、法的な問題への切込みが、思ったほど進まなかったことについては今後の課題である。
競争的資金
妖術にまつわる事件についての新聞、雑誌、官報などの印刷物の収集と利用可能な文献などの情報を通じて、また、ウガンダ共和国において現地調査を行った際に蓄積した民族誌資料を検討した。現地での聞き書きにおいて最近の旧ブガンダ王国の領域内はhuman sacrifice(人身御供)にまつわる事件が頻発していることが明らかとなり、近隣に比してその数が著しく、ブガンダ王国についてはゲシーレの報告にあるカメルーンの例とは異なって、王国が妖術の管理機能を担っていない傍証のひとつとなった。また、牧畜社会において根強い「呪詛」などの正当呪術の存在がこうした猟奇殺人の歯止めになっている可能性も見いだされた。
多民族が混住するアルバート湖岸における人びとの移動は、ウガンダ・コンゴ・ルワンダというトランスナショナルな空間に配置されること、一方で、アルル人コミュニティと共催した死者祈念儀礼においては、従来のトランスナショナルな共同性に代わり、国家内における血縁関係を基盤にした新たな共同性が発露すること、また共同性の発現においては呪術的空間と現実空間のかい離が生じることを明らかにした。 本研究の成果の一端として、死者祈念儀礼のドキュメンタリー映像を制作し、ウガンダと日本で上映し、儀礼の次世代への継承と研究成果のフィードバックを試みた。
本調査研究の目的は、現代アフリカにおける独裁者の虚像と実像に関する民族学的研究という研究課題のもとに、 (1)軍事独裁、 2)一党独裁 (3)個人独裁という3つの政権の実態があることを探究することである。現代アフリカの7カ国、6独裁者(為政者)について現地調査を実施した。具体的には、ンクルマ(ガーナ)、セク・トゥーレ(ギニア)、ケニヤッタ(ケニア)、ニエレレ(タンザニア)、アミン(ウガンダ)、モブツ(コンゴ)である。本調査研究は、権威主義的政権及び指導者を探究することによって、通時的、共時的な独裁の包括的分析を提示した。
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「事件」とoccultの噂について文献とインタビュー両面の資料から分析するために、国内外のライブラリーワークのほかウガンダ東部で計3回約90日間の現地調査を実施した.犠牲者のひとりである内務大臣(西ナイル系アドラ民族)の出身地で「事件」をモチーフにした音楽の演奏とそれにあわせた踊りを録画し、歌詞を現地語で逐語的に書き起こしたうえで翻訳した資料(テキスト)を作成した.あわせて「事件」とそれにまつわるoccultについてインタビューを行い、同様にテキスト化した.内務大臣家所蔵のアルバムなど遺品の一部を電子化し、資料として保存した.悪霊(jwogi)に憑依されたといわれる青年との面接や当該社会でこれまで報告のなかった仮面儀礼を観察するなど民族誌的発見も多かった.
本年度は、本研究のとりまとめを中心に作業が進められた。ウガンダ国トロロ県での現地調査においても、新たな枠組みやトピックを探すつもりはなかったが、いくつかの新しい発見があった。そのうちのひとつは、ウガンダ国の現政権を悩ませる「神の抵抗軍」の母体となった霊媒アリス・ラクウェナ率いるゲリラ軍がトロロ県の周辺で活動をしていた折の伝承を収集したこと、またその出来事を歌った歌を録音することができたことである。関連して、本来の研究課題についても同様の歌を録音することができた。これは、A・C・K・オボス=オフンビ、ジェームズ・オチョラという当地出身の閣僚と、イディ・アミン元大統領の事跡を歌ったもので、本研究が本来目指している歴史的な出来事が結晶化された例としてきわめて重要である。さらにジョパドラのオカルト的な観念についても未知のいくつかの観念の発見があり、それらの相関関係も明らかなものとなりつつある。あわせて国内でも文献収集とその解析が予定通り進められている。そのうちの際立ったものとして大主教ルウムの伝記を入手したことがあげられる。インタビュー記録の書きおこしと翻訳作業はすでに一定の成果を見せているが、それらの電子化には想像を絶する時間を要し、当初の予定通りには進捗していない。また入力以外の残された課題として存在は認められているが入手されていないオリエマの伝記を入手すること、また深刻な問題として個人名を出す場合の公共性と名誉毀損との関連で、A・C・Kのオカルトの噂のうち、どこまで公開するべきか、またそれが可能かという問題があり、遺族や法律家と相談し、コンプライアンスについての検討を重ねている状況にある。
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